株式買取事例⑤
オーナー会社にとって、
株式なるものほど、面倒なものはありません。
秋葉電気(仮称)の場合
秋葉電機の場合は、株式を兄弟6人で持ち合っていました。
長男の秋葉一郎氏(仮称)が社長、
長女の秋葉弓子氏(仮称)が取締役、
残りの弟ら4人は、会社に入っていません。
兄弟のなかで、唯一三男だけが、はぐれ者で、
いまは亡き創業者とも折り合いがわるく、
兄弟姉妹のなかで、一人浮いた存在でした。
遺産分割の際も、自分の権利ばかり主張しており、
まとめるのに苦労したそうです。
秋葉電機自体は、M&Aということではなく、
秋葉一郎氏の長男に承継してゆこうと考えており、
将来のことを考えると、親族の株式は、
集約しておきたいという結論になりました。
一郎氏は、かなり心配しており、
「あいつは、ほんとに何を言い出すか分からない。
実は、あいつは、もともと、うちの会社に勤めていて、
従業員と結婚したんですが、
また、その嫁となった人間も変わり者で、
この先のことを考えると、結構面倒くさいですよ。」
と、このように言っていました。
そんなさなか、昨年の暮れに、三男から連絡があり、
自分が持っている株式を買い取ってほしい、
とのことでした。
まさに渡りに船です。しかし、一郎氏いわく、
「あいつは強欲だから、とんでもない金額を言ってきたら、
それはまた面倒くさい」
そこで、三男に対して、次のような文書を送ることにしました。
・新型コロナウイルスは、当社のグループ事業に大きな影響を与えました。
・今後を見据えると、さらに厳しくなることから、会社の体力がある今のうちに、自社株式の買い取りをします。
・株式の買取については、他の一族からも同じ条件で買い取る予定です。
・ご提案する買取価格は、顧問税理士により算出された評価となります。
・会社として将来にわたって事業を継続してゆけるか不透明であり、また、
配当方針は従前通り無配当の予定のため、ご検討を宜しくお願いいたします。
これで、気持ちよく判を押してくれました。
秋葉社長も、ホッとされたのでした。
(福岡雄吉郎)
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