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2021年4月

2021年4月30日 (金)

リースについて知っておきたいこと③

機械設備等を導入の際、

リース契約の活用を検討することがあります。

リースも銀行同様、資金調達のひとつなのです。

しかしながら、リース活用のポイントについては、

あまり知られていないと感じるのです。

 

③リース期間の設定には幅があります

 

リース契約で設備等を導入する場合、

そのリース期間はどのように設定されていますでしょうか。

 

「リース期間はその物件の耐用年数で決まるのではないですか?」

と言われることがあります。

リース期間の設定には、

幅があることをご存じでない方がおられるのです。

リース期間=耐用年数ではないのです。

 

税務上のリース期間設定のルールは次のとおりです。

 

法定耐用年数    税務上の適正リース期間の下限

 10年未満の場合  法定耐用年数×70%(端数切捨)

 10年以上の場合  法定耐用年数×60%(端数切捨)

 

となります。仮に計算すると、

法定耐用年数が7年の機械設備なら、

 7年(法定耐用年数)×70%=4.9年

端数切捨てなので、4.9年→4年 となり、

7年~4年の幅のなかでリース期間を設定してもよい、

ということになります。

 

また、法定耐用年数が15年の構築物なら、

 15年 × 60% = 9.0年 となり、

15年~9年の幅の中でリース期間を設定できます。

 

「いやぁ、お金がないからリースにするので、

 リース期間を短縮するのはちょっと…。」

という声があるかもしれません。

それは、利益状況の推移をみて、

リース期間の年数を決めればよいです。

 

それよりも、

リース期間の短縮を活用したいのは、

毎年それなりの利益を見込める会社です。

その場合に、リース契約を活用するのなら、

できるだけ短い期間で設定し、

単年度で損金計上できるリース料金を増やせばよいのです。

 

他にも例えば、利益を見込める親会社と、

その子会社があったとします。

子会社が物件を買い、親会社へリースします。

その契約の際に、

法定耐用年数よりも短かくして、リース期間を設定するのです。

そうすれば、

親会社では、リース料の損金を増やすことができます。

節税につながり、リース料として支払ったお金も、

子会社で活用できます。

 

リース期間の設定方法については、

リース活用を検討することがあるのなら、

ぜひ知っておいてほしいことなのです。

 

(古山喜章)

2021年4月28日 (水)

リースについて知っておきたいこと②

機械設備等を導入の際、

リース契約の活用を検討することがあります。

リースも銀行同様、資金調達のひとつなのです。

しかしながら、リース活用のポイントについては、

あまり知られていないと感じるのです。

 

②銀行系のリース会社はやめなさい

 

設備やソフトウェアなど、リースで導入するとなった場合に、

どのようなリース会社を使われているでしょうか?

 

リース会社には大きく、4つの系統があります。

 

1)銀行系のリース会社(みずほリース、東銀リース等

2)商社系のリース会社(東京センチュリー、JA三井リース等

3)企業系のリース会社(リコーリース、ダイワリース等)

4)独立系のリース会社(オリックリース等

 

絶対に避けたいのは、1)銀行系リース です。

特に、ダメなのは、

借入融資を受けている銀行系列のリース会社です。

例えばある会社が、

M銀行から借り入れをしていて、

M銀行のすすめでMリースを使う、

というパターンです。

 

Mリースは当然、資金調達をM銀行からします。

なので、

M銀行はその会社へ融資している金利等の情報を、

Mリースに知らせます。

MリースはM銀行から同等の金利で資金調達し、

リース物件を買います。

そしてそこに、リースの手数料を加えます。

つまり、銀行系のリース会社だと、

融資条件がリース会社へ筒抜けになるのです。

守秘義務もくそも、ないのです。

 

2)の商社系も、銀行からの資本を受けているケースが

多いですが、銀行とべったりではないので、

銀行融資等の情報がリース会社へ流れることはないのです。

 

と、リース契約といえども、相見積もりをとるべきです。

いつもと同じリース会社で、と考えないことです。

仕入交渉や銀行交渉と同様に、

リース会社とも価格交渉をするのです。

その際には、異なる系統のリース会社を入れることです。

 

同じ系統だと、提案内容も似たり寄ったりですが、

系統が変わると、ガラッとリース料が変わることもあります。

それに、銀行系でも、他の系統を含めて相見積もりをすれば、

リース料が大きく下がることもある、という例を見てきました。

 

ともあれ、

融資を受けいている銀行の系列リース会社と、

1社だけの見積でリース契約してしまうのが、最悪パターンです。

そのようなことがないように、してほしいのです。

 

(古山喜章)

2021年4月27日 (火)

リースについて知っておきたいこと①

機械設備等を導入の際、

リース契約の活用を検討することがあります。

リースも銀行同様、資金調達のひとつなのです。

しかしながら、リース活用のポイントについては、

あまり知られていないと感じるのです。

 

①買うのがいいですか?それとも、リースがいいでしょうか?

 

まず多いのが、この質問です。

「今度、加工ラインに新たな設備を導入予定なんですが、

 買ったほうがいいでしょうか?

 それとも、

 リースにしたほうがよいでしょうか?」

 

基本的な考え方として、

キャッシュリッチな会社は買ったほうがよいです。

逆に、

資金繰りが楽ではない会社は、リースにしたほうがよいです。

要は、その会社の財務状況を見て判断することになるのです。

 

リース契約をして設備を導入するとなると、

リース会社がその物件を買うことになります。

そしてその設備を借りるのがリース契約です。

リース会社は資金調達をするので金利も発生します。

その物件を貸すにあたって、手数料も取ります。

自社で買うよりも総額が大きくなるのは当たり前です。

そして、設備を使う会社はリース料を損金計上してゆきます。

 

資金繰りが楽ではない会社の場合、

購入代金を全額新たに銀行借入して買うと、

元金返済と金利が増えます。財務体質は、より悪くなります。

銀行格付け(スコアリング)の評価を落とすことにも繋がります。

それなら、支払い総額は増えるものの、

リース料を払って損金計上するほうが、

資金繰りや格付け(スコアリング)への影響は少ないのです。

 

キャッシュリッチな会社の場合、

新規の借入なしか、一部借入で、自社購入するケースが多いです。

借入を抑えられ、元金返済や金利負担も少なくて済みます。

 

もしくは、購入代金の全額を借入れするとしても、

ギヤリング比率が100%以内なら、財務体質上も、

問題ありません。

ギヤリング比率は、純資産総額に対して、

長期・短期の銀行借入がどれだけあるか、を見る指標です。

 

ギヤリング比率(%)=(長期借入+短期借入)÷純資産×100

 

で計算します。

このギヤリング比率が100%以下なら、

新規に借入をしても財務体質への影響は小さいのです。

 

それに、今なら即時償却制度が使えます。

(2023年3月末までです。)

