やっぱり無借金がいい ①
コロナ禍で、
借入金が増えた決算書を見る機会が増えました。
やむ得ない借入金もあれば、
必要ないのに不安で借りた借入金もあります。
しかし、どこまでいっても借入金は返済が必要です。
長く経営を続けるには、やっぱり無借金がいいのです。
①実質無借金は、無借金ではない
「うちは実質無借金ですよ。」
そうおっしゃる社長がおられます。
決算書を拝見すると、
借入金を大きく上回る現預金を抱えているのです。
「返そうと思えばいつでも返せるので、
実質的に無借金とおんなじですよ。」
と言われるのです。
「いつでも返せるんなら、すぐに返せばいいじゃないですか。」
と言うと、
「そうなんですけど、まあ、いつでも返せますから…。
それに、銀行とのおつきあいですよ。」
等となり、そもそも返すつもりがないのです。
で、本当にお金が必要になったときには、
「返さずに持っていてよかった。」
と思うのかもしれません。
しかし、それまでに、
余計な金利を払い続けていたことや、
総資産を膨らませて格付け(スコアリング)を悪く
していたことに、気づいていないのです。
借入金が多いために自己資本比率も悪くなるので、
帝国データ等の外部評価も下げることになるのです。
結局、よくよく聞いていると、実質無借金ですと言う社長は、
無借金だとすぐに銀行から借りれないと思っている、
当座貸越があれば問題ないのに知らない、
等といったことがわかってくるのです。
つまり、財務や銀行借入への、知識が不足しているのです。
実質無借金と本当の無借金となら、
本当の無借金のほうがよいに決まっています。
なのにそうせず、実質無借金という名目のもとに
借金を抱え続けるのは、健全な財務とは言えないのです。
無借金にすればなぜいいのか、書いてゆきたいと思います。
(古山喜章)
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