賢い資金繰り ④
経営にはマサカの坂がつきものです。
その際にまず気になるのが、当面の資金繰りです。
どんな業界であろうと、長く経営を続けていれば、
「マサカの坂」に必ず見舞われる時が来るのです。
そのためのお金の備えは、今のうちに済ませてほしいのです。
災害は、忘れたころにやってくるのです。
④給与支払い日を伸ばす
意外に見直しされにくいのが、給与の支払い日です。
給与の締め日と支払い日は、各社さまざまです。
他社との比較をする機会がないためか、
現状が当たり前になっているのです。
しかし例えば、
月末で締めて翌月10日や15日で給与を支払う会社と、
月末で締めて翌月20日、25日に給与を支払う会社と、
では、資金繰りが大きく異なるのは明らかです。
給与は毎月発生する、最も大きい支払いコストです。
その支払が早いより、遅いほうが資金繰りは楽になるのは、
あたりまえなのです。
20日や25日の支払であれば、それまでに入金がある可能性が大きいです。
毎月の入金のあとに、給与支払いを行う形にすればよいのです。
給与支払い日を変えようとすると、
「しかし、給与振込日を後ろにずらすとなると、
従業員がいやがるでしょう。
ローンの返済や自動引き落としなど、不足したらどうするのか、
という心配をしますからね。」
といった声が必ずでてきます。
当然、気になることと思います。
なので、給与支払い日を変えるときは、
賞与支給と絡ませて実行します。
賞与を支給して、
返済や引き落としに影響がないタイミングで、
給与支給日を後ろにズラすのです。
そうすれば、残高が不足する、という心配もなくなります。
実際にこれまでいくつもの会社で、給与支給日を変えてきました。
が、社内でトラブルになったことは一度もないのです。
実行された会社の財務担当はみなさん、
「資金繰りが一気に楽になりました!」
「余計な短期借入金をしなくてもよくなりました!」
「従業員が何か言ってきたときのQ&Aを用意していましたが、
ぜんぜん使うことがなかったです。」
などとおっしゃいます。
資金繰りは、お金の入りと出の管理です。
そのタイミングを見直すだけで、
資金繰りが楽になることもあるのです。
自社の給与支給日が資金繰りに影響していないか、
再確認してほしいのです。
(古山喜章)
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