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2022年3月

2022年3月31日 (木)

労務制度の常識を見直すときが来た④

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

④定期昇給をやめれないか

 

中小企業も含めて、日本の給与制度の多くは、

等級と号数で管理する、職能資格制度を運用しています。

1等級と2等級は一般社員、3等級は係長・主任、

などといったタイプの制度です。

社員をそれぞれ、能力に応じた等級にあてはめます。

そしてそのなかで号数を上げて、定期昇給してゆきます。

 

「2等級の○○さんは、昨年の人事考課でB評価なので、

2号上がります。」といった運用方法です。

このように多くの場合、B評価でも1号か2号はあがります。

これが定期昇給となっているのです。

 

しかし、この方法のままだと、

給与はいつまでもあがってゆく、といいうことになります。

それも業績に関わらず、人事考課の結果次第で、

定期昇給は行われてきたのです。

この方法も、今の時代には合わなくなってきました。

「年数が増えるだけで、給与がいつまでも上がるのはおかしい。」

「業績は横ばいなのに、給与ばかりが上がって、これでは持ちません。」

「デフレが続いているのに、昇給し続けるのはおかしいんじゃないか。」

等々。

 

要は、定期昇給そのものを見直す時代にきた、と感じるのです。

ひとつの方法として考えれるのは、配当です。

今でも、従業員持株会を活用している中小企業はあります。

議決権のない、配当優先のある、

種類株式として運用しているケースが多いです。

 

ただ現状は、定期昇給にプラスして、持株会の配当も若干ある、

というケースがほとんどです。

それを、定期昇給は無しにして、

持株会に参加できる人数を増やし、

配当で大きく報いる形にすればよいのではないか、ということです。

極端に言えば、全員株主経営、といった形です。

 

種類株式を活用すれば、株式の分散対策もできるのです。

無議決権、配当優先の活用で、持株会メンバーだけに厚く配当できます。

現状の会社法で配当は、1年に何度でもいいことになっています。

配当額は持ち株数や、株式の種類で差をつけることができます。

業績次第で配当はなし、とすることもできます。

持株会の運用ルール次第で、割り当てる株式の増減が可能です。

 

さらに配当は、給与所得ではないので、

社会保険の算定基準に入りません。

配当が減っても、不利益変更にはなりません。

配当は、業績結果に対して出すものです。

業績に無関係な定期昇給よりも、

そのほうが、これからの時代には見合うと考えるのです。

 

特に現状、従業員持株会を運営している会社なら、

そう高くはないハードルで、実現できると考えるのです。

 

(古山喜章)

2022年3月30日 (水)

労務制度の常識を見直すときが来た③

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

③業績貢献に関係のない手当はやめてしまいなさい

 

日本の給与制度はこれまで、

手当を増やすことで社員の不満をうまくかわしてきた、

という側面があります。

結婚や出産に伴う家族手当、

賃貸住宅利用者への住宅手当、

休まずに出社した者への皆勤手当て、等々。

 

基本給をできるだけ上げずに手当で切り抜ける、

という策がとられてきました。

しかし、そのような手当が重荷になってきました。

「手当に縛られて基本給を上げづらい」

「この基本給ではいい人材を採用できない」

「共働きも増えてきて、家族手当や住宅手当は不要じゃないのか」

「休まずに出社することで手当てがつくのは今どきどうなのか?」

などといった声がでるようになってきました。

 

突き詰めれば、

業績貢献に関係のない手当てであることが、

手当て問題の原因なのです。

 

法律の面でも、

同一労働同一賃金、が求められるようになりました。

正社員でもパートでも、仕事内容が同じであれば、

給与の手当ては同じく支給せよ、との判例が出始めました。

その多くは、家族手当や住宅手当です。

 

また、手当てがどんどん増えることで、

給与計算も煩雑さが増えました。

日本の給与計算を、

もっと簡単でスピーディーにシステム化しづらいのは、

個別に多くの手当てがあったりなかったりするから、

でもあるのです。

 

