手形サイト短縮へ、国は動き始めています。
“手形サイトの決済期限が2024年に縮まります。”
と何度か書かせていただきました。
現状、120日から60日になります。
紙の手形だけでなく、電子手形も同様です。
そして、紙の手形は2026年に廃止になります。
先般、2月16日、
中小企業庁と公正取引委員会の連名で、
「手形等のサイトの短縮について」という表題で、
大企業約5000社に対して、通達が出されました。
それが、こちらです。
ダウンロード - e382b5e382a4e38388efbc96efbc90e697a5e79fade7b8aee8a681e8ab8be9809ae98194.pdf
通達の送付対象となった会社は、
事前アンケートの結果、現状の手形サイトは60日超、
と答えていた、下請け企業を抱える大企業です。
内容としては、
「令和6年(2024年)には、最長サイトを60日に縮めるので、
速やかに現状のサイトを見直しなさい」
といったものです。
2024年の何月から、とは明確にされていませんが、
間違いなく、ルール改正に向けて国が動き出した、
と考えるべきです。
現状、大企業から60日を越えるサイトで回収しているのなら、
添付の通達を見せて、
「こういう通達が届いているのではないですか?
早めに対応して、改善指導のないようにしてください。」
と、購買決定者に申し入れてほしいのです。
先に行われた大企業へのアンケートは、
おそらく財務担当が記載しているはずです。
多くの購買決定者は、このような通達が来ていることなど、
知らないことも大いにあり得ます。
それに、大企業ともなれば、
購買決定者の上の役員クラスやトップが承認しないと、
支払いサイトが縮まらない傾向があります。
しかも、購買決定者にすれば、
支払いサイト短縮は上司に言いにくい内容です。
だからこれまでは、
下請けから短縮要請されても、放置したままになっていました。
しかし、国が出している通達があるのなら、
購買決定者も上司には進言しやすいです。
サイト短縮のルール改訂を、
大企業の上層部の誰もが把握しているとは、到底思えません。
資金繰りのことなど考えていない役員が、まだまだいるはずなのです。
中小企業にとって、
売上回収を早くできるだけで、資金繰りは大きく変わります。
せっかくのこの機会を逃さず、早めに動いてほしいのです。
(古山喜章)
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