新規設備を自社で購入し、全額一気に単年度で償却すれば、

税引き前利益を一気に下げることができます。

キャッシュフローに大きく貢献することとなります。

上乗せ分の減価償却は、特別減価償却として、

特別損失に計上することとなるので、

営業利益や経常利益を縮めることはありません。

 

新規設備を導入するなら、自社の財務状況を考えた上で、

リースによる調達をするのかしないのか、を考えるのです。

単純にどちらがいい、というものではないのです。

 

(古山喜章)

2021年4月26日 (月)

資産回転率を高めることの思考欠如

回転思考、回転発想ができない経営者の方が実に多いのです。

会社の資産として何を所有しているかは B/S(貸借対照表)の左側を見ればわかるのですが、見ようとしない。 見ているがわかっていない経営者が多いということです。

 

「資産の部の各種資産は、寝る癖があります。寝かされず常にたたき起こせ! 」ということです。

流動資産とは、すぐにお金に換えられる資産です。

売掛金、棚卸在庫商品、短期貸付金、 1日でも早く現金の姿に換えることが回転なのです。

現金(お金)で商品・製品を仕入れて顧客に販売して、お金に換える。早く回す、一番早いのは現金で売ればよい、いや、前受金で売ればもっと早いですね。

 

いざとなって、この資産を売却して現金に換えようと思っても意のままにならない資産を固定資産と言います。何しろこれは、固くて、柔らかくないので、いざという時には

困りものです。

ところが、多くの経営者は これらを素晴らしい資産と思っているのです。

よく自社の資産の中身を見てください!!

 

帳簿価格の値打ちがありますか?

下がっていませんか?

その資産を使って、毎年その価格の10%のリターンしてくれる、稼いでくれる、利益を上げていますか? 

昔は使っていたが、今は使っていない。リターンがない資産ではありませんか?

 

今の時代は、土地・建物・設備を借金して、自社のものとして経営する時代ではありません。

「使用すれども 所有せず」の時代です。時代は進んでリース、レンタル、下請協力会社、工場設備を持たないファブレスメーカーの時代でもあり、フランチャイズシステムは運営ノウハウのみで 勝負している時代です。

 

資産はすべからく回転して、稼いでくれないと困るのです。社員と同じ、稼がない月給ドロボーを会社へ置いておくことができない、厳しい時代なのです。

(井上和弘)

2021年4月23日 (金)

上手に会社を清算する法⑧

残すは、4名の少数株主です。それぞれ1%ずつ、合計で4%保有しています。困ったことに、この1%の株主、いまどのようになっているのか?誰も把握していません。

「社長、この株主名簿に載っている株主の方、これは先代の頃の従業員の方ですよね。この方って、いまご存命なんですか??」

「いやぁ・・・わかりませんが、おそらく鬼籍に入っているでしょうね。その場合、この株式は相続されているのでしょうか。」

 

「いや、そもそも株主ご本人に、株主としての自覚はなかったのでしょう。配当をしていたわけではないですし。だから、当然、家族の方も、お父さんが当社の株式を持っていた、という認識もないでしょう。だから、家族の方からすれば、“当社の株主である”という認識すら、持っていないでしょう。」

 

薩摩金属とおなじような状況にある会社は、世の中に結構あると思います。

「社長、これは法的な問題でもあります。弁護士さんは、どうやって言っていますか?」

「はい。弁護士は、とりあえず家族に連絡して、権利関係を説明する必要があるだろう、と。ただ、昔の株主の家族がいまどこにいるのか、皆目見当もつかないのです。それに、もとはといえば、その株主も自分でお金を出してないはずなのですよ。」

 

「いかにも、弁護士さんらしい教科書的な回答ですね。こちらは悠長な時間もかけてられません。実務的な対応を考えましょう。」

 

4名の少数株主の整理をしないといけません。それぞれ1%ずつ、合計で4%保有しています。ただし、この4名はおそらく亡くなっており、その家族も、この会社の株式を持っている、ということは知りません。

 

「社長、とりあえず、昔の出資に関係する書類って、残っていませんか?書庫とか、金庫とか、調べられるだけ調べてみてください」

 

社長は、几帳面な方で、昔の書類が入ったファイルをすぐさま見つけてきました。

「あっ、これって昔の出資に関する書類ですよ。」見ると、株主名義で、株式申込書と念書が出てきたのです。

 

念書には、次のように買いてありました

 

私が所有する貴社株式について、退職するときは私が、また死亡したときには、相続人が直ちに貴社に当該株式を額面金額にて売り渡します。

「へぇ、よくこんな念書があったんですねぇ。」社長もびっくりしていました。

 

これはこれで有効は有効です。ただし、だからといって、今から本人もしくは家族を見つけると、結構な時間がかかるでしょう。正直、かなり面倒な作業です。

 

「こちらから、わざわざ行って、家族が見つかったところで、“そんなのは知らない”とか、“無効だ”とか、言われて、ストレスを抱えるのもご免です。つまりは、寝た子が起きないでしょうか?」心配性の社長が、不安そうな顔をしています。

 

清算まであまり時間がありません。

 

「やむを得ないので、今から話す方法でいきましょう。」4名の少数株主の整理をしないといけません。それぞれ1%ずつ、合計で4%保有しています。ただし、この4名はおそらく亡くなっており、その家族も、この会社の株式を持っている、ということは知りません。

 

これから解散するにあたっては、次のステップが発生します。

①株主総会の特別決議

議決権の3分の2以上の賛成があれば、可決できます。

 

②残余財産の分配

解散決議をとったあとで、資産を現金に換えて、債務を払って、最後は、現金が残るだけの状態にします。その後、その現金を、各株主に分配します。

 

この①②は避けて通れません。

 

まず、①ですが、すでに社長、専務で3分の2以上の議決権は持っていますので、ここは問題なく可決できます。次に②です。本来は、4名の少数株主にも現金を払わなければいけませんが、行方が分かりません。

 

「行方が分かりませんが、とりあえず、この4名が株主のままでいるとして、分配したことにするのはどうでしょうか?」社長から質問があります。

「いえ、分配したことにするのは問題がありますこの分配金は、配当金と同じ扱いで源泉所得税がかかります。税務署にも源泉に関する書類を提出する必要があります。

となると、仮に既に亡くなっている株主に分配したら、税務署も“なんで?”となります。

しかも、今回は、少数株主と言っても、1人あたりの分配金が100万円を超えてきます。

もう一工夫しましょう。」

 

この株式の取扱いは、最終的には、次のようにしました。

 

株主の行方が現実的に追えないこと、また、遠い昔に各株主との間で、「退職時に会社が買い取る」という株式に関する覚書を交わしていたことから、解散時の株主は、社長、専務の2名のみとして処理する。便宜上、そうせざるを得なかった、ということにしました。