また、それらの手当てを廃止して、

その原資を業績貢献に関連する給与に切り替えることを、

一気にやりにくいのも、制度見直しが進まない要因です。

一方的な制度変更で、社員にとっての不利益にならないような

配慮が必要になるのです。

 

制度切替えの実務として多いのは、3年ほどかけて、

じわじわと不要な手当て額を小さくしてゆく、あるいは、

新給与制度への調整手当という名目で、徐々に減額してゆく、

という手法です。

 

3年の猶予を与えるから、

その間に、これまでの手当てをもらっていたのと同じくらい、

新たな制度でも相当の給与をもらえるようになってくださいね、

ということです。

給与制度を見直すには、時間がかかります。

時間がかかるからこそ、早めに取り組みたいことでもあるのです。

 

(古山喜章)

2022年3月29日 (火)

労務制度の常識を見直すときが来た②

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

②退職金対象者は社歴10年以上の社員でいい

 

退職金制度は、中小企業の制度として長らく定着しています。

運用面で見てみると、

入社満3年以上の正社員を支給対象とする、

という内容が多いです。

 

しかし実際のところ、

満3年程度で退職金を出す必要があるのか、

ということです。

経営側からすれば、その年数の勤務くらいでは、

退職金を出すほど業績に貢献などしていない、

と言いたいのがホンネのところです。

 

3年~10年程度で退職する社員は、

退職後、概ね他社で働きます。要は転職です。

なかには退職金を出してもいい、

という人がいるかもしれませんが、そんな社員は少数です。

 

それであれば、

対象者は勤務10年以上の社員、あるいは、

15年以上の社員、と変更すればよいのです。

加えて、細かい規定は作成せず、

“退職金の支給は取締役会にて決定する”

程度にしておけばよいのです。

 

10年以上の社歴のある社員であれば、

年数の長い短いに関わらず、

“あの人には退職金を多く支給したい”

“あの人には退職金をできれば払いたくない”

などという、これまでの貢献度がはっきりしてきます。

その貢献に応じて、柔軟に支給額を決めれるようにするには、

細かいルールを決めないほうが都合がよいのです。

その分、決定の経緯や理由を、明確に記録しておけばよいのです。

 

現状の退職金制度は、年功序列で給与が上がった時代の遺産です。

古い制度に縛られて、払いたくない退職金を出すのなら、

貢献度の高い社員に厚く支給できるよう、変えてゆくべきなのです。

 

さらに、

退職金制度を導入していない中小企業も、増えつつあります。

私がかつて勤務していた会社でも、

今から25年ほど前に、退職金制度をやめました。

その時点で全社員約300名分を精算して支給したので、

お金は必要でしたが、資金繰りは問題なかったのです。

社員からの大きな反発もなく、スムーズに進みました。

 

どのような制度も、時代が変われば、

その時代の環境や実態に、合わなくなってきます。

合わないと感じれば、制度を見直してゆけばよいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月28日 (月)

労務制度の常識を見直すときが来た①

大企業でのジョブ型雇用が進むなど、

労務制度がかわりつつあります。

中小企業においても、

これまで当たり前のようにあった取り組みを、

見直す時がきているのです。

 

①労力ばかりの人事考課に意味はない

 

人事考課に関しては、次のようなお声をよく聞きます。

「うちの人事考課は、ものすごく手間がかかります。

 その割に、結局ほとんどがB評価なんですよ。

 手間のかかる割に、あまり差がつかないんで、これでいいのか…。」

 

人事考課の手法や仕組みは、

この30年から40年、ほとんど変わっていません。

しかも、あの要素もこの要素も入れたい、

などとなり、人事考課表はどんどん複雑化してきました。

 

加えて人事考課はそもそも、人材開発を目的としたツールですが、

いつの間にか、賞与時のための評価ツールへとなってゆきました。

すると、こんな声を聞くようになってきました。

「こんな手間をかけるなら、もっと簡単に、

 “この人はB評価”“あの人はA評価”くらいでいいんじゃないですか。」

もう、まさにその通りです。

人事考課の形に膨大な手間をかけても、ほとんど効果がない、

ということを、中小企業ではうすうす感じているのです。

 

