過剰からの脱却 ➂
中小企業の決算書を拝見していると、
「もっと減らしなさい!」
というものが多くあります。
過剰なのです。
過剰であることが、財務を蝕んでゆくのです。
➂事業所の過剰
コロナ禍に入り、各社さまざまな変化を強いられました。
そのひとつが、ズーム等によるリモート打ち合わせです。
もはや特別なことでなく、標準化されました。
そうなると、営業活動の拠点となる事務所が、
数の面でも広さの面でも、今まで程は必要なくなってきました
営業所を撤退して減らす、
あるいは少し小さな面積の部屋に縮小移転する、
などして、固定費削減をしてほしいのです。
多店舗展開する事業に於いても、赤字店舗は撤退検討が必須です。
これまでなら、多少の赤字店舗があっても、
他の黒字店舗で補填できていたかもしれません。
しかし、
コロナ禍においては、黒自店舗も以前ほどの黒字確保は厳しく、
赤字店舗の面倒をみるほどの力を失っているケースが多いです。
そのような状況で赤字店舗の運営を続けていては、
会社全体の経営を傾かせることになりかねないのです。
外食店舗を15店舗ほど運営する会社で、
赤字店舗を2店舗閉店し、デリバリーやネット販売を始めました。
メニュー数も絞り込んで減らしました。
まだまだコロナ前の80%の全社売上高ではあるものの、
損益分岐点売上が下がり、営業利益は出る体質にまで戻せたのです。
赤字店舗を放置してては、こうはならないのです。
過剰な事業所や赤字を生む過剰店舗は今のうちに減らし、
これからの収益体質にみあう事業展開に切り替えてほしいのです。
コロナ禍は体質改善の機会でもあるのです。
不安定な経営環境がまだしばらく続くなか、
損益分岐点売上高は、できる限り下げておきたいのです。
その要因となる、過剰な事業所がないか、
今一度、確認してほしいのです。
(古山喜章)
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