上手に会社を清算する法②
最近は、私の周りでも会社を清算したいという経営者が多くなってきているように感じます。それも、借入金の返済ができず、経営的にどうにもならない、という破綻型の清算ではありません。
無借金で現預金も豊富にある、でも、後継者もはっきり定まっておらず、事業自体の先行きも決して明るくはないから、ということで、清算を視野に入れる経営者が一定数いらっしゃいます。
そういう会社の経営者には、M&Aを勧めますが、
熟慮を重ねて、「会社清算」を決断する経営者もいらっしゃるのです。
それでも、経営者からすれば、本当に店じまいをしてもよいものか、迷いや葛藤があるわけです。薩摩金属の場合、西郷社長、大隈専務、またお二人の奥様だけが役員なので気にする必要はありませんが、会社によっては、従業員にも辞めてもわらわなければいけなくなるため、経営者の心は揺れてしまうのです。
しかし、これも考え方次第だと思うのです。
コロナショックの影響で、業績が悪くなった会社の場合は、人員整理しなければ会社が生き続けることができません。
船に10人の乗組員がいます。今日のパンは2個しかありません。1人0.2個ずつ配り続けていては、全員飢え死にしてしまうでしょう。
「全員平等」では、会社という船を生き長らえさせることはできないのです。こういうときは、他社に先駆けて、従業員に船を降りてもらうのです。
その方が、他の船に拾ってもらえる確率が高くなるからです。
また、景気が良い時などは、逆に人員整理するチャンなのです。
景気が良いということは、イコール人手不足時代なのです。引く手はあまた、なのです。それはつまり、退職する社員からしても、次の転職先に困ることがない、ということです。
“ヒトは宝”“大家族経営主義”など、人材を人財と考えている会社は多いのでしょうが、“いざ”というときには、大胆な意思決定をしなくてはいけません。
そのときには、上記のような考え方を持っていただくと、
気持ち的にもいくぶんラクになるのではないか?と思っています。
(福岡雄吉郎)
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