 

少数株主分は、社長・専務が上乗せして源泉所得税を支払います。つまり、税金をごまかすというわけではないのです。ただし、将来、万が一、この少数株主から

連絡があった場合のことも考えて、既存株主への分配金は金庫に保管する。つまり、いつでも1%の株式に見合う対価は、用意しておくということです。

「これでいきましょう。行くしかないです。」ということで決着をさせたのです。

2021年4月22日 (木)

上手に会社を清算する法⑦

さて、最後に残るのが、株式の処理です。この株主の整理は、ちょっとやっかいです。昔に設立された会社ですので、当初の設立時の株主は、7名必要でした。社長と専務のお父さんで2人、残りは、当時の従業員5名が株主でした。で、今の株主名簿はどうなっているか?Aさんが、20%残りは、4名が1%ずつ、合計4%を保有しています。つまり、現在の社長、専務で76%残りの株主で24%という株主構成です。

「社長、Aさんっていまどういう状況ですか?」「あぁ、Aさんですか。Aさんというのは、設立時の幹部の子供です。実は、当社は、当初私の父と専務の父、それからAさんの父の3名が中心となって経営したのです。Aさんはすでに亡くなっているので、20%の株式は、子供に相続されています。それがAさんになるのです。1年に2回、中元、歳暮のときは、挨拶がてら顔を合わせています。でも、Aさん自身は、わが社には全く関係なく、いまは、工場に勤めています。」

「そうですか、わかりました。まずは、Aさんの株式を会社で買うようにしましょう。」

少数株主といえども、20%の株式を保有するAさんの株式買取の話です。

 

Aさんから株式を買い取ってしまいましょう。」

「そのほうがいいですか?」

 

「はい、そのほうがいいです。将来的に、会社は解散します。そのときに、債権債務を整理します。つまり、資産のうち現金に換えられるものは換えて、支払関係も整理するわけです。もし、最後に現金が余った場合には、言ってみれば、それが残余財産になります。

余った財産は、株主に分配されることになります。その分配比率は、当然、持株比率になります。

 

いま、Aさんは、20%持っていますが、これを会社が買い取れば、当然このAさんの持株は消えます。つまり、お2人の取り分が多くなる、というわけです。」

 

「なるほど、そういうことですか。ありがとうございます。それでは、Aさんから株式を買い取るようにします。ただ、うちの顧問税理士が、Aさんから買取る場合は、原則的な高い株価でないといけない、と言っています。本当でしょうか?」

 

「えっ?!そんなことはありませんよ。税理士さんは何か勘違いしているんじゃないでしょうか?社長や専務が、Aさんから買取る場合は確かに高いです。でも、今回は会社が金庫株、つまり自分で自社株式を買うんです。この場合は、例外的な安い株価で計算すればOKですよ。」

 

しばらくして、社長から連絡がありました。

「お騒がせしてすみません。よくよく調べてもらったら、税理士さんの勘違いでした。早速買い取りたいのですが、いきなりどう話を切り出せばよいか・・・ちょっと上手く話す自信がないですね。」

 

「ではAさんから株式を買い取るにあたっての提案文書を書きましょう。」

Aさんとの関係は、良好です。ただし、いざ株式を買い取らせてほしい、というのは、当事者からしたら色々と考えてしまうものです。私は、社長に伝えるべきポイントを挙げました。

 

①経営環境の変化に伴って、

4年ほど前から事業を縮小せざるを得ない状況になっていること

②長年株式を保有してもらったことの感謝

③買取金額をケチらないこと

Aさんの父親は、当初1500円で出資しており、Aさんには長年に亘りご支援いただいたことを考慮して、出資額の2倍である11,000円での買取りを提案しました。

④今後については不透明な状況にあり、現在であれば、上記金額での買取りができること

⑤今回の株式売却に際して、所得税が発生する。所得税法上は、今回の会社からの支払は、Aさんへの配当金扱いとなり、それに伴い支払金額に応じた所得税を源泉徴収する必要があること

 

今回の場合は、この5つです。真実かどうか、というのはあまり関係なく、とにかく誠意を見せて、気持ちよく売ってもらうことです。もともと1株500円なのに、1000円で買い取るのですか?とケチる方がいますが、ここはケチらないようにしてほしいです。

「損して得とれ」少数株主の買取は、まさにこの言葉が当てはまるのです。

Aさんには誠意を尽くして対応をし、丁寧な手紙も差し出した結果、快く株式売却に賛成してくれました。

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月21日 (水)

上手に会社を清算する法⑥

西郷社長は、150万円を使って退職金を計算できることに、非常に安堵していました。

「これまで一所懸命会社経営をやってきて、たまたま最後に役員報酬を下げてがために、退職金額が大幅に削られるのは、どうも納得できない。普通に考えておかしいだろう!」と思っていたからです。

しかし、一方で、西郷社長の言動からは、心配性の一面が垣間見えます。

 

「そうはいっても、大手の税理士法人の何社もが、直近の30万円の役員報酬しか使えない、と言っている。ということは、やっぱりそれが世間の見方で、税務署もそのように見てくるのではないか。本当に、大丈夫だろうか?」

言葉には、出さないものの、西郷社長の顔にはそのように書いてあります。

 

「社長、高額の退職金をもらいたいと言いつつも、実際にもらったら、税務署から否認をされないか、心配で仕方ないですか?」

 

「・・・えぇ・・・まぁ・・・」

 

「分かりました、それなら、「自己否認」という方法を使ってみましょうか?」

 

「何ですか?その自己否認というのは?」

 

「はい、つまり、こういうことです。今回、西郷社長は、功労加算金を含めて、1.8億円ほどの退職金を受け取るわけですが、その功労加算金(4,000万円)は、会社としても“高い”と思っています、ということで税務申告をするときに、会社が自分で否認するのです。税務署から指摘されるのが怖いなら、最初から自分で申告すればよいんですよ。」

 

「そんな方法があるのですか?でも、その方法いまいちよく分かりませんね。ということは、私の功労加算金(4,000万円)はもらえない、ということでしょうか?」

 

「いえ、社長は、功労加算金を受け取っていただきます。そして、その税率も、その他の金額(1.4億円)と同じく、安い所得税で済みます。」

 

「そうなんですか、じゃあ、普通に処理する方法と何が違うのですか?」

 

「はい、この4,000万円は、法人税を計算するときの損金に入れない、ということです。自己否認をしようがしまいが、受取人個人(社長)からすれば、退職金は退職金です。なので、自己否認をいくらしようが、いわゆる退職所得として、所得税は優遇されるのです。

 ただし、法人税の計算するときには、この4,000万円は損金に入れませんよ、ということです。ただし、薩摩金属の場合は、この4,000万円を損金に入れても入れなくても、大赤字なので、法人税は発生しないのです。」

