オフバランスへの執念③
6年前に、竹内商事は、別会社に不動産を売却して、
多額の売却損を計上しました。
しかし、売却先であるグループ会社の株主が、
お金も出しておらず、単なる名義株ということで、
税務調査で否認されてしまいました。
税務署から次のように言われました。
「まぁ、1%でも外部の株主が、自分のお金で出していれば、
まだいいでしょう。」
オフバランスを諦めきれない後継者は、本当にこのようにしました。
具体的には、税務調査で修正申告してまもなく、
グループ会社の株式を、
0.5%ずつ、2社に持ってもらったのです。
併せて、1%です。
もちろん、それぞれの0.5%ずつは、
その会社に出してもらいました。
残り99%は、一族でもっています。
そして、再度、不動産を売却して、売却損を計上したのでした。
そしてそして、今から1年ほど前に、
再度税務調査が入りました。
そこで、またこの不動産の売却が問題になった、というわけです。
第二ラウンドですね。
確かに1%だけ一族以外で持たせている。
しかし、これは租税回避の意図がスケスケで、けしからん、
と税務署が考えたわけです。
この場合、「行為計算否認」といって、
税務署長の判断で否認される場合があります。
税法、あるいは、通達に則っていたとしても、
租税回避がミエミエの場合は、
この行為計算否認が持ち出される場合があります。
今回も、これがテーマになりました。
攻防は半年以上にわたって続き、
最終的には、税務署の手にあまり、
国税局に判断を仰ぐことになったのでした。
(福岡雄吉郎)
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