コロナ禍のおかげで・・・⑤
ここまでコロナ禍が続くとは、
誰もが思わなかったなか、
“コロナ禍のおかげで、こうなりました。”
という、
経営者のさまざまな声を、お聞きしました。
⑤高い金利の銀行は返済できました
昨年、コロナ融資が始まった頃、
多くの社長が同じことを考えました。
“3年無利子なら、それを借りて高い金利の借入金を
先に返済したほうがトクじゃないか。”
ということです。
しかし、当初のコロナ融資では、
“他の返済にあてるなら、貸しませんよ。”
と、銀行員から釘を刺され、
思惑どおりにはいかなかったのです。
それが、今年に入った頃から徐々に様子が変わってきました。
今年の春先、ある会社の社長が言いました。
政府系銀行へ再度、コロナ融資の申請に伺ったときのことです。
担当者に対して、口には出さないものの、融資を受けれたら、
コロナ前に借りた、高い金利の借入金を、
先に返済しようと考えていたのです。
ただ、過去にもそれはダメだと言われていたので、
表向きは、運転資金に充当します、と伝えたのです。
すると、政府系銀行の担当者が言ったのです。
“他の銀行の返済にあてるんでしょ。構いませんよ。
ただ、あんまりあちこちで言わないでくださいね。”
と言われたのです。
図星とはいえ、その態度の変貌ぶりに、社長は驚いたのです。
結局、銀行がカネ余りの中、用途がなんであろうと、
融資さえできれば、そんなことはどうでもよい、
という姿勢に、銀行の態度が変わってきたのです。
融資の内容よりも、融資額のノルマを重視する方向に、
変わったのです。
コロナ禍の中、ますます銀行借入がしやすくなったのです。
ただし、ここで気を緩めると、
必要のない借入金まで増やすことになってしまいます。
そんなことにならないよう、
金利がタダみたいなものだから借りる、というのではなく、
お金を残すことに役立つかどうか、
財務体質を悪化させないかどうか、
よくよく考えてほしいのです。
(古山喜章)
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