役員報酬はいくらが妥当か?⑤
役員報酬が税務調で問題となるケースは非常に低いのですが、
あまりに高過ぎれば税務上も否認されることをご理解ください。
参考までに次のような会社をご紹介します。
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東京電力福島第1原発事故に伴う除染を下請け受注した福島県いわき市の業者(X社)が仙台国税局から、2016年12月期までの3年間の役員報酬が過大だとして、約30億円の申告漏れを指摘されています。
原発事故後の12年1月に設立され、大手ゼネコンの下請けとして除染を手掛けていました。業績は拡大し、売上高は12年の約19億円から、15年には約111億円、16年は約105億円に達した。
大半をこのゼネコンから受注していたようですが、18年4月以降は取引関係を解消していたようです。このX社で16年12月期までの3年間に支払われた役員報酬は約76億円。うち申告漏れにあたるのは約30億円で、代表取締役会長の報酬でした。
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X社は、3年間で代表取締役会長の役員報酬が30億円過大だと、
税務調査で否認されています。さすがに、高いですね、びっくりしました。
役員報酬は、税務調査で「不相当に高すぎる!」となった場合は、
否認されることになります。
この「不相当に高い」というのは、
1.役員の職務の内容(仕事の内容)
2.会社の収益(儲かっているかどうか)
3.従業員に対する給与の支給の状況(他の従業員との比較)
4.事業規模が近い会社の役員報酬の状況(ライバル企業の役員報酬)
に照らして高すぎると判断されれば、その金額は損金に計上できない(=否認される)のです。
この基準は、わかったようで、よく分かりません。
例えば、従業員の給与は減らしているのに、自分たち役員の報酬は大きく増やしている。
これは、税務署からは理解を得にくいといえます。
反対に、従業員にしっかりと給料を出していれば、
経営者が高額報酬をとっていても問題視はされないでしょう。
(福岡雄吉郎)
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