 

「へぇ、なんだか、まだよく分かりませんが、その方法なら、心配が取り除けそうです」

こうして、薩摩金属の社長、専務の退職金額は、社長、専務の希望通りに決定されたのです。

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月20日 (火)

上手に会社を清算する法⑤

これまでの話

その1

その2

その3

その4

 

財務体質ピカピカの薩摩金属でしたが、西郷社長の一番のテーマは、「役員退職金」にありました。つまり、金額として、いくらまでなら出せるのか?ということです。

改めて、薩摩金属の状況をまとめておきます。

 

【会社の状況】

・手持ち現金は2億円、それに土地売却で3億円がプラスされる

・自己資本比率は98%

4年までの売上金額平均は、3.5億くらいです

・それ以降は、家賃収入が年間15百万円

・5年前までは黒字決算、それ以降は、仕事を止めたため赤字決算

 

【西郷社長、大隈専務】

・西郷社長、大隈専務ともに、4年前まで月額180万円、それから今まで月額30万円

・役員年数は、40

・役員退職金規程は、「最適月額報酬×在任年数×功績倍率」+功労加算金

 ※最適月額報酬というのは、過去の一番高い時期の月収を指します

 ※功労加算金は、30%の上乗せです。

 

西郷社長、大隈専務の退職金は、これをこのまま計算すると、2億円くらいになります。

会社の財務体力からすると、全く問題はありません。しかし、会社規模(特に最近では、年間売上15百万円の売上しかない会社)からすると、かなり高額な金額になることは、間違いありません。

 

「役員報酬を下げて既に4年、これから3年経てば、7年になりますね。私たちは、確かに最適報酬月額という考え方をもっています。ただ、退職金額が高額になる場合に、7年前の報酬を使うとなると、これはちょっと考えないといけません。」

 

「そういえば、私たちに相談に来られる前に、税理士事務所を何社も当たった、と伺いましたが、なんて言われたのでしょうか?」

 

「えぇ、新聞でも宣伝しているような有名税理士法人に行きました。そこでは、現在が40万円の役員報酬ならば、40万円を使わないとダメだ、と言われました。でも、180万円の時期もあったのですよ?と言いましたが、それでも、ムリ!の一点張りでした。それ以外にも、大手の税理士法人には軒並み相談に行きましたが、他も似たようなものでした。やっぱり40万円を使わないとダメなのでしょうか?」

 

確かに、役員退職金の一般的な計算式は、最終報酬月額がベースになっています。この場合は、40万円ですね。しかし、この会社はもともと本業で、堅実に稼いでいました。本業をストップしたといっても、すぐにキレイに辞められるわけではなく、債権債務の整理、在庫の処分など、諸々整理しようと思うと、時間がかかるのです。

 

特に、この会社が取り扱っていたものは、価格が相場に大きく左右される生産財です。在庫の処分時期を見定めていたこともあって、時間がかかった面もあるのです。そして最後に不動産が残っています。

実質的な退職は4年前に済んでいる、と考えれば、30万円しか使えない、という選択にはなりません。ということで、180万円をベースに加重平均計算をおこなって、最終的に、退職金の計算に使う月額報酬を150万円に設定して、退職金を計算することにしたのです。

 

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月19日 (月)

どんな時代でも体力のある会社が生き残る

このタイトルにすべての経営者の方は同意されると思います。しかし、質問しますが、

「会社体力って 何ですか?」 と問えば

具体的に答えてくださるでしょうか?

 

私が常に教えていることは

企業体力とは  自己資本比率 ×  総資産利益率 

                                                  で

330が合格点です。それ以上に 500600と上げてください。

と申し上げています

 

自己資本合格点は  33%以上

総資産利益率は   10%が目標です

 

業種において いろいろ変化はありますが、

総資本利益率10%以上に稼ぎにくい業種であっても 

もし5%なら自己資本は 60%は欲しいのです。

 

・自己資本をあげる努力はどうすればいいのか?

・総資本利益率を上げる努力は どうすればいいのか?

 

これが解らないでただ、平々凡々と仕事をしているから まさかの坂が来た時にぶっ飛んでしまうのです。

 

「企業体力を高めよ!」

お題目を唱えているだけで 体力の向上は絶対実現できません。

抽象的な 「ガンバロー精神」 では 実現したためしがありません。

具体的な実践をしなくては体力は向上しないのです。

 

自己資本を増大するにはお金をためる体質(キャッシュフロー)にする事、

利益を上げることに寄与しない流動資産、固定資産の無駄を省くことです。

 

総資産利益率を上げるには 売上経常利益率を上げた売上、総資産売上回転率を速くまわすことです。

真の利益率をあげるのは利益率と回転率の掛けたものです。

このセオリーを理解しなくては 汗をかくだけでは決して体力は向上しません。

(井上和弘)

2021年4月16日 (金)

個人保証は必要ない④

「経営者の個人保証に関するガイドライン」

が金融庁より発令されたのが平成26年です。

あれから7年を経過して、今なお、

「お金を借りるなら個人保証はいるだろう」

と思われている経営者が多いのです。

 

④最後の切り札は「財務局」と「金融庁」

 

「ガイドラインに基づいて個人保証を外してください」

と銀行に交渉しても、

のらりくらりで対応しない銀行が多いです。

しかも、自己資本比率は30%以上と、

財務的に何も問題がない、となれば、

これはもう、脅しの一言を放つしかありません。

 

それが、

「そのような対応でいいのか、財務局に聞いてみます。」

あるいは、

「金融庁に問い合わせてみます」と言えばよいのです。

 

銀行は、金融庁の管理下にあります。

ドラマ「半沢直樹」でも、

金融庁の監査が入るとなると大騒ぎしていたことを、

多くの方がご覧になられていたと思います。

 

銀行は、金融庁が怖いのです。

加えて、財務局です。

財務局は、金融庁が各地域に置く、支店のようなものです。

金融庁の実働部隊なのです。

銀行と交渉をするのなら、

最後の切り札として、相手の一番弱いところである、

「金融庁」と「財務局」という言葉を出せばよいのです。

 

今も金融庁は、

「個人保証ガイドラインに基づく実行状況」

を定期手に発信しています。

それだけ、今なお、

銀行が何でもかんでも個人保証をつけることを、

やめさせようとしているのです。

 

そのためには、銀行と企業との間で、

実際にどのようなやりとりが行われているのか、

その声を拾い上げたいのです。

しかし、そのような有効手段がなく、金融庁も、

下部組織である財務局も、困っているのです。

個人保証のことで困っている現状の、生の声を待ち望んでいるのです。

 

「“財務局”という言葉をだしたら、急に態度が変わりました!」

ということが何度もありました。

交渉という戦いで勝つには、

相手の弱点を知っておいてほしいのです。

勝てる戦い方を身に着ければ、個人保証は外せるのです。

 