独断と偏見の「鉛筆なめなめ」の評価はよくないものの、

独断と評価者間調整による「鉛筆なめなめ評価」くらいで、

実態の評価とさほど大きなブレは生じません。

特に、数十人、数百人程度の会社なら、その程度で十分です。

 

「うちは店長の人事考課は粗利益だけでやってます。」

という会社がありました。

多店舗展開する会社ですが、店長以上管理者の5段階評価を、

粗利益だけで決めていました。

「管理者全員の細かい評価をするのは大変ですし、

 このやり方で特に問題もありませんので。」

とのことだったのです。

結局、ジョブ型のごとく、

求められる役割や結果が明確な仕事をしている社員なら、

人事考課は何かの数値や成果物に絞って評価できるのです。

 

中小企業においても、

1年に2回、あるいは3回の人事考課が行われています。

その手間に見合う成果が得られていないのなら、

その制度はもはや自社に見合っていないのです。

自分の会社の人事考課制度を見直してみてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月25日 (金)

根抵当を外す④

株式会社目黒(仮)のオフバランスをお手伝いすることになりました。

今回、売却対象としている土地には、

メガバンクが1番抵当を設定しています。

 

2番抵当を設定している地方銀行は、

担保を外すことに特に難色を示していませんでした。

 

メガバンクに根抵当権を外す交渉をしたところ、

 

「外そうと思えば外せるけど、

借りたものは返すのがスジだよねってことなんですよ。

他社がどうやっているか知らないけど、

うちとしては、はいそうですか、というわけにはいかないんですよねぇ。

しかも、今回は、不動産を売却して資金化するっていうスキームのなかで、

根抵当を外せっていうわけですよね?

だったら、なおのこと、借りたものは返すのがスジでしょう、ってことなんですよ。」

 

ちょっと威圧的な言い方です。

目黒社長に言わすと、このメガバンクは、

ずーっと、上から目線だそうです。

 

それこそ、以前は、もっと厳しい物言いでした。

 

メガバンクには、借入残高が4000万円ほど、

シンジケートローンに参加している他行からの借入残高は、合計6億円ほど、

シンジケートローンというのは、「プロラタ返済」といって、

シンジケートローンに参加している銀行に対して、

均等に借入返済を行ってゆくのです。

 

どこか特定の一行にだけ、まとめて返済することはできません。

今回の土地売却で、目黒(仮称)が手に入れる売却代金は、

5000万円ほどです。

 

つまり、根抵当解除をしてもらって、土地売却を行い、

仮にその売却代金をメガバンクに返済しようとしても、

他の銀行にも、返済をしなければいけないため、

このメガバンクからの借入金をゼロにすることはできないのです。

 

それゆえ、メガバンクの担当者からは

「根抵当解除は認められない」と言われたのです。

 

ここから、2カ月間、根抵当解除をめぐる交渉が本格化したのです。

(つづく)

(福岡雄吉郎)

2022年3月24日 (木)

根抵当を外す③

株式会社目黒(仮)のオフバランスをお手伝いすることになりました。

 この目黒という会社ですが、実は、シンジケートローンが組まれています。

 

オフバランスの実行にあたって、

根抵当権を解除すべく、

早速銀行と交渉スタートです。

 

まずは、シンジケートローンの

アレンジャー(中心的な存在)の地方銀行に、

話をもっていきました。

 

「今回、財務体質を改善するために、

不動産を別会社に売却したいと思います。

ついては、この別会社に融資をして頂けませんか?」

と話をします。

 

地方銀行からは、前向きな返事を頂きました。

「ただし、根抵当権が、メガバンクが1番抵当ですので、

根抵当権を解除するなら、メガバンクに外してもらう必要がありますね。

根抵当を解除せずに、別会社へ売却もできますが。」

とのことでした。

 

目黒社長としては、根抵当を外せるものは外したいということで、

メガバンクにこのスキームを話して、解除してもらおうとしました。

 

