少人数私募債のスキームが否認された③
少人数私募債の金利が否認された、
ということで、アドバイスを欲しい、と言われました。
国税局の指摘
「金利が高すぎる」という点については、
ソフトバンクの永久劣後債を事例として挙げました。
この社債の利率は6.8%なのです。
少人数私募債は、いわゆる劣後債と同じと捉えており、
この意味で、4.5%という金利は決して高くない、という主張です。
劣後債というのは、
金利が高いものの、
発行している会社が破綻した場合には、
弁済順位が最後(つまり、元本が返ってこないリスクが高い)
という社債です。
あらためて、少人数私募債には、次の特徴があります。
1.長期間償還が不要な状態が続く(具体的には償還期間5年超)。
2.返済順位が劣後(法的破綻時の劣後性が確保されている)
少人数私募債は、通常の貸付とは性質を異にし、
“出資性の強い借入金”です。
(金融用語でいうところの、「資本性借入金」である)
①借入金の金利は、0.5%~1.0%
②非上場会社で、出資に対する配当率10%は散見される(20~30%の会社も)
⇒少人数私募債は、②の折衷案といえるため、(①+②)÷2
≒ 5%前後の金利率は、適正範囲内といえる。
このような主張を展開したのです。
(福岡雄吉郎)
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