コロナで銀行の業績は向上しています④
ここ数か月、
銀行の業績上方修正の記事をたびたび見かけます。
コロナ融資額の増大による金利収入増、
保証協会の全面バックアップで与信費用縮小、
コロナ打撃企業の預金減で支払い利息減、など。
銀行にとってはプラス要素が重なっているのです。
コロナ禍の不安のなか、
現状の資金調達に問題がないか、再確認してほしいのです。
④社債の発行額が過去最高です
2019年、2020年と、
社債の発行額が2年続けて最高となりました。
社債は、会社が発行する債券で資金を集める、資金調達手段のひとつです。
特にソフトバンクやNTTなど、
上場会社が社債を発行しまくって、日銀や投資家が買い手となる、
という資金調達が増えた結果、発行額は過去最高を更新したのです。
一方、中小企業が銀行から狙われるのは、
「私共ですべて引き受けますので、社債を発行しませんか。」
という、“銀行引き受けの社債”です。
コロナ禍において、その誘いを受けた、
という声がいくつも聞こえてきたのです。
「社債にすれば、毎月の元金返済はなく、
7年後の一括償還でよいので、資金繰りが安心ですよ。
コロナもいつまで続くかわかりませんので、
手元資金をとにかく厚くしておいてはいかがでしょうか?」
といったパターンで誘ってくるのです。さらに、
「御社のような優秀な財務状況の会社にしか、
この提案はできないんです。」
と、プレミアム感を仕掛けてきます。
私たちは、
「銀行引き受けの社債なんて絶対にやるな!」
と言い続けています。
金利は低いかもしれませんが、
その他の手数料が半端なく高いからです。
保証協会の保証料も必要になります。
なんだかんだで、年間利息2%近くなる、
ということが往々にしてあるのです。
なので、この提案を受けた私共の顧問先では、
「社債なんてやりません。」
と一蹴しました。
しかし、何も知らない経営者なら、
「それもそうだな。社債というのもいいな。」
と銀行の誘いにまんまと乗せられてしまうのです。
低金利のいまどき、
銀行にすれば、社債はおいしすぎる商品なのです。
「ソフトバンクやNTTも、たくさん発行していますよ。」
などと、市中引き受けの社債の話しまで、関係ないのに持ち出すのです。
銀行にとって、先行き不安な今の時代は、
このような商品を提案する、絶好のチャンスなのです。
改めて、社債の誘いには安易にのらないよう、
十分にお気をつけいただきたいのです。
(古山喜章)
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