掛に埋蔵金あり②
創業70年を超える老舗商社での出来事です。
「売掛金の回収は徹底しています」
と自負する会社の売掛金の帳簿のチェックをしたところ、
思いもよらないことが分かりました。
私
「会長、調べてみたのですが、
Aという得意先については、
ここ数年、売掛金残高が▲30,000,000円となっています。
この残高の動きも長らくなさそうですが、
このAの内容について、お分かりですか?」
会長
「A・・・?
そんなところ、あったかなぁ。
いますぐは分からないので、調べますわ。
しかし、売掛金が▲30,000,000円って、
どういうことですか?」
私
「売掛金のマイナスなので、前受金でしょうね。
Aという先から、前金でもらっていて、
それがそのまま帳簿に残っているということです。
しかし、そんなこと、ありえます?」
会長
「経理に調べてもらったところ、
グループの再編を行ったときか、
あとは、システムを入れ替えたときに、
手続がしっかりできておらず、
帳簿上で残っているだけだそうです。
いまは、当然ですが、実際の残高はありません。」
私
「歴史の古い会社だと、こういうことは、たまにありますね。
しかし、“ない”ということなら、これを正しい処理にしましょう。
これを処理すると、利益が30,000,000円増えますが・・・」
会長
「ちょうどよかった!今期は、業績があまりよくないので、
それだけ増えてくれるなら、ありがたい。
いやぁ、助かった!!」
このような感じで、
自社の帳簿を細かく調べてみると、
思わぬ事実を発見することがあります。
決算前に是非一度、ご検討ください。
(福岡雄吉郎)
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