なぜ今も個人保証がなくならないのか③
繰り返しますが、個人保証は外せます。
それでもなお、
銀行から求められると受けてしまう経営者が、
多くおられます。
それはいったいなぜなのか、考えてゆきます。
③つきあう経営者も皆、今の銀行環境をわかっていない
「知り合いの経営者もみんな、
個人保証を外すなんて聞いたことがない、
て言いますけど、本当に大丈夫でしょうか?」
と、これまで何度も聞かれました。
「御社なら個人保証は外せるから、
金融庁のガイドラインを見せながら銀行に交渉していきましょう。」
と指導をすると、不安もあって、
まずは周りの経営者仲間などに聞くのです。
で、先のような言葉が返ってくるのです。
聞くのは経営者ばかりではありません。
「うちの税理士も、
それはムリだろうし、
あまり銀行を刺激しないほうがよい、と言ってます。」
と言われたこともあります。
税理士先生が、銀行交渉に詳しいはずがありません。
個人保証のことを聞かれても、
正直に「わからない」と言ってくれるならまだいいです。
「わからない」のに、憶測だけでアドバイスされるから、
経営者を更なる不安へと追いやるのです。
個人保証を外すことをやってみて、意見をするなら構いません。
しかし、それらの方々は、単なる自分の思惑だけです。
これまでの経験や聞いた話しがベースです。
個人保証を外すことにチャレンジしてみたわけでもないのです。
そのような方々に聞くこと自体、相談相手を間違っているのです。
結局、中小企業の経営者の周りにいる方も、
その多くの方は、今の銀行を取り巻く環境を正しく理解していません。
20年以上前と比べて、銀行は全くもって変わっていると、
日々の学びや身をもって理解しておられる方は、
まだまだ少数派なのです。
だから、融資時の個人保証はまだまだ減らないのです。
加えて、経営のことで相談するときは、
ミスリードされぬよう、
相談相手を間違わないようにしてほしいのです。
(古山喜章)
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私はピーク時に20億円以上の個人補償をしましたが、2015年に個人保証を外しました。銀行への定期的な業績報告(決算報告、半期、四半期、書面と面談)を行い、財務体質を強化し、2014年から個人保証を外す交渉をし、2015年に全て外しました。その際に、私が会社に貸している土地を会社に売却し、会社と経営者との間の関係をクリアにしたことも効いたようです。
投稿: タカハシススム | 2021年12月 9日 (木) 08時01分