なぜ今も個人保証がなくならないのか④
繰り返しますが、個人保証は外せます。
それでもなお、
銀行から求められると受けてしまう経営者が、
多くおられます。
それはいったいなぜなのか、考えてゆきます。
④うちの財務状況では仕方がないと思っている
「うちの会社の財務状況だと、
銀行から個人保証を要求されるのは仕方がない
と思っていました。」
という社長がおられました。
その会社の自己資本比率は約40%でした。
「社長、自己資本比率40%なんて優秀な財務状況ですよ。
倒産リスクが低く、ここならお金を貸しても安全だ、
と銀行が高く評価しますよ!」
と伝えると、
「えっ、そうなんですか!」と驚かれたのです。
現状、融資の際に個人保証を求めてもよい、
と金融庁が定めている条件は、次の2つです。
1)債務超過に陥っている
2)2年連続、減価償却を加味せずに営業利益がマイナスに陥っている
このいずれかなら、
銀行が社長に個人保証を求めてもしかたがない、
とされています。
債務超過ということは、
自己資本比率がマイナスになっている、という状況です。
貸借対照表の純資産がマイナスで、
資産よりも負債が大きい状況なのです。
貸したお金の回収は見込みづらい、返済能力は極めて乏しい、
と銀行に判断されるのです。
また、2)に関しては、減価償却費を差し引いても、
営業利益がマイナス、という状況です。
つまり、本業での利益が完全にマイナスで、
返済原資となるキャッシュフローが全くない状況です。
それが2年も続いているなら、業績回復の見込みは少なく、
お金を貸すのはコワイ、と銀行から見られるのです。
しかしながら、
1)や2)の財務状況になっていないのに、
個人保証をしている、という中小企業がまだまだ多いのです。
結局、
具体的にどのような財務状況なら個人保証は必要なのか、
わかっていないのです。
もっと言えば、貸借対照表からみた自社の財務体質を、
読めていないのです。
自社の財務体質を理解し、
個人保証は必要ないことを、確かめてほしいのです。
(古山喜章)
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