M&A税制③
最近、M&Aのご相談が特に増えています。
売る側も、買う側もどちらもあります。
今回は、買う側から見た税制優遇についてご説明していきます。
M&Aで会社を買った場合、以下のようなメリットがあります。
2.賃上げ税制
青色申告書を提出している中小企業者等が、
雇用者給与等支給総額(企業全体の給与)が
前年度比で 1.5%以上増加させた場合に、
その増加額の15%分を法人税額や所得税額から控除できる制度です。
これが通常措置です。
それに加えて、M&Aを実行する場合は、
前年度比2.5%以上の給与等支給総額の増加に加え、
経営力向上計画の認定を受け、経営力向上が確実に行われたこと等の
要件を満たした場合は、前年度からの増加額分について、
25%の税額控除を受けることができます
これが、上乗せ措置と言われるものです。
上乗せ措置については、
給与等支給総額の増加率が2.5%以上であり、
かつ、次のいずれかを満たすこと
❶教育訓練費が対前年度比10%以上増加
❷中小企業等経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を受けており、
経営力向上が確実になされていること
なお、税額控除できる金額は、
税引前利益の20%が上限となります。
通常措置(前年度比で給与等支給総額が1.5%以上増加)を利用する場合は、
税務申告より前に特段 の手続きを行う必要はありません。
法人税(個人事業主の場合は所得税)の申告の際に、
確定申告書等に 明細書を添付することで適用が可能です。
上乗せ措置(前年度比で給与等支給総額が2.5%以上増加)を利用する場合は、
決算日までに経営力向上計画の認定を受け、適用年度終了後、
税務申告までの間に、「経営力向上が行われたこ とに関する報告書(経営力向上報告書)」を作成し、提出する必要があります。
(福岡雄吉郎)
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