賢い資金繰り ⑤
経営にはマサカの坂がつきものです。
その際にまず気になるのが、当面の資金繰りです。
どんな業界であろうと、長く経営を続けていれば、
「マサカの坂」に必ず見舞われる時が来るのです。
そのためのお金の備えは、今のうちに済ませてほしいのです。
災害は、忘れたころにやってくるのです。
⑤ネット販売でクレジットカード払いを増やす
ネット販売で何かを買う際、
多くは注文時にカード決済します。
買う側も、クレジットカードで決済すれば、
そのお金が引き落とされるのは、ずっと先になります。
なので、あまり抵抗なくカード決済できるのです。
売る側は、売った代金を、
クレジットカード会社から受け取る形になります。
要は、お客の支払いをクレジットカード会社が立て替える、
という形になるのです。
で、クレジットカード会社はお客の口座から徴収するのです。
なので、カード払いにしておけば、
カード会社が破綻しない限り、とりっぱぐれはないのです。
ある会社で、カード払いできるようにすればいい、と提案すると、
「カードの引落口座に残高が不足していたら、
売り上げが回収できません!」
と言った方がおられました。
しかし、代金はクレジットカード会社が立て替えるので、
そのような心配は無用なのです。
クレジットカード会社からの入金サイクルは基本、
末日締めの翌月下旬入金、が多いです。
現金売上ほど早くはありませんが、比較的早く回収できるのです。
それに、オプションで月2回入金といった対応も受けています。
加えて、通販サイトを活用できれば販路拡大に寄与します。
特に過疎化が進む地方の小売店舗等においては、
その地方での商いだけでは、先細りが見えています。
昨年も、ある地方で土木建築資材販売を営む会社が、
ヤフーを通じてネット通販を始めました。
「こんな商品、どうかなぁと思ってましたが、
小さな工務店や個人客からの注文が全国各地からきて、
今では月間数百万円になってきました。」
とのことなのです。
これまでの商いだと、売り先はその地域の土木建築会社です。
掛売上が基本で、手形払いがまだまだ根付いていたのです。
要は、回収まで時間がかかっていたのです。
それが、通販だとクレジットカード決済で、
従来に比べてずっと回収が早いのです。
「資金繰りもラクになるので、今後ますます力を入れてゆきます!」
と、過疎地でありながらの新たな販路獲得に、
その経営者は今後の生き筋を見出しておられたのです。
回収が長くて困る、というのなら、
回収条件を縮める交渉も必要ですが、
ネット通販という、新たな販路開拓による、
資金繰り改善も、検討の余地がある方法なのです。
(古山喜章)
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