(古山喜章)

2021年4月15日 (木)

個人保証は必要ない③

「経営者の個人保証に関するガイドライン」

が金融庁より発令されたのが平成26年です。

あれから7年を経過して、今なお、

「お金を借りるなら個人保証はいるだろう」

と思われている経営者が多いのです。

 

③解除を要求するときはしぶとく追及する

 

「銀行の担当者に個人保証のガイドラインを見せて、

 今は個人保証はいらないんじゃないですか、

 外してください、と言ったら、

 “検討いたします”

 と言って帰りました。」

という声も、いまだによくお聞きします。

 

何かをお願いすると、

「審査部に依頼をかけてみます」

「本部に問い合わせます」

などという返答は、銀行の常とう手段です。

まず、その後は何の連絡もない、

と考えて間違いありません。

ただ、銀行はそのように返答して、時間稼ぎをするだけです。

もちろん、審査部にも本部にも、問い合わせなどしません。

放置しているだけです。

 

2週間を経過して、何の返答もなければ、

その銀行担当者に詰め寄っていかねば進展はありません。

「個人保証の件、どうなったんですか?」

「あぁいや、まだ、ちょっと時間がかかっているようで…」

などと、はぐらかします。

これを2度3度繰り返してようやく、

「これは実際に動かないとまずいな…。」

と銀行担当も考え、動き始めるのです。

 

「銀行担当に4回詰め寄ってようやく、

個人保証を外す動きになりました!」

という後継者がおられました。

東北でサービス業を展開される会社です。

「途中であきらめていたら、結局、

 個人保証は外れないままだったと思います。

 しぶとく交渉してよかったです。うちはおかげさまで外れました。」

とのことなのです。

 

銀行は、お願いすればすぐに“ダメ”とは言いません。

“検討します”などと、期待をもたせてはぐらかすのです。

前向きに検討するようなそぶりを見せて、何もしないのです。

そのような組織・体質なのです。

“そう言っておけば、銀行だから信用される”

と、銀行員は思っているのです。

 

このような流れに気持ちを緩めることなく、

「個人保証は外したいんだ。

 お願いした件はどうなっているのか。」

と、しぶとい交渉をお願いしたいのです。

 

(古山喜章)

2021年4月14日 (水)

個人保証は必要ない②

「経営者の個人保証に関するガイドライン」

が金融庁より発令されたのが平成26年です。

あれから7年を経過して、今なお、

「お金を借りるなら個人保証はいるだろう」

と思われている経営者が多いのです。

 

②後継者が当然に引き継ぐものではない

 

ある後継者に社長交代の時期が近づき、

融資を受けている銀行に挨拶をしました。

「それはおめでとうございます!

 今後ともよろしくお願いいたします。」

と支店長から祝いの言葉を受け、その場を終えました。

後日、支店長が会社にきて、

「社長交代の折には、

現社長にお願いしている個人保証も継続でお願いします。」

と言ってきたのです。

 

「経営者の個人保証に関するガイドライン」では、

後継者の個人保証について、銀行に次のような対応を要求しています。

“前経営者が負担する保証債務について、

 後継者に当然に引き継がせてはならない。

 財務状況から必要かどうか、改めて検討すること。”

 

つまり、先の支店長のように、

「現社長が個人保証をされているので、

 新社長もそのまま受け継いでください。

 よろしくお願いいたします。」

などと、軽々しく言えることではないのです。

 

しかし、このようなことを何も知らない後継者は、

「わかりました。今後ともよろしくお願いいたします。」

と礼まで述べてしまうのです。

さらによくないのは、前社長も、

「これでお前も経営者としての覚悟ができたな。」

などと一人前扱いするのです。

勘違いも甚だしいのです。

 

さらに悪どい銀行の場合、

前社長の個人保証を解除せず、後継者にも個人保証の印を押させ、

二重に個人保証を取るケースさえあるのです。

ガイドラインでは、そのような二重の個人保証は当然、

“してはならない”とされているのです。

 

冒頭のケースの場合、

ガイドラインを武器に個人保証を引き継がないことと、

根本的に個人保証なしの形で融資を受けることを、

交渉し、その目的を果たせたのです。

 

その際に必要となるのが、

その銀行の競合となる、別の銀行です。

「外してくれないなら、他の銀行に乗り換える。」

ということで、交渉がスムーズに進むのです。

ひとつの銀行との取引では、交渉しても、

「本部にかけあってみますが、厳しいかもしれません。」

と言われておしまいです。

 

個人保証そのものがあってはならないことですが、

それを知らなければ、さらに後継者にまで、

銀行は個人保証を当然のごとく要求してくるのです。

そんなことを平気で要求してくる銀行なら、

いくら付き合いが長かろうと、切り替えたほうがよいのです。

 

(古山喜章)

2021年4月13日 (火)

個人保証は必要ない①

「経営者の個人保証に関するガイドライン」

が金融庁より発令されたのが平成26年です。

あれから7年を経過して、今なお、

「お金を借りるなら個人保証はいるだろう」

と思われている経営者が多いのです。

 

①いるものだと思っていました。

 

先日、ある会社の相談を受けました。

自己資本比率が40%を軽く超えているものの、

長期借入金があるのです。

しかし、現預金の状況を見れば、

「借りなくてもいいでしょう!」

という状況なのです。

 

しかしその経営者は、

「おつきあいでずっと借りています。」

とおっしゃるのです。

で、聞くと、個人保証も担保もとられており、

保証協会にも入らされているのです。

 

「今は個人保証も担保も要らないんですよ。」

というと、案の定、

「え、そうなんですか?

 いるものだと思っていました。」

という答えが返ってきたのです。

 

改めて書きますが、

金融庁は銀行に対して、

“担保に頼る融資をするな”と通達で指導し、

“個人保証を取るな”と、

「経営者の個人保証に関するガイドライン」

で示しているのです。

 

個人保証や担保を設定するのは、

債務超過になっているか、

2期連続で減価償却前の営業利益が赤字、という状態です。

そうでなければ、

個人保証もいらないし、担保も不要なのです。

ましてやその上、保証協会にまで加入させるなど、

銀行は金融庁の指導などまったく無視して、

自分たちのリスクがない方向へと、誘導してゆくのです。

 

「いや、そんなこと言っても、そう言われると、

 応じないと借りれないじゃないですか。」

とおっしゃる方がおられます。

ならば、個人保証も担保もなくても融資をします、

という銀行を探せばいいのです。

 

いま、銀行にはお金が余りまくっています。

コロナの各種支援金など、

国から支給されるお金はことごとく、銀行に蓄積されているのです。

新たな貸せる先があれば、個人保証や担保がなくても、貸したいのです。

その一方、既存の貸し先には、うるさく言われなければ、

これまでの条件通り、ガチガチの安全策で貸したいのです。

 

