銀行からの出資話しに気をつけろ②
コロナ禍を受けて、その状況を切り抜けるべく、
多額のコロナ融資を受けて生き延びている、
という企業が増えました。
そんななか銀行は、
企業の自己資本比率を強化させようと、
融資先に出資話しを持ち掛けています。
しかし、うまい話しにはウラがあります。
銀行にとってコロナ禍は、大きなチャンスなのです。
②資本性劣後ローンは銀行社債と同じだ
銀行は金融庁から
「資本増強が必要な融資先には、
資本性劣後ローンを活用しなさい。」
との通達を受け、動き始めています。
それも、本当に資本増強が必要な会社ではなく、
そんなことは必要のない会社にまで、声をかけています。
倒産リスクのある会社には、あまりお声がけしたくないのです。
資本性劣後ローンの特徴は、大きく次の3点です。
1)償還時に一括返済で毎月の返済がない
2)銀行評価で自己資本とみなされ、金融機関の評価に影響しない
3)破綻時の弁済順位が一番低い
お気づきの方もおられると思います。
一括返済という点から、銀行引き受けの社債と似ているのです。
私たちが
「銀行引き受けの社債だけはやめなさい!」
と常々申し上げている、あの社債です。
当然、手数料が高く、金利も高いのです。
例えば商工中金の公表例を見ると、
10年後の償還で2.6%、
20年後の償還で2.95%、
いずれも最初の4年は0.5%、となっています。
市中銀行は公表していませんが、ほぼこの内容に準じるか、
さらに高い金利なのです。
銀行にすれば、長く貸して、
その期間ずっと、高い金利を受け取れるのです。
このカネ余りのご時世には、おいしすぎる話しです。
しかも、
資本増強など必要のない会社にまで劣後ローンを持ち掛け、
倒産リスクの低い会社と契約して、
甘い汁を吸おうとしているのです。
つまり、資本性劣後ローンといえど、
銀行引き受けの社債とほぼ同じなのです。
銀行が得するだけなのです。
だから、安易に受け入れないでほしいのです。
(古山喜章)
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