インフレが近づいてきた③
日本経済新聞の紙面を見ていると、
「金利上昇」「コスト高騰」の文字を見ない日が
なくなってきました。
特にアメリカでは、進むインフレの流れを抑える
金融政策へと動き始めました。
その流れはやがて、日本にも近づいてきているのです。
③在庫を持ち過ぎない
インフレになると、モノの値段が上がります。
そうなると、こんな声が出てきます。
「どうせ値上がりするのなら、
いまのうちにできるだけたくさん買っておいたほうが
いいんじゃないでしょうか?」
確かに、これまでの標準在庫の1.5倍程度は、
在庫を積み増しても構わないでしょう。
しかし、過剰な在庫を抱えることは、危険です。
というのは、多くのモノについて言えるのは、
皆が同じ考えで抱え込み始めると、今度は値下がりが起きる、
値上がりはいつまで続くかわからない、
ということです。
その値下げ局面で、大量の在庫を抱えていると、
在庫は停滞し、資金繰りが一気に悪化するのです。
しかも、
銀行借入までして大量に買い込んでいたら、大変です。
在庫は動かず、売れないのに返済だけがどんどん迫りくるのです。
社長の頭のなかは、資金繰り一色に染まってしまいます。
安く調達できるうちにと思い、銀行借入をしてまで、
材木をたくさん仕入れた、
マスクを大量に買い込んだ、
先物買いで大量のドルを買い込んだ
等といったパターンで相場が崩れて在庫が滞り、
倒産の危機に追い込まれた、
という中小企業が私たちの周りにも、たくさんあったのです。
だから、インフレ局面であっても、
危険水域を超える程の在庫を抱えないでほしいのです。
やがて相場が転換する動きに変わっても、
そのマイナスを数カ月で吸収できる程度の在庫量に、
押さえるべきです。
ましてや、多額の銀行借り入れまでして、
過剰な在庫を抱えることは、避けてほしいのです。
やはり在庫の持ち過ぎは、財務を駆逐するのです。
(古山喜章)
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