変わる銀行、変わらない銀行⑤
ここ最近、「?」と思わるような銀行交渉があります。
変わる銀行、変わらない銀行、さまざまです。
(ケース3)「金利をあげさせてください」
サービス業を営むクワタサービス(仮)は、
財務的に優良企業ですが、
取引しているメガバンクから、
「銀行側の採算が悪くなっているので、
金利を上げさせてほしい」と依頼があったといいます。
金融機関の人間に聞いてみると、
確かに金利引き上げの動きはある、
ということでした。
これまで、金利競争に陥ってきた金融機関の体力が失われはじめ、
だんだんと銀行の経営も危うくなってきているため、
金利引き上げを申し出ているようです。
ただし、銀行の腹積もりとしては、
「申し出をすんなり受け入れてくれればラッキー」くらいです。
よくよく考えると、銀行が金利を引き上げる、
ということは、私たち中小企業の商品価格、サービス価格を
値上げする、ということです。
値上げって、そんなに簡単にできるものではありません。
材料価格の値上がり、最低賃金の上昇などで、
売上原価の上昇が吸収できないため、
やむを得ず、値上げしてもらえないか、
値上げ理由を必死に考えて、悪戦苦闘しながら、
値上げに踏み切ります。
「採算が悪くなってきたので」という一言で、
簡単に値上げを依頼するなどありえません。
それに、銀行が貸しているおカネは、
もともとは、私たちが預けているおカネです。
私たちが預けたお金の金利はゼロで、
その何百倍、何千倍という金利で、私たちに貸し付けています。
おまけにその銀行の決算書を見ると、
何千億円という利益を出しています。
何から何まで違和感がありますね。
こういった銀行は今後増えてくることが予想されますが、
当然、そういった値上げに簡単に応じる必要などありません。
(福岡雄吉郎)
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