社会保険料の労務コストを減らしなさい③
損益分岐点売上高を下げるには、
最大のコストである、労務コストを下げる必要があります。
なかでも、
給料に併せて発生する“社会保険料”は、
ますます増額傾向にあり、減らしたい労務コストなのです。
③派遣社員を活用しなさい
社会保険料は、会社が直接雇用している従業員を対象とします。
ならば、直接雇用しない派遣社員を活用する、
というのも、社会保険料の支出を減らす、
ひとつの手段です。
「しかし、派遣は単価が高いし、
そこには社会保険料に見合う費用が入っているでしょ?」
と言われます。
確かに、そうかもしれません。
しかし、それでも派遣社員の活用をお勧めするのは、
労務コストを変動費化できる、
というメリットが大きいからです。
我々の顧問先では、十数名いる管理スタッフが、
2名ほどのぞいて全員派遣社員という会社もあります。
その会社では、かつて経営危機に陥った際に、
固定費化された労務コストで大変な思いをされたのです。
その教訓をもとに、
人数を変動させやすい、派遣社員の活用に切り替えたのです。
管理部門だけでなく、工場部門、営業部門でも、
同様にされているのです。
その様子を見たある会社の幹部が、
「わが社もそのようにしよう!」と、
数年ほどかけて、管理部門の派遣比率を高めました。
するとその直後に、大震災の直撃を受けました。
派遣の方には状況を説明し、契約を一時停止してもらいました。
その時の派遣費用はゼロです。
そして復旧後、あらためて同じ仕事で勤務してもらったのです。
「あのとき派遣に切り替えていて、
本当に助かりました!」
とは、その経営幹部の正直な言葉です。
直接雇用の労務コストは、固定費化され、
危機対応に弱いのです。
加えて、社会保険の対応も考慮しなければなりません。
休業時や休職時でも、会社負担の社会保険料は発生します。
業務に繁閑があればなおのこと、派遣社員を大いに活用すべきなのです。
それに、非正規雇用そのものが悪いのではなく、
不当な待遇をすることが悪いのです。
政府も持続化給付金など、国家施策を実行するうえで、
大手派遣会社を活用するのです。
変動費的な労務コストへの対応だからです。
自社で、直接雇用の社員から、
派遣社員に切り替えれる業務がないか、見直してほしいのです。
(古山喜章)
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