現金が過剰な会社の共通点 ③
「現金も在庫と同じ。過剰に持つな!」
と言い続けております。
それでも決算書を見ると、
過剰な現金を持つ会社の多いこと。
その会社の経営者の方々には、
共通するいくつかの点があるのです。
③当座貸越契約を知らない
借入をしてまで現預金を過剰に抱えている理由のひとつに、
「すぐに必要な時に現預金がないと困るから。」
ということを挙げる経営者がおられます。
そういう方に
「当座貸越契約をすればいいじゃないですか。」と言うと、
「それ、なんですか?」
という答えが返ってくる、ということがまだまだ多いのです。
当座貸越契約というのは、
当座預金でいつでもすぐに調達できる金額を契約するものです。
5千万円の当座貸越契約をすれば、
短期借入金の扱いで、いつでもすぐに資金調達できます。
なので、当座預金の残高がマイナスになっても、
当座貸越契約の額が5000万円なら、
マイナス5000万円までは、その契約額の範囲内で対応できる、
ということになるのです。
使った当座貸越枠の金額は、自動的に短期借入金になります。
で、当座の口座に入金があり次第、自動的に返済してゆく、
ということになるのです。
すぐに資金が必要、というときに、
この当座貸越契約は好都合なのです。
これをせずに、普段から借入金をして現預金を抱えていると、
まず、金利が常に発生します。
加えて、その状態だと絶えず現預金も借入金も膨らみます。
総資産は増え、自己資本比率や総資産経常利益率など、
企業体力に必要な経営指標が軒並み悪化します。
そんなもったいないことをするくらいなら、
当座貸越契約を結んでほしいのです。
そのためにはまず、取引のある銀行担当者に、
「急な資金需要に対応できりょうにしたいので、
当座貸越契約をしたいのだが、どうすればよいのか。」
と要望を伝えればよいのです。
その言葉が経営者から出るだけで、
「この経営者は銀行のことをよく知っているな。」
と、銀行員はドキッとするはずです。
かつては契約のハードルが高いと言われた当座貸越ですが、
今は状況が変わり、すんなりと契約できるケースが増えています。
「以前に申し込んだけれども断られました。」
という経営者も、おられると思います。
しかし、それから数年以上経過していれば、
担当者も変わっていますし、何より、
銀行を取り巻く環境が変わってきているのです。
どう変わってきたかは次回に委ねますが、
過去の事は気にせず、必要であれば、
再度チャレンジし、当座貸越契約の枠を確保してほしいのです。
(古山喜章)
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