インフレが近づいてきた①
日本経済新聞の紙面を見ていると、
「金利上昇」「コスト高騰」の文字を見ない日が
なくなってきました。
特にアメリカでは、進むインフレの流れを抑える
金融政策へと動き始めました。
その流れはやがて、日本にも近づいてきているのです。
①現預金を持ち過ぎない
ガソリンが上がり、あらゆる輸入原材料が上がり、
インフレの波は、じわじわと近づきつつあります。
デフレ環境では、モノの価値が下がりました。
が、インフレでは、お金の価値が下がります。
余分なお金を持ち過ぎていると、
そのお金で買えるものが少なくなってゆく、ということです。
「いざという時のために、いまのうちに現預金をためてます。」
というのが、これまでよく聞く経営者のセリフでした。
しかしそれは、デフレ環境で、モノの価値が下がるから、
できたことだったのです。
インフレ環境でそんなことをしていると、
いざという時にお金の価値が下がり、買えるものは減るのです。
なので、
これからのインフレ局面で、お金を持ち過ぎているのは、
資金の活用効率を悪化させるだけなのです。
これまでも、
「過剰な現預金があるなら借入金を返しなさい。」
と言い続けてきましたが、
なおいっそう、今のうちに取り組んでほしいのです。
必要な時に、必要なお金を借りれるようにしておくことが、
ますます重要になってきます。
そのためには、財務体質を健全なものにし、
銀行格付け(スコアリング)を高くしておく、
当座貸越契約の枠を確保しておく、
といったことが、今のうちにできる対策となるのです。
30年もデフレ環境が続いたなかで、
インフレへの対策と言われてもよくわからない、
ということもあろうかと思います。
インフレ下での経営は初めて、という社長も多いはずです。
来るべくインフレに備えて、
今からできる対策を、考えてゆきたいと思います。
(古山喜章)
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