利益が出すぎて困る③
業態が、大手企業のサプライヤー(協力業者、下請)の場合、
利益が出すぎてしまうと、
「お前のところは、こんなに利益が出てるじゃないか。
それなら、もっとコストダウンできるだろう。」
という、プレッシャーが強くなるのです。
彼らはどんな対策を取っているのでしょうか?
(事例2)平野化成(仮)の場合
平野化成は、売上の70%を一社の得意先が占めています。
卵が一つの籠にもられた状態で、
しかも、株式も10%持たれており、
株主総会での決算報告も求められています。
元請との関係は、いまのところ良好ですが、
経営陣に油断はなく、
「いつどこで、他のライバルに仕事を振られるか、
わからない」と危機感も抱いています。
まして、属している業界に好況の波が押し寄せており、
営業利益として10億円以上は出てしまう状況です。
となると、当然、「儲けすぎ!」と
コストダウンを要求され、
また、元請から見れば、内製化も選択肢に入ってきます。
そこで、考えたのが、
「引当金」です。
引当金というのは、損益計算書上の費用のことで、
将来の損失に備えて、
今のうちから、費用に計上しようというものです。
税金が減ることはありません。
損益計算書上の見た目の利益を減らす、
というだけですが、平野化成のような会社には
メリットがあるのです。
将来の工場集約、移転に備えて発生する損失について、
「修繕引当金」として、2億円ほど計上します。
そうすると、利益は10億円から8億円に抑えられるのです。
(福岡雄吉郎)
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