現金が過剰な会社の共通点 ⑤
「現金も在庫と同じ。過剰に持つな!」
と言い続けております。
それでも決算書を見ると、
過剰な現金を持つ会社の多いこと。
その会社の経営者の方々には、
共通するいくつかの点があるのです。
⑤借入金利の相場を知らない
「今の低金利だったら、借りてもタダみたいなもんですよ。」
そうおっしゃる経営者がおられます。
「で、何%の金利で借りられたのですか?」と聞きます。
すると、「1%」や「1.5%」など、
今どきの低金利環境でみれば、
めちゃくちゃな高金利で借りていたりするのです。
「えぇ!高すぎますよ!」と言うと、
「いやや、以前は7%や8%だったんですから、
それから比べたら、タダ同然じゃないですか。」
などと言うのです。
バブル期の銀行優位時代から比べて、
今は金利がかなり下がっているのは、当たり前です。
その頃と比べるのではなく、今の相場と比べて、
それより低く、どう借りるのか、というのが金利交渉です。
金利相場が全く真逆の時代と比べて満足しているなど、経営者失格です。
日本銀行が毎月発表している、
新規融資の平均金利は今、約0.6%です。
それよりも低く借りてこそ、
「低い金利で借りました!」と言ってほしいのです。
このような金利相場を知らない経営者は、
銀行からしたら、まったくもって、ありがたい客なのです。
銀行が相場よりも高い金利を経営者に提案して、
「こんな低い金利で借りれるなら、ありがたい!」
などという言葉が経営者から出れば、
「私は金利相場をまったく知りません!」
と叫んでいるようなものです。
“この経営者なら、そこそこ高い金利でも大丈夫だな。”
と悟られ、いいカモにされてしまうのです。
で、どんどん借りて、現預金が必要以上に膨張するのです。
金利相場を知らないのは、税理士も同じです。
先日、ある社長が顧問税理士に相談しました。
「グループ会社間でお金を貸すのに、金利をどうすればよいですか。」
すると税理士から
「銀行金利と同じくらいで、2%でお願いします。」
と言ってきたのです。それで、
「なんか高いと思うんですけど。」
とこちらに相談してきたのです。
「金利を税理士に相談しても、彼らは相場なんて知らないから、
相談相手を間違えたらえらい目にあいますよ。」
と伝え、0.2%の金利設定にしたのです。
原料仕入等なら、相場を調べて交渉しているのです。
金利も同じです。低い金利で交渉し、現預金を安く仕入れるのです。
そのためには、金利の相場を知ることです。
“日本銀行 平均金利”と検索すれば、相場を見れます。
簡単です。金利が下がれば、まるごとリターンです。
リターンのある行動で、相場より低い金利を獲得してほしいのです。
(古山喜章)
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