結局、交渉の知識がない会社は、

銀行の言いなりの条件で借りているのです。

そうなってほしくないので、繰り返し、書くのです。

まだまだはびこる個人保証等、

銀行有利の融資条件について、

その対策を改めて書かせていただきます。

 

(古山喜章)

2021年4月12日 (月)

活力を萎えさせてはならない

サプライチェーンによる国際分業は素晴らしいと私は信じていました。

これらが構築すればと思っていましたが、米・中貿易戦争、日韓の最悪の貿易関係、

欧州でもイギリスのEUからの脱却、どの国も我が国の利益のみにその価値観をモンロー主義的に閉鎖的社会的に進みだし、

日本も中国からベトナムへ、タイからベトナム・パキスタン、そして脱石油社会の到来で国際的基盤の大変更が発生してきましたね。

ポピリズム、国も国民も自分さえよければという自分たちの小さな価値観に閉じこもり、一気にダイナリズムが消滅しています。

日本の若者は、何かに激怒することなく、大過なく過ごす 又、過ごせる日本になっていますね。

 

  • 挑戦をしよう   ―――  しんどい
  • 肩を組んで   —――   人間関係は面倒だ
  • 新しいことに   ―――  すぐあきる
  • 出世したい   —――   難儀なことは避けたい
  • お金が欲しい  —――  欲しい しかし 楽して楽したい
  • 他人のために  —――  バカらしい

 

日本は活力を喪失して、欧州の二流国の様になってしまうのか?

我々中小企業の経営者は、自分の会社の組織内だけはこんな活力のない集団にしてはならないと思うのですが。

どうかこんな考えを打ち破る活力集団にしなくてはいけないと思うのであれば、

上に立つ指導者の企業幹部が新しい日本を信じて挑戦しなくては 下の者はついてこないのではないでしょうか?

(井上和弘)

2021年4月 9日 (金)

上手に会社を清算する法④

「ちなみに、売却しようとしている不動産は、簿価がいくらで、時価がいくらでしょうか?」

「簿価や約3千万円、時価は約3億円くらいです。

だいたい10倍くらいになっています。」

 

「へぇ~、そうなんですね!結構な含み益を持っていますね!

御社は、もともと2億程度はキャッシュがありますが、それに加え3億円のキャッシュが加わるのですね。それなら、余計に退職金の上積みをしたいところですね。」

「はい、お察しの通りです。」

 

「しかし、薩摩金属の自己資本比率は98%。手持ちキャッシュは、不動産の売却資金と併せて5億円以上、もともと年商3億円の会社で、よくもここまで現金と内部留保を貯めましたね。」そのように伝えると、西郷社長は次のようにおっしゃいました。

 

「そうですね、私が、先代(実父)から経営を引き継いだのが、バブル経済が崩壊してからまもなくのタイミングでした。社長就任時には、借入金残高が長期、短期合計で「危険領域」と言われる水準(月商の6か月分相当)もあり、肩に重くのしかかりました。

 

私は、「倒産は社会悪であり、絶対に会社を潰してはいけない。」と心に強く誓い、無借金経営を目指して、ただひたすら経営を行ってきました。この間多くの同業他社が倒産、清算してきました。

私ども(薩摩金属)が取り扱うスクラップ(鉄、非鉄)には、相場騰落が付きものであり、これが会社業績に直結します。私は、企業努力の及ばないところで会社業績が振り回されることを避けたいと、常々考えていました。

そこで、スクラップ取引価格の透明性をはかるため、公表された指数を基準にして取引価格を決め、価格に対する信頼性を高め、そのうえで附帯サービスを提供することで相場に大きく左右されず、安定的に粗利益を稼ぐ方針に転換しようと思いました。

 

この業界では、「売上が大きい、規模が大きい会社ほどすごい」というような見方が強く、他社では、相場騰落を利用して利益確保を狙い、結果的に多額の損失を被った会社も散見されましたが、私は、「大きく儲けず、損もしない」という方針を掲げました。

 

正直、売上を伸ばしたい、会社を大きくしたい、という誘惑に駆られることもなくはなかったですが、“量より質”の経営、売上よりも利益を重視して経営を行ってきました。

土地や株式等への投資も一切行わず、愚直に本業に邁進してきました。薩摩金属はスクラップの取引先を大手製罐メーカーに絞ってきたため、リスク分散という観点からは、常々課題が残る経営体制でした。なので、私は、将来、このメーカーとの取引が蒸発しても資金に困ることがないように常に借入金に頼らない財務体質を志向してきました。色々と言ってきましたが、要するに、“会社を大きくする能力がなかった”のですよ。」

 

さて、そんな財務体質ピカピカの薩摩金属でしたが、西郷社長の一番のテーマは、「役員退職金」にありました。

 

続きは次のシリーズで・・・

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月 8日 (木)

上手に会社を清算する法③

薩摩金属ですが、このままいくと、本業をストップしてから、かなりの時間(7年)が経過した後に、会社を清算するという流れになってしまいます。

そこで、社長に質問しました。

 

「なぜ、3年後に不動産を売却する予定なのでしょうか?」

「実は、ある会社に、私たちが使っていたスクラップ工場の土地と建物を貸ししています。この会社は、大手印刷メーカーの下請け仕事をしていまして、商売自体、順調のようです。

そこで、オーナーから3年後に、土地と建物を買い取りたい、という申し出がありました。私たちとしては、これも渡りに船の提案ですので、“3年後に売却します”という話になっているのです。このため、お渡しした手紙にも3年後に売却予定と書いたのです。」

 

「そうですか、ちなみに、3年後に賃貸先に買ってもらえることは、確実ですか?」

「えぇ、まぁ、そういう話になっていますので、大丈夫だと思います。」

 

「“思います。”というと、覚書か何かを交わしていないのですか?」

「はい、特に交わしてはいません。」

 

「それなら、確実に買ってもらえるかどうか分かりませんよ。口約束ほど当てにならないものはありません。」

「・・・まぁ。」

 

「いまは景気がいいです。土地の値段も高くなっています。貸出先も景気がいいんですよね?だったら、時期を早めて、早く買ってもらったらどうですか?」

「うーん、ちょっと検討してみます。」

 

いくら当事者間の関係が良好でも、3年後に確実に不動産を買い取ってもらえるかは、そのときにならないと分かりません。口約束なら、なおさらです。

 

「確かに、おっしゃるとおりかもしれません。

一度、この会社(不動産を賃貸している会社)のオーナーに打診してみます。」

 

