社会保険料の労務コストを減らしなさい②
損益分岐点売上高を下げるには、
最大のコストである、労務コストを下げる必要があります。
なかでも、
給料に併せて発生する“社会保険料”は、
ますます増額傾向にあり、減らしたい労務コストなのです。
②会社を分けて小さい会社をつくる
社会保険加入の基本条件は、次のとおりです。
「一週間の労働時間および一ケ月間の労働日数が、社員の概ね3/4以上の者」
さらに、2024年以降、雇用人数50人超の会社であれば、
①1週間の労働時間が20時間以上
②月額賃金88000円以上(年収106万円以上)
➂2ケ月以上の雇用が見込まれている(現状は1年以上)
①~③の全部を満たす従業員にも加入が必要となります。
ならば、50人以下の小さな会社を事業ごとにつくり、
複数の会社に所属してもらい、曜日によって、
所属会社の使い分けをすればよいのです。
仮に、A社は50人超の会社、B社は50人以下の会社とします。
月曜日と火曜日はA社の従業員として勤務し、
水曜日から金曜日はB社の従業員として勤務する。
ということを可能にすれば、
一人の従業員に週5日・40時間の勤務をしてもらっても、
いずれの会社でも社会保険の対象にならないようにすることができます。
A社は50人超なので、
労働時間と労働日数が社員の3/4未満となり、加えて、
①~③のすべてを満たさないようにします。
月曜日と火曜日の2日勤務なら、①を満たすことはないはずです。
2日勤務なので、勤務日数も3/4未満です。
B社は50人以下なので、①~③の条件は関係ありません。
B社では、労働時間と労働日数を社員の3/4未満にすればよいのです。
水曜日から金曜日の3日勤務なら、勤務日数が3/4未満です。
「まったく同じ仕事でも、そのようなことができますか?」
と聞かれます。
できます。
月曜日と火曜日は、A社の直接雇用で仕事をします。
水曜日から金曜日は、同じ仕事をA社からB社へ業務委託し、
B社の従業員として委託業務をこなします。
このパターンだけでなく、
小さな会社を作れば、いろいろなパターンを
考えれるはずです。
「管理が面倒になりませんか?」
とも言われます。
アナログ管理だから面倒なのです。
勤怠管理・賃金管理をデジタル化していれば、
多少の手間はかかったとしても、
社会保険料よりは、ずっと安あがりのはずです。
社会保険料は、目に見えないコストなので、
現場実務者は、消えたコストを実感しにくいのです。
一方、少しの手間が増えることを、
「手間が増えて余計にコストがかかります!」
と言い始めます。
どちらが本当にコスト削減につながるのか、
よく考えてほしいのです。
(古山喜章)
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