M&Aで会社を売る④
ここ最近、M&Aで会社を売りたい、
という相談を受けています。
経営者には、M&Aのほか、
廃業という選択肢もあります。
M&A,廃業と一口にいっても、色々なパターンがあります。
仮にM&Aによらず、廃業を選択する場合は、
どうなるでしょうか?
廃業といっても、2種類あります。
一つは、会社を清算して、解散すること
もう一つは、事業は廃止して、別の形で会社を残すこと
会社を清算する場合は、
貸借対照表の左側を売却、解約するなどして、
現金に換えます。
一方で、貸借対照表の右側の負債を、全て支払います。
そうして、残ったお金を、
株主に分配する、という形をとります。
一種の配当ですね。
この場合、いくらが手元に残るか、
という点は、注意しなければいけません。
株主に分配するお金がたくさんになると、
最後受け取ったお金に、高い税金がかかります。
いわゆる配当所得となるからです。
この点で、会社を売却すれば20%、
清算する場合は最大50%くらいの
税金がかかります。
一方の、事業は廃止して、別の形で会社を残すこと
ですが、多いのは、不動産の賃貸会社として、
ほそぼそと続けてゆくパターンですね。
しかし、この場合、たいてい事業の規模が、
大きく減りますので、役員報酬を減らすことになります。
役員報酬を出して、会社の現金を食いつぶしてゆく、
というイメージです。
この場合、やがては、
不動産をどこかのタイミングで売却して、
会社を清算、解散するという流れになるでしょうが、
そのときに、問題となるのが、役員退職金です。
高額の退職金をもらおうと思えば、
毎期の役員報酬をそれなりに設定する必要があります。
この点で、役員報酬をあまり減らした状態が続くと、
退職金が出せない、という問題があります。
実際に、会社を解散、清算、廃業するという場合は、
計画的に進める必要があるのです。
(福岡雄吉郎)
« M&Aで会社を売る③ | トップページ | 令和時代の特質を理解せよ »
「事業承継・M&A」カテゴリの記事
- なぜ、少数株主を整理すべきなのか ⑤(2022.05.13)
- なぜ、少数株主を整理すべきなのか ④(2022.05.12)
- なぜ、少数株主を整理すべきなのか ➂(2022.05.11)
- なぜ、少数株主を整理すべきなのか ②(2022.05.10)
- なぜ、少数株主を整理すべきなのか ①(2022.05.09)
コメント