月次決算を10日以内にせよ!①
月次決算は翌月の10日以内にできます、という会社は意外に少ないです。
全体の2~3割、といったところでしょうか。
多いのは、翌月20日から月末までの間、
ひどい場合だと、2ケ月近くかかります、ということもあります。
月末から1ケ月ほど経過して、
前月の業績を見て対策を打っても、遅いのです。
月次決算は正確さよりも、即効性が必要なのです。
①売上高が確定しません
月次決算には、確定すべき勘定科目の要素がいくつかあります。
そのいずれかの確定が遅れると、月次決算も遅れるのです。
そのひとつめが、「売上高」です。
普通に考えれば、
「売上高なんて、一番確定しやすいんじゃないのか」
と感じるかもしれません。
しかし、医療・介護、建設など、
業界によっては、確定が遅いのです。
例えば医療・介護業界です。
毎月10日が、保険負担分収入の行政への請求期限日になっています。
ほとんどの施設が、
「10日の締め切りに間に合えばいい」という感覚で作業をしています。
で、月初に入ってから、前月分の請求処理を一気に進めようとします。
担当者が請求内容や請求漏れの確認を、
現場責任者とやりとりします。
10日の申請を終えると、
一息ついて、月末まで請求処理がやんわりと進みます。
で、月初に入ると、またエンジンがかかります。
これではいつまでたっても、
売上確定が10日より早くならないのです。
単純な話し、日々完結すれば、こんなことにはならないのです。
作業を平準化すればよいだけです。
日々が無理でも、2~3日の間には、完了できるはずです。
しかし、処理担当者に改善を要求すると必ず、
「現場責任者からの返事がギリギリで遅いんです!」
と返事がきます。
医療なら医師が、介護なら施設長が、
全社ぐるみで翌月10日締め切りありきの、請求処理が進んでいるのです。
現場優先で、事務処理なんてあとまわし、の意識が強いのです。
結局、社長の立場にある理事長が、強いトップダウンで
「保険収入の請求処理業務は翌月3日までに終わらせる!」
等と決定し、流れを変えてゆくしかないのです。
そうやってようやく、
「じゃあ、返事の遅い責任者がいれば、
そのままにせず、ペナルティーを科そう。」などとなり、
できる方法を考え、売上確定日が早まるのです。
あとで修正があっても、多少の金額の違いは問題ないのです。
月次決算が速くできる、
ということを優先して考えてほしいのです。
(古山喜章)
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