2022年のうちに進めておきたいこと③
年始にあたり、今年のうちに進めておきたいことを、
書かせていただきます。
③受取手形、支払手形の廃止
中小企業の資金繰りを悪化させる要因のひとつが、
回収期間の長さです。
なかでも、受取手形をもらって回収すると、
締め後4ケ月、5ケ月などとなるケースもあります。
これでは短期借入金が増えるばかりです。
そもそも手形の商習慣があるのは、
世界でも日本、韓国、イタリアのみです。
グローバル基準では存在せず、
負債を早く払える会社ほど、優秀な会社なのです。
その流れをくんでか、日本政府もようやく、
手形を廃止する方向へ動き始めました。
2024年 決裁期限を最長120日から60日に短縮
2026年 紙の手形を廃止
紙の手形が廃止なので、電子手形は残りますが、
方針の流れからゆくと、
電子債権もやがてはなくなるものと思われます。
顧問先の会社でも昨年、
取引先に手形の期限短縮の記事を見せて、
「手形の期限も縮まりますし、
いまのうちに手形でなく、掛け取引に変えていただけませんか。」
と申し入れて、あっさり変更になったことがありました。
締め後90日後の回収が30日後に変わったのです。
これだけでも、資金繰りはずいぶんとラクになります。
同時に、支払手形の発行もやめることができたのです。
手形は万一不渡りを起こすと、二度目で銀行取引は停止です。
そうなると、商売は事実上、できなくなるのも同然です。
「一度目なら大丈夫」
と思うかもしれませんが、実際は違います。
不渡りを出したことを知った取引先は、
危険を感じて現金回収にしか応じなくなったり、
取引きを急遽やめたりします。
巻き添えをくらうのはイヤだからです。
結局、一度目の不渡りで倒産に陥る企業が多いのです。
手形を発行する、ということには、このようなリスクがあるのです。
手形の怖さを知らずに運用する経営者は、
いまとなっては時代遅れであり、財務への理解が乏しいのです。
時代の流れは手形の廃止です。
その動きに合わせて手形をやめて、
回収も支払いも、健全な体質へと生まれ変わってほしいのです。
(古山喜章)
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