やっぱり無借金がいい ②
コロナ禍で、
借入金が増えた決算書を見る機会が増えました。
やむ得ない借入金もあれば、
必要ないのに不安で借りた借入金もあります。
しかし、どこまでいっても借入金は返済が必要です。
長く経営を続けるには、やっぱり無借金がいいのです。
②マサカの坂がきても、精神的に追い込まれることはない
コロナ禍に陥った時、
無借金の会社の社長たちは言いました。
「何はともあれ、
借金がないことのありがたさをしみじみ感じました。」
「これで借入金があったら、今、自分はどんな風になっていたか、
ちょっと想像がつきません。」
先がまったく見えず、入ってくるお金がないときに、
それでも決まって出てゆくお金があるのは、
社長にとって恐怖でしかありません。
給与もそうですが、銀行への借入返済も同じなのです。
とにかく金策に追われる日々が続くことになるのです。
コロナ禍に突入した直後、
銀行が融資先に様子伺いに参じました。
「経営への影響はどんな感じでしょうか。
何かございましたら、遠慮なくお申し付けください。」
とはいうものの、実際は、
この会社にどこまで融資を続けていいものか、
銀行は値踏みをしていたのです。
当然、これは危ない、と感じる先には、
積極的な融資もしませんでした。
融資の多くは、破綻時でも保証協会が100%補填する、
コロナ融資ばかりでした。
“何かあったときのために”と、
普段から過剰な借入金で現預金を抱え、
コロナ禍で直撃を受けた会社は、どうなったでしょうか。
実際には、そんなものでは足らず、
新たにコロナ融資を受けていた会社も多かったのです。
コロナ融資の返済は3年後からですが、
その以前から抱えていた融資は、そのまま返済が続いたのです。
それなら、余計な融資はなく、
必要な金額だけ全部コロナ融資で調達し、
3年間は返済なし、のほうが、
当面の金策に追われることもなく、ラクだったのです。
マサカの坂を、甘くみていたとしか、言いようがないのです。
お金の窮地に陥った時、
迫る借入返済や給与支払いをどうするか、
そのとき社長は、精神的に追い詰められてゆきます。
数億円もの個人保証をし、自宅を担保に入れていれば、なおさらです。
このような局面で、一家離散が増え、自殺者が増えたのです。
バブル崩壊のときも、そうだったのです。
普段から無借金であれば、
マサカの坂でも、精神的にはずっと楽です。
どうせいつかは経験するマサカの坂なら、
やはり無借金でむかえてほしいのです。
(古山喜章)
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