地方銀行は、すんなりと理解を得られたので、

メガバンクもOKを出してくれるだろう、

と思いきや、これが想定外に苦戦をしたのです。

 

(福岡雄吉郎)

2022年3月23日 (水)

根抵当を外す②

株式会社目黒(仮)のオフバランスを

お手伝いすることになりました。

 

この目黒という会社ですが、

実は、シンジケートローンが組まれています。

 

シンジケートローンというのは、

複数の銀行(目黒の場合は、6つの銀行)がシンジケート団を結成し、

取引条件を完全に同じにして、一つの契約書によって同時期に行う協調融資です。

 

借り手は、個別の金融機関では対応できない多額の資金調達が可能となりますが、

借入利息とは別に、取りまとめを行う中心的な存在である「アレンジャー」や、

借入期間中の事務代行を行う「エージェント」に手数料を支払う必要があります。

 

シンジケートローンが組まれている会社というのは、

一言でいえば、財務体質が弱い会社です。

 

銀行からみれば、危ない会社ですが、

他の銀行と一緒になって融資をすることで、

自分だけが損を被るのを防いでいるのです。

目黒(仮)もまさにそんな状況でした。

 

話を戻して、目黒のBSには、

土地が2億円、鑑定評価をすると、5千万円、

売却損として1.5億円計上することになりますが、

このオフバランスを実行すると、財務体質は確実に良くなります。

 

細かいスキーム(計画)はさておいて、

銀行交渉が難航しました。

 

今回、売却対象とする土地には、

メガバンク(都市銀行)に1番抵当、

地方銀行に2番抵当が設定されていました。

 

先ほどのシンジケートローンによる借入は、

無担保の契約でしたが、

メガバンクと地方銀行とは、古くからお付き合いがあり、

過去に、シンジケートローンとは別の借入をしていたときに、

根抵当権を設定していたのです。

 

オフバランスの実行にあたっては、

この根抵当権を解除しようと考えて、

早速に銀行に交渉にいったのでした。

 

(福岡雄吉郎)

2022年3月22日 (火)

根抵当を外す①

お付き合いしている会社で、

株式会社目黒(仮)といいう会社があります。

業種は、サービス業です。

 

この目黒という会社ですが、

いまから10年ほど前に、潰れそうになりました。

東日本大震災の間接的な影響で、業績は急激に悪化、

債務超過に陥るレベルになりました。

 

銀行は、メガバンクが創業時からのお付き合いでしたが、

それに加えて、複数の地方銀行、商工中金からも借入を行っており、

明らかな借入過多で、その当時、目黒社長は、

夜も眠られなかったといいます。

 

ある銀行から呼び出されることは日常茶飯事で、

当時は、相当厳しい言葉、腹の立つ言葉も、

銀行員から投げかけられたといいます。

 

目黒社長自身の給料も、月に10万円ほどに押さえて、

夫婦一緒に乗り越えようとしてきました。

 

震災後、目黒は超低空飛行でしたが、

何とか持ちこたえさせることができました。

苦節期のあとには、花が咲き、

直近3年以上は、業績も完全に回復し、

経常利益で1億円以上を出せるまでになりました。

 

目黒社長の相談はここからです。

「当社は、まだまだ病み上がりで、

できるだけ、会社にお金を残したいんです。

 

先生の本を読んで、オフバランスをやってみたいと思っています。

実は、本社の土地は、弊社が持っていますが、

簿価2億円あるものの、実際はそんなにありません。

半分もないんじゃないかな。

オフバランスを通じて、財務対策をしたいんです。」

 

こうして、目黒のオフバランスはスタートしました。

 

(岡雄吉郎)

2022年3月18日 (金)

なぜ、本業以外にお金を使うのか⑤

お金を使うのなら本業に使いなさい、

と言い続けております。

しかしながら、決算書を拝見すると、

貸付金や出資金などが異様に大きい金額になっている、

ということがあるのです。

 

⑤趣味の世界への使い込み

 

