2020年 銀行関連の動き②
今年度、中小企業に関わる銀行関連の動きを
とりまとめてゆきます。
②コロナ融資で過去最高の融資残高
2020年3月以降、いわゆるコロナ融資が
政府系銀行で始まりました。
3年無利子、返済は5年据え置き、というものです。
政府系だけでは対応が間に合わず、
5月からは民間銀行も窓口となりました。
「先行きが不安なので、一応借りておきました。」
5月~6月ころ、経営者のこのような声をよく聞きました。
コロナ融資は、保証協会の保証が100%です。
銀行にすれば、リスクなしで貸せる、ということから、
事業に影響を受けていない会社にまで、
「手元資金が多いと安心ですよ。」
と誘い文句をうたい、融資額を伸ばしました。
3月~7月のコロナ融資総額は40兆円です。
その結果、銀行は過去最高の融資残高になったのです
慎重な会社は、安易にコロナ融資を借りることなく、
当座貸越枠を新たに作ったりして、
いつでも資金調達できるようにだけ、手配を済ませました。
銀行には頼らず、
生命保険を解約して急場をしのいだ会社もありました。
“キャッシュ・イズ・キング”という言葉が囁かれ、
多くの会社がお金で苦しみ続ける一年となりました。
安心のために借りました、という会社は、
その借りたお金を決算期にまで残さず、
銀行へ返済してほしいのです。
決算書にムダな負債を残さず、健全無垢な財務状況と
しておくのです。
いずれ、本当に借りなければいけない時に、
銀行がすぐにでも貸したくなる決算書にしておくのです。
不安があるなら、先ほど述べたように、
銀行に交渉して、当座貸越枠を作ればよいのです。
「それってどんなものですか?」
と聞かれることがあります。
特に、これまで融資にあまり縁がなかった会社ほど、
ご存じでないことが多いです。
マサカの坂は、いつ来るかわからないのです。
そのときに今回のような、
政府があとおしする融資があるとは限りません。
危機を耐える力への、備えをしておいてほしいのです。
(古山喜章)
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