そのような会話をしたのが、2019年の夏ごろでした。

その後、不動産を賃貸している会社のオーナーに「3年後に買い取ってもらうのではなく、今すぐ買い取ってもらえないか?」改めて打診してもらいました。

すると、先方も比較的前のめりで、「3億くらいなら・・・・すぐにでも。」という話が出てきました。先方も現在、景気が良く、今すぐほしい、ということでした。これはツイてます。

 

早速、不動産鑑定士に正式に鑑定評価をしてもらいました。このときは、「できるだけ高く評価してほしい」と伝えます。「3.3億くらいで評価してもらって、一旦、先方に提示しましょう。できるだけ膨らませてもらってください。そのあとで、1割ディスカウントして、3億着地で行きましょう。」当初、そのように話をしていました。

 

ところが、鑑定評価を見せたら、「分かりました、3.3億で買いましょう。」との一言。これまた非常にラッキーでした。社長から一言。「当初は、3年後にしか売却できないと思っていましたが、よくよく考えたら、相手も業務拡張している今なら、多少高くても買いますよね。つくづく、タイミングが重要だなぁと、今回の件を通じて感じました。」こうして、2019年の年末には、不動産を売却することができたのです。薩摩金属の決算月は、12月です。このタイミングで、後ほどお話する退職金を支給して、清算手続きを開始したのです。

 

清算決議をしてから、3カ月後、コロナショックが世界を襲いました。本当に、「マサカの坂」がやってきたのです。あのとき、不動産を売却しておかなかったら、銀行から3億円の資金を調達できず、あるいは、事業計画そのものが大幅に狂い、売却は実行できなかったかもしれないのです。「アドバイスに従って路線変更して、本当に良かったですね」と西郷社長から強く感謝されたのでした。

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月 7日 (水)

上手に会社を清算する法②

最近は、私の周りでも会社を清算したいという経営者が多くなってきているように感じます。それも、借入金の返済ができず、経営的にどうにもならない、という破綻型の清算ではありません。

無借金で現預金も豊富にある、でも、後継者もはっきり定まっておらず、事業自体の先行きも決して明るくはないから、ということで、清算を視野に入れる経営者が一定数いらっしゃいます。

 

そういう会社の経営者には、M&Aを勧めますが、

熟慮を重ねて、「会社清算」を決断する経営者もいらっしゃるのです。

 

それでも、経営者からすれば、本当に店じまいをしてもよいものか、迷いや葛藤があるわけです。薩摩金属の場合、西郷社長、大隈専務、またお二人の奥様だけが役員なので気にする必要はありませんが、会社によっては、従業員にも辞めてもわらわなければいけなくなるため、経営者の心は揺れてしまうのです。

 

しかし、これも考え方次第だと思うのです。

コロナショックの影響で、業績が悪くなった会社の場合は、人員整理しなければ会社が生き続けることができません。

船に10人の乗組員がいます。今日のパンは2個しかありません。10.2個ずつ配り続けていては、全員飢え死にしてしまうでしょう。

「全員平等」では、会社という船を生き長らえさせることはできないのです。こういうときは、他社に先駆けて、従業員に船を降りてもらうのです。

その方が、他の船に拾ってもらえる確率が高くなるからです。

 

また、景気が良い時などは、逆に人員整理するチャンなのです。

景気が良いということは、イコール人手不足時代なのです。引く手はあまた、なのです。それはつまり、退職する社員からしても、次の転職先に困ることがない、ということです。

 

“ヒトは宝”“大家族経営主義”など、人材を人財と考えている会社は多いのでしょうが、“いざ”というときには、大胆な意思決定をしなくてはいけません。

そのときには、上記のような考え方を持っていただくと、

気持ち的にもいくぶんラクになるのではないか?と思っています。

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月 6日 (火)

上手に清算する方法①

2年前の春、とある会社から1通の手紙を受け取りました。

手紙の内容は、以下のとおりでした。

 

株式会社薩摩金属の代表取締役の西郷と申します。

当社は、鉄鋼原料(鉄スクラップ、非鉄スクラップ)を主に営業してきた会社ですが、

4年前から徐々に手仕舞いをはじめ、現在に至っております。

 

いまから3年後の3月末日をもって会社の土地、建物を売却し、会社を清算するつもりです。その時に、手元資金と土地の売却益で役員退職金を出し、少しでも税負担を軽くすることと、1株あたりの評価を下げたいと思っております

(現在、当社には借入金などの負債に相当するものはありません)。

 

ただ退職金を出すにしても退職金計算式(最適月額報酬×在任年数×功績倍率)で計算するとかなり高額な金額になってしまいます

(私の4年前までの給料は、月額200万円、役員在任年数は30年、功績倍率3で計算しました。現在は30万円です)。

 

当社の2014年までの売上金額平均は、3億5千万円くらいです。

それ以降は、家賃収入が年間15百万円になっています。

5年前までは黒字決算、それ以降は、仕事を止めたため赤字決算です。

 

手元資金と土地売却資金で、私のほかに居る3人の役員に、この計算式に当てはめても支払えるだけの余裕はあります。

果たしてこの退職金が、営業を止めている今の状態で、適正なのか、判断ができないでおります。

また、退職金の支給以外に会社の株の評価を下げる方法があるのか、宜しくご指導のほどお願い申し上げます。

 

株式会社薩摩金属

代表取締役 西郷守

 

早速、西郷社長に電話をして、都内の事務所でお会いすることにしました。

当日、お見えになったのは、西郷社長と大隈専務でした

2人とも年齢は、70歳前後でしょう。改めて、相談に至る経緯を聞いてみると、次のような内容でした。

 

薩摩金属は、創業者の時代には、製罐メーカーとの取引に財閥系の商社が介在していたため、価格交渉や販売先という面で、大きな制約を受けていました。

 

「これではいつまでたっても利益が生まれない。」ということで、営業のやり手だった大隈専務は、このメーカーのキーマンの親族の葬儀に参列したことをきっかけに、キーマンと距離を縮めます。商社経由の取引は、当該メーカーにとっても取引価格の面で不利であること等を説明し、2年後には、この商社を排除することに成功します。

 

薩摩金属は、これを契機にメーカーとの距離を大きく縮め、取引先開拓や価格決定権の裁量度合いが大きく増し、その後の成長につながりました。

 

大隈専務は、その後も、このメーカーのキーマン(後に役員)と個人的な交流を保ちつつ、会社としても、良好な関係を築き上げため、しばらくの間、他社に付け入るスキを与えず、安定的な取引量、利益水準を計上したのです。

 

ところが、このキーマンの役員退任を契機に、徐々に両社の取引関係の緊密さが失われていきます。そして今から4年前に、「薩摩金属さん、これからは、全ての取引を相見積もりにさせてもらうよ。」とメーカーからお達しがあったのです。西郷社長、大隈専務とも自分の息子あるいは、第三者に会社を引き継がせようとは思っておらず、引き際を探っていたところでした。まさに渡りに船で、取引中止、撤退の口実ができたのです。