自分の趣味の買い物に多額のお金を使い込む、

という実態も、何度となく見てきました。

よくあるのは、絵画などの美術品やクラシックカーです。

1点当たりの価格もかなり大きいです。

 

しかも、

1度購入すると、バイヤーからは、セールスの情報が入ります。

「この品はなかなか出てこないので、

社長に先に連絡させてもらいました。ダメなら他の方に連絡します。」

などと言われると、コレクター魂に火が付きます。

で、さらに買ってしまうのです。

 

多額の借入金を背負って債務超過であるにも関わらず、

固定資産で多数の美術品とクラシックカーを抱えている、

という会社がありました。

特に自動車は置く場所もいれば、メンテナンスの費用もかかります。

聞けばクラシックの名車が30~40台なのです。

 

「すぐに売却して借金返済にあてなさい!」

と言いました。すると、こう言うのです。

「いやぁ、いま売るのはもったいない…。」

「こんなときに何を言ってるんですか!

 このまま会社がつぶれたら、結局全部手放すしかないですよ!」

などと言い続けると、ようやく一部を売却し始めました。

 

何をいくらで売ったのか、聞きました。

「トヨタ2000GTを4台、2憶数千万円です。」

2000GTは今でも世界中の人気車種で、

1台あたりの販売相場が1.5億円~2億円はします。

そう思えば妥当な価格ですが、社長にすれば、

「買った時より安い。」とそれでも悔しがっていたのです。

 

当り前です。美術品やクラシックカーは、

バイヤーは仕入れ値の3倍近くで売るのです。

それでも、そのことをきっかけに、

絵画も含めて、じわじわと、趣味で買い集めた品を売り、

借入返済にあてていったのです。

 

会社のお金を公私混同で自分の趣味につぎ込み、

借入金をして財務体質を窮地に追い込んでしまう。

悲しいかな、中小企業には、そのようなことが起こりうるのです。

マサカの坂がいつやってくるかわからないこの時代に、

そんな余裕は本来ありません。

会社で稼いだお金は会社のものです。

そのお金は、会社が残ることに使うべきなのです。

 

(古山喜章)

2022年3月17日 (木)

なぜ、本業以外にお金を使うのか④

お金を使うのなら本業に使いなさい、

と言い続けております。

しかしながら、決算書を拝見すると、

貸付金や出資金などが異様に大きい金額になっている、

ということがあるのです。

 

④儲かりそうな上場株

 

経営者は基本、儲け話しが好きです。

そのようなネタも、身近に集まってきます。

しかし、だからといって、

会社の資金を使って儲かりそうな話しにお金を出す、

ということはしないでほしいのです。

 

総資産の約半分が投資有価証券、

という会社がありました。

年商に比べても半分くらいなのです。

その会社は、サービス業です。

固定資産は持たなくてもできる商売です。

なのに、総資産が固定資産で不要に膨張しているのです。

 

「この投資有価証券は何ですか?」

と、オーナーに伺いました。

「これは全部、○○○○社の株です。

 私はその会社から独立して今の会社を興したので、

 恩義がありますから。」

出身上場会社の株式を、銀行から借入金までして、

買い集めていたのです。

 

「恩義があるなら、個人のお金ですればいいじゃないですか。

 会社の財務を悪化させてまで、

 しなくてもいい買い物にお金をつぎ込んで、

 これ、従業員に説明できますか?」

と伝えました。すると、

「いや、それはなんとなくわかってはいるんですけど、

 ずるずると、今に至ってしまいました。」

と、反省はしていたのです。

 

その会社は本業の営業利益率が1%程度と低く、

配当を雑収入として、経常利益率は5%超なのです。

「これでは単なる資産運用会社じゃないですか。」

となり、結局その後、

その会社は資産運用会社として存続させ、

本業の商いは別の会社へ事業を移すことにしたのです。

 

