銀行からの出資話しに気をつけろ⑤
コロナ禍を受けて、その状況を切り抜けるべく、
多額のコロナ融資を受けて生き延びている、
という企業が増えました。
そんななか銀行は、
企業の自己資本比率を強化させようと、
融資先に出資話しを持ち掛けています。
しかし、うまい話しにはウラがあります。
銀行にとってコロナ禍は、大きなチャンスなのです。
⑤出資を申し出る銀行には、こう言おう 後編
銀行から、
議決権無し&優先配当株式での出資依頼があった際、
銀行に言っておきたいことのひとつは、
「会社が株を買い取る際には、いくらで買い戻せるのか」
ということです。
出資時点から株価が上がれば銀行はおそらく、
「時価評価での買取りをお願いします。」と言うでしょう。
一方、出資時点から株価が下がっていたら、
「出資時と同じ額面でお願いします。」と言うでしょう。
いずれにせよ、銀行は損しないように考えるはずです。
議決権の無い、優先配当の種類株式を活用する際には、
前回に書いたとおり、“取得条項”を付けます。
「次のようなことがあった際には会社が即刻買い取ります」
という条件を定款に記載するのです。
その中には、買い取る時の価格についても、記載します。
通例、“財産基本通達に基づく価格で買い取る”とします。
定款の取得条項の条文内に、明記するのです。
この表記であれば、時価評価にはなりません。
同族以外の株主から買い戻すのであれば、
配当還元方式になります。
10%までの配当実績であれば、額面で買い戻せます。
とはいえ、おそらく、
取得条項付きで、買取時の価格も額面で買い戻せるように、
とすれば、銀行は出資の申出を見直すと思われます。
そんな面倒くさい先よりも、
何も言わずに喜んで出資を受ける中小企業を探すことに、
舵を切ると思われるのです。
結局、こちらが知識を持たなければ、
銀行の言いなりになり、高い配当や手数料を、
流出させることになるのです。
それだけは、やめてほしいのです。
そして、
必要なければ銀行の出資を引き受けるのはやめて、
そんなことに頼らない方法で、
財務体質をさらに強く鍛えてほしいのです。
(古山喜章)
« 銀行からの出資話しに気をつけろ④ | トップページ | 変わる銀行、変わらない銀行① »
「銀行交渉」カテゴリの記事
- 経営のミスリードにダマされるな!②(2022.05.24)
- 経営のミスリードにダマされるな!①(2022.05.23)
- 根抵当を外す⑨(2022.04.08)
- 根抵当を外す⑧(2022.04.07)
- 根抵当を外す⑥(2022.04.05)
コメント