ROAとROE
先日、オーナー企業の幹部から次のような質問を受けました。
「ROAとROE、私たちは、どちらを重視すべきでしょうか?」
私たちは、常々、「少ない資産でたくさん儲ける」
これが本当の収益性だと申し上げています。
業績を見るときに、
売上高経常利益率を気にする方が多いですが、
企業の真の収益性は、「総資産経常利益率」とお考えください。
ROA(Return On Assets)と呼ばれ、
分母に「総資産」が、分子には、「経常利益額」がやってきます。
この意味は、“少ない資産で、効率的に利益を上げろ!”です。
ROAは、世界でも共通の経営指標(グローバルスタンダード)です。
10%を目標にしてください。
ROAとよく似た単語に「ROE」があります。
新聞ではよく”ROE”という言葉を見かけます。
このROEは、投資家(上場企業の株主)が重視している指標です。
ROEは分母が「自己資本」、分子が「当期純利益」です。
自己資本には、会社を応援してくれる方(投資家)が出してくれたお金
も含まれます。つまり、言い換えると、「自己資本は投資家のお金」ともいえます。
その投資家は、自分が出したお金を使って、
効率よく儲けて、配当してくれることを期待しています。
だから、投資家は、ROEを非常に重視するわけです。
いっぽう、中小企業は、株主=オーナーです。
また、会社の資産=オーナーのもの、ですね。
だから、投資家の目を気にする必要のない中小企業では、
総資産を使ってどれだけ儲けたか?が大切なのです。
「中小企業はROA、上場企業はROE重視」なのです。
(福岡雄吉郎)
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