総資産にある資金は、本業をより強くするために、

使うべき財産です。

本業のことは横に置き、無関係な投資や、

個人的な投資をする社長がいるから、

「オーナー会社は好き勝手にやっている」

といった類の非難を、同族会社は浴びるのです。

上場会社なら、則、

忠実義務違反で取締役解任されるようなことを、

独断で平気でやってしまうのです。

 

同族中小企業のオーナーは、

自らを律することを、忘れないでほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月16日 (水)

なぜ、本業以外にお金を使うのか③

お金を使うのなら本業に使いなさい、

と言い続けております。

しかしながら、決算書を拝見すると、

貸付金や出資金などが異様に大きい金額になっている、

ということがあるのです。

 

③身内への貸付金

 

同族企業の汚さが表れるのが、身内への貸付金です。

見方によれば、公私混同、横領と同じです。

きっちりと返済が進んでいるなら問題ありません。

が、貸したら貸しっぱなし、

ということを、度々見かけるのです。

 

短期貸付金、仮払金など、

貸借対照表への記載方法は異なりますが、

過去3年の決算書を拝見して、

ほぼ変わらない大きな金額が、それらの勘定科目で存在すると、

“何か良からぬものがあるな”

というのが、すぐにわかるのです。

 

当然、銀行にもわかります。

“この会社の財務管理はずさんだな”

“この会社はお金を貸したら何に使われるかわからない”

などという、烙印を押されるのです。

 

ある会社で、1億数千万円の仮払金がありました。

過去5年間、ほぼ金額が変わっていないのです。

「なんですかこの巨額の仮払金は?」

と若社長に聞くと、

「それ、うちの父親(先代社長)なんです。」

「何に使ったんですか?」

「株式とかの投資ですよ。

結局、どれもうまくゆかずで、今に至ってるんです。」

「顧問の税理士先生はどう言ってるんですか?」

「とりあえず、仮払金にしておきましょう、だけです。」

 

と、税理士が先代社長に仮払い処理を促すこともなく、

その具体策の提案もなく、時間だけが経過していたのです。

先代社長の年齢も、70歳をとうに越えていました。

「ところで先代は退職金をもらったんですか?」

「いえ、まだです。」

となり、結局、先代社長に退職金を約2億円支給することとし、

その金額で仮払金を相殺したのです。

先代社長の手元に残ったのは、相殺後のわずかな退職金です。

「それでも妙な仮払金が決算書から消えてよかったです。」

とは、若社長の弁です。

 

同族企業は、お金の貸し借りがずさんになりがちです。

そんな決算書は、読める人が見れば、一目で不正がわかるのです。

自社の決算書に、怪しい仮払金や貸付金がないか、

改めて確認してほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月15日 (火)

なぜ、本業以外にお金を使うのか②

お金を使うのなら本業に使いなさい、

と言い続けております。

しかしながら、決算書を拝見すると、

貸付金や出資金などが異様に大きい金額になっている、

ということがあるのです。

 

②デリバティブ商品

 

自己資本はマイナスで債務超過、

貸借対照表の右側の80%が銀行借入金、

という、財務体質がボロボロの会社がありました。

単純な話し、

この財務状況で銀行がなぜ、お金を貸しているのか、

という状況です。

 

社長にお聞きすると、こう返ってきました。

「実は12年ほど前に、先代の社長が銀行から

 ドル/円のデリバティブ商品を大量に買わされたんです。」

デリバティブ商品とは、先物商品ともいわれます。

変動相場のものを、ある価格で固定して購入し、

相場の変動で利ザヤを得る商品です。

もちろん、相場なので先読みは不確定です。

得することもあれば、損もするのです。

 

「デリバティブって、社長の会社は海外取引なんてないし、

 ドル/円なんて何の関係もないじゃないですか。」

「そうなんです。

 先代社長は銀行におだてられると、言われるがまま、

 借金してまで、本業に関係のない商品を買ってたんです。

 結局、それで10年ほど前に、大損して、

 銀行から損失補填を迫られ、さらに借入金を増やして、

 リスケさせられたんです。それが今も続いているんです。」

とのことだったのです。

 

