賢い資金繰り ③
経営にはマサカの坂がつきものです。
その際にまず気になるのが、当面の資金繰りです。
どんな業界であろうと、長く経営を続けていれば、
「マサカの坂」に必ず見舞われる時が来るのです。
そのためのお金の備えは、今のうちに済ませてほしいのです。
災害は、忘れたころにやってくるのです。
③プリペイドカードで前金を増やす
会費や定額に加えて、
資金繰り対策として増えているのが、プリペイドカードです。
前金でお代を回収できるのですから、
資金繰りをラクにするにはピッタリの仕組みです。
古くは喫茶店のコーヒーチケットや、
英会話やゴルフスクールなどのレッスンチケットも、
プリペイドカードと同じ発想です。
それがデジタル化され、カードやスマホアプリで、
導入・運用できるようになりました。
“プリペイドカード 導入”として検索すれば、
取り扱い業者がズラズラ出てきます。
かつては大企業だけが導入しているイメージでしたが、
キャッシュレス化が進む中、
コロナ禍もあとおしして、導入コストは大きく下がりました。
中小企業でも導入可能なレベルにまでなってきたのです。
私自身、スイカやエディ、スタバなど、
ここ10年以上、プリペイドを大いに利用しています。
やはり会計が早いのと、手元の現金を減らせれる、
というのは、ユーザーにとっても大いに利便性があるのです。
それに、会費の幽霊会員同様、
プリペイドカードにも運用側にありがたい恩恵があります。
前金で払った金額分、使い切らないお客が大勢いる、
ということです。
特にスイカやイコカなど、
交通系の放置金合計は、かなりの高額になるはずです。
その他のプリペイドカードにおいても、同じことがあるはずなのです。
また、最近のプリペイドカードはデジタル化されているので、
顧客動向データを集めやすいのもありがたいです。
多くは顧客登録時に年齢・性別、連絡先のアドレスなどを
登録するので、顧客データ分析や情報発信には、うってつけなのです。
加えて、ポイントカードとも連動しやすく、
1枚のカードで一体化しているパターンも増えてきました。
数多くのフランチャイズ事業を営む、ある地方の会社では、
各店舗共通で利用できるプリペイドカードを作り、
顧客の囲い込みに成功していました。
ポイントカードも共通なので、その地域における、
自社グループの店舗利用者が、どんどん増えたのです。
“どうせならポイントのたまる店を利用しよう。”
という顧客心理を、見事につかんだのです。
このように、一般消費者を対象とするご商売なら、
プリペイドカードの活用は、
ぜひとも検討していただきたい案件です。
資金繰りにも有効で、顧客ニーズ分析や囲い込みにも、
大いに活用できるのですから。
(古山喜章)
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