自社株は誰に売るべきか?④
オーナーが保有する株式は、
誰に売るのがよいのでしょうか?
自社に売る(金庫株にする)と、
デメリットが多いことは前回書いた通りです。
その他の選択肢として
①後継者個人へ直接売却/贈与
②幹部に売却
③別会社へ売却
選択肢は、この3つです。
①これが一番シンプルですね。
高額退職金を出して、株価をグンと引き下げ、
後継者に直接売却する、これができれば一番よいです。
しかし、株価の高い会社は、退職金を出しても株価が下がりきらず、
また、たいてい後継者には、お金がありません。
本来は、若いうちからコツコツとお金をためる、
あるいは、祖父母、父母から贈与をして、
株の購入資金をためてもらうのがよいのですが、
たいてい、そんなに準備していません。
②となると、株式の100%を後継者に売却することが、
難しくなります。では、一部だけ後継者に移し、
残りは、持株会をつくる、あるいは、持株制度をつくり、
幹部に持ってもらう、という方法があります。
オーナーから幹部への売却は、
一族に売却するときとちがって、とても安い金額でできます。
オーナーには、お金が全然入りませんが、
その分退職金でおとりください。
③幹部に株を渡したくない、という場合は、
持株会社をつくって、そこに売却する、
という方法を考えます。
持株会社に売る場合の株価は高いですが、
それは、本体から資金を貸し付けるなどして調達します。
オーナー個人からすると、持株会社に売却した場合は、
所得税は20%で済みます。
①~③会社の状況に応じて、
どの方法がよいか、検討してゆくのです。
(福岡雄吉郎)
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