賢い資金繰り ②
経営にはマサカの坂がつきものです。
その際にまず気になるのが、当面の資金繰りです。
どんな業界であろうと、長く経営を続けていれば、
「マサカの坂」に必ず見舞われる時が来るのです。
そのためのお金の備えは、今のうちに済ませてほしいのです。
災害は、忘れたころにやってくるのです。
②会費・定額費用が増えれば楽になる
日々の資金繰りが楽な業種・業態があります。
例えば、日銭が入る業種です。
パチンコホール業、飲食店、小売店などです。
但し、飲食・小売は百貨店などのテナントだと、
百貨店を通じての入金なので、日銭は入りません。
それでも入金は月2回など、比較的早い回収です。
日銭が入る商売以外で資金繰りが楽な業種・業態だと、
前金でお代を受け取るパターンです。
保険、学校、不動産賃貸、自販機、ネット通販、
エンタメ系チケットなどは、ほぼ前金です。
集客さえできれば、運転資金としての調達は不要です。
要は、そのような業種・業態でなくても、
何らかの形で前金のように、先にお代を受け取れないか、
ということを言いたいのです。
例えば会費です。
顧客に対して、有料会員制度を設けて情報発信をしっかり行い、
会員には優遇特典・サービスを提示する。
通常会員とプレミアム会員を作り、差をつける。
顧客は自分にとってメリットのある特典であれば、
有料であっても、会員になってくれます。
自社でそのような会員制度を作れないか、ということです。
あるいは、定額費用のサービス、
いわゆる、サブスクリプションです。
一定のサービス利用に対して、毎月定額を支払う、というパターンです。
アマゾンや動画配信などは、この方式で資金を確保しました。
それに、月額定額料金の場合、
最初に入会したまま、さほど活用することなく、
解約もせずに放置している、ということが往々にしてあります。
定額サービスをフィットネスで展開している社長が言いました。
「幽霊会員が半分くらいいるんで、これが助かるんです。
特にアナウンスはせず、こちらも放置しています。」
とのことなのです。
定額でお得な商品・サービスでも、全員が有効活用することはなく、
経営サイドにとっても、大いにメリットがあるのです。
全部がムリでも、一部の商品・サービスにおいて、
会員制度や定額サービスを設けて運用することができれば、
資金繰りは大きく変わるのです。
資金繰りに厳しい会社ほど、検討してほしい項目なのです。
(古山喜章)
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