「それならば、大変残念ではありますが、私たちは引かせていただきます。」と伝えて、取引先に負担や迷惑をかけないよう事業を段階的に縮小し、手仕舞いの準備に入ったのです。

 

(福岡雄吉郎)

2021年4月 5日 (月)

低金利は続く  (デフレ)

1994年に私は カリフォルニア ロサンゼルスの住友銀行 米国本部を訪れ、代表の常務にアメリカ金融事情のレクチャを受けました。

 25年前にその役員は、はっきりと 「日本のこれからの融資金利は上がる理由はどこにもない!」 と言い切られたのです。

日本へ帰国するとスーパーのダイエーが倒れ、第一勧業銀行も 北海道拓銀等の    メガバンクが倒産していったのです。

低金利ということはインフレではなくデフレです。例えば土地は値上がりしません

ところが 中小企業の経営者に各銀行の営業マンは、金融不安をあおり

「長期的に見て 金利は上がりますから 固定金利 長プラで契約した方がいいですよ!」と嘘ばかり言っていたのです。

タダみたいな0.5%を切る貸出金利が続いています。政府のインフレ政策も なかなか効きません。まだデフレ経済が続くようですね。

いかに政府が日銀が 2%のインフレをおこそうにも国民も経営者も気分が萎えて景気の先行きも、新たな投資も考えにくいのでしょう・・・

 

日銀も低金利、マイナス金利政策を続けています。これでは銀行の経営が行きずまってしまうでしょう。現実に地方銀行は倒れています。

日銀は、本来 各銀行がお客様で、味方でしょうが、日本政府の子会社、政権の与党の政策に沿ってゆかねばならず、今 金利を上げれば中小企業はバタバタと倒れます。

当分、低金利は続くことでしょう。。。。

(井上和弘)

2021年4月 2日 (金)

2022年からのペーパーレスに対応せよ④

令和3年の税制改正大綱にて、

電子帳簿保存法の大きな改正が加わりました。

改正内容の施行は2022年(令和4年)1月1日です。

対応を実現できれば、

ペーパーレス化を大きく前進させることができます。

その改正内容と実務と効果を確認したいと思います。

 

④事務処理コスト低減で固定費を削減せよ

 

今回の改正で、もうひとつ、大きく変わることがあります。

現状は、電子帳簿保存が承認されても、

その事務処理が適正に行われているか、

社内のチェック体制を整え、定期実行される必要がありました。

その記録も残す必要があります。

が、2022年1月1日以降、

そのようなチェックを定期実行することは不要になりました。

 

これまで、

データ改ざんや不適切な処理が行われていないか、

定期チェックし、完了するまで、

帳票原本を廃棄してはならない、となっていたのです。

チェックの必要はなく、データ保存の要件を満たしていれば、

原本は廃棄しても構わない、となったのです。

 

もちろん、法令に沿って対応しないといけないわけですが、

2022年以降の改正によって、

面倒な承認申請や手間なことが、一掃されたのです。

 

社員各人による、会計データの電子保存が進めば、

会計業務の無人化も進めやすくなります。

領収書等、帳票類の原本保管が必要なくなれば、

保管場所もいらなくなり、保管の手間もなくなります。

税務調査時等に、

すぐに検索でき、閲覧できる状況になっていればよいのです。

その時は、必要なデータだけ印刷して、紙で見てもらえばよいのです。

電子保存データをまるごと見せる必要はないのです。

 

どのような業界であっても、

マサカの坂がいつやってくるかわからない今、

下げておきたいのは、固定費です。

改正される電子帳簿保存法に対応すれば、

管理方法は大きく変わり、事務コストも軽減されるのです。

 

少なくとも、新しい若い会社は、

このような管理方法をどんどん取り入れてきます。

それらの会社と戦わねばならないのです。

アナログな管理方法で、勝てるはずがないのです。

 

今のうちから新たな管理方法に舵を切り、

2022年1月1日の電子帳簿保存法の改正に、

対応してほしいのです。

 

(古山喜章)

2021年4月 1日 (木)

2022年からのペーパーレスに対応せよ③

令和3年の税制改正大綱にて、

電子帳簿保存法の大きな改正が加わりました。

改正内容の施行は2022年(令和4年)1月1日です。

対応を実現できれば、

ペーパーレス化を大きく前進させることができます。

その改正内容と実務と効果を確認したいと思います。

 

③保存する画像サイズも定められています

 

写真などでの電子保存に関しては、

「領収書をスマホで撮影して保存してもいい、

 と言っても、不鮮明だったらどうなるのか?」

という疑問がわいてきます。

 

その画像サイズも、法令内で定められています。

387万画素以上、となっています。

その画像サイズ以上であれば、十分に中身を読み取れる、

ということなのです。

 

例えば現状出回っているスマホで、

設定を何も変えずに撮影すれば、

ほぼ間違いなく、1000万画素は超えます。

だから、スマホで撮影した画像はそれなりに美しいのです。

 

なので、

単純にスマホで撮影した領収書の画像でよいのです。

しかし、それでは1枚あたりのサイズ容量が大きすぎるのも事実です。

「領収書を全部、画像保存すると保存容量が大きくなりすぎる!」

となります。

なので、私もこの最近は画像保存での対応を始めていますが、

スマホ撮影した画像を若干、縮小して保存しています。

要は、387万画素以上であればよいのですから。

 

画像の画素サイズ、というのは、

縦×横の○○〇ピクセル×△△△ピクセル、

という数字の計算結果です。

私の場合は、スマホで撮影した画像そのままだと、

4000ピクセル×3000ピクセルで、

1200万ピクセル=1200万画素 の画像です。

それを、

2300ピクセル×1725ピクセル=397ピクセル

=397万画素

に縮小して保存しています。

縮小するには、

最もポピュラーな「縮小専用」のソフトを利用しています。

 

画像保存の細かい実務ルールを書きましたが、

要は、普通のスマホで撮影したレベルの写真画像であれば、

電子帳簿保存法に十分対応できる、ということです。

 

ただし、写真そのものがぼやけていて数字が読めない、

ということでは画像サイズ以前の問題です。

ブレのない写真であることが大前提です。

 

私は現状、領収書を画像で保存しつつ、原本も保管しています。

1ケ月ごと、封筒に入れて、どの領収書がどの帳票のものか、

わかるように保管しています。

現状は、電子保存の事前申請もしておらず、原本の保管が必要ですから。

 

で、2022年1月1日の法改正までにやり方を整えて、

来年からは領収書原本を保管しない、

ペーパーレスに取り組む心づもりで進めています。

これまでのような事前申請は、必要ないのですから。

せっかくの法令大改正を活用し、

中小企業に広めてゆきたいと考えるのです。

 

(古山喜章)

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