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2021年4月 8日 (木)

上手に会社を清算する法③

薩摩金属ですが、このままいくと、本業をストップしてから、かなりの時間(7年)が経過した後に、会社を清算するという流れになってしまいます。

そこで、社長に質問しました。

 

「なぜ、3年後に不動産を売却する予定なのでしょうか?」

「実は、ある会社に、私たちが使っていたスクラップ工場の土地と建物を貸ししています。この会社は、大手印刷メーカーの下請け仕事をしていまして、商売自体、順調のようです。

そこで、オーナーから3年後に、土地と建物を買い取りたい、という申し出がありました。私たちとしては、これも渡りに船の提案ですので、“3年後に売却します”という話になっているのです。このため、お渡しした手紙にも3年後に売却予定と書いたのです。」

 

「そうですか、ちなみに、3年後に賃貸先に買ってもらえることは、確実ですか?」

「えぇ、まぁ、そういう話になっていますので、大丈夫だと思います。」

 

「“思います。”というと、覚書か何かを交わしていないのですか?」

「はい、特に交わしてはいません。」

 

「それなら、確実に買ってもらえるかどうか分かりませんよ。口約束ほど当てにならないものはありません。」

「・・・まぁ。」

 

「いまは景気がいいです。土地の値段も高くなっています。貸出先も景気がいいんですよね?だったら、時期を早めて、早く買ってもらったらどうですか?」

「うーん、ちょっと検討してみます。」

 

いくら当事者間の関係が良好でも、3年後に確実に不動産を買い取ってもらえるかは、そのときにならないと分かりません。口約束なら、なおさらです。

 

「確かに、おっしゃるとおりかもしれません。

一度、この会社(不動産を賃貸している会社)のオーナーに打診してみます。」

 

そのような会話をしたのが、2019年の夏ごろでした。

その後、不動産を賃貸している会社のオーナーに「3年後に買い取ってもらうのではなく、今すぐ買い取ってもらえないか?」改めて打診してもらいました。

すると、先方も比較的前のめりで、「3億くらいなら・・・・すぐにでも。」という話が出てきました。先方も現在、景気が良く、今すぐほしい、ということでした。これはツイてます。

 

早速、不動産鑑定士に正式に鑑定評価をしてもらいました。このときは、「できるだけ高く評価してほしい」と伝えます。「3.3億くらいで評価してもらって、一旦、先方に提示しましょう。できるだけ膨らませてもらってください。そのあとで、1割ディスカウントして、3億着地で行きましょう。」当初、そのように話をしていました。

 

ところが、鑑定評価を見せたら、「分かりました、3.3億で買いましょう。」との一言。これまた非常にラッキーでした。社長から一言。「当初は、3年後にしか売却できないと思っていましたが、よくよく考えたら、相手も業務拡張している今なら、多少高くても買いますよね。つくづく、タイミングが重要だなぁと、今回の件を通じて感じました。」こうして、2019年の年末には、不動産を売却することができたのです。薩摩金属の決算月は、12月です。このタイミングで、後ほどお話する退職金を支給して、清算手続きを開始したのです。

 

清算決議をしてから、3カ月後、コロナショックが世界を襲いました。本当に、「マサカの坂」がやってきたのです。あのとき、不動産を売却しておかなかったら、銀行から3億円の資金を調達できず、あるいは、事業計画そのものが大幅に狂い、売却は実行できなかったかもしれないのです。「アドバイスに従って路線変更して、本当に良かったですね」と西郷社長から強く感謝されたのでした。

 

(福岡雄吉郎)

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