「本業はどうなんですか?」

「本業は問題なく、この10年以上、ずっと経常利益率5%程度です。」

だから銀行は、回収余力があるとみなし、

新たな借金をさせてまで、リスケジュールを迫ったのです。

長い時間をかければ、回収できると踏んだのです。

 

聞くと、その先代社長の元には、

銀行支店長が毎年、誕生日に大きな花束を持って来社していたとか。

花束をもらった先代社長はご満悦で、

頼まれた商品をどんどん買い付けていたのです。

当然、その恒例行事も、損失補填の段階でなくなりました。

 

そしてリスケの直後、先代社長はお亡くなりになり、

現社長がリスケの残債を引き継いでいたのです。

「あと2年弱でようやくリスケ時の残債から解放されます。」

現社長はしみじみと語っておられたのです。

 

確かに10年ほど前、同様の被害が中小企業で多くありました。

私たちのもとにも、駆け込んでこられた経営者がおられました。

その時は、銀行が損失補填の決済を要求してきても、

ケツをまくって、のらりくらりと先延ばしにしたのです。

で、伸ばしているうちに相場が元に戻り、その時点で解約しました。

なので、新たな借金をすることも、リスケをすることも、

なかったのです。

 

デリバティブ商品で、確実に儲かる商品などありません。

それに、内容が複雑で、売る当人でさえ、

仕組みをよく理解していないのです。

そんな危険な商品に手を出すなど、絶対にしてはいけないのです。

特に、

銀行におだてられるのが好きな経営者が身近にいる会社は、

大いに注意してほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月14日 (月)

なぜ、本業以外にお金を使うのか①

お金を使うのなら本業に使いなさい、

と言い続けております。

しかしながら、決算書を拝見すると、

貸付金や出資金などが異様に大きい金額になっている、

ということがあるのです。

 

①スタートアップのベンチャー企業

 

出資金がこの数年、どんどん増えている会社がありました。

「何か子会社でも増やしているんですか?」

と社長にお聞きすると、言いにくそうに、

「いやぁ、それは、ベンチャー企業への投資なんですよ…。」

とおっしゃられたのです。

 

「本業に関係のある会社ですか?」

「本業には関係ないですね…。」

と、どんどん歯切れが悪くなってゆきました。

「それにしても、この数年、1億近くずつ程度、

 増えていますよ。どうしてここまで…?」

「本業は順調で、多少の資金的余裕がありましたので…。」

確かに、本業は着実に利益を上げています。

「で、この出資先はどうなんですか?」

「それが、コロナでほぼ全部ダメだと思います。

 まさか、こんなことになるとは思いませんでした…。」

 

“この事業はインバウンド需要がどんどん増えるので、

出資しておけばリターンがかなり大きいですよ。”

という紹介者の言葉に踊らされ、出資をしたのです。

救いは、銀行借入金ではなく、手元資金の範囲だった、

ということくらいです。

 

そうして、こげついた出資金だけが、億単位で残ったのです。

貸借対照表の面積グラフを作成すれば、

妙に目立つ存在となったのです。

加えて、いずれの出資先の会社もこの数年、債務超過でした。

決算書から株価を評価すれば、せいぜい1円です。

相手先の会社へ、株式譲渡承認の請求書を送ると、

いずれも承認してもらえました。

 

結局その出資金は、子会社へ安値で売却し、

本体の会社は売却損を計上したのです。

不良出資金の売却損は、特別損失です。

「利益も出ているので、今がちょうどいいじゃないですか。」

と、社長を説得し、損失処分をしたのです。

損失計上で、その年度の節税にはなったので、

損の40%は、国が負担してくれたようなものです。

 

「顧問税理士はどう言ってたんですか?」と尋ねました。

「このまま様子を見ましょう、と言ってました。」

体のいい、先延ばしです。

税理士先生に聞いても、このような場合、

なんのアドバイスもないのです。

 

そもそも、本業が順調で、手元資金に余裕があるのなら、

そのときにこそ、本業をさらに磨く、伸ばすことに、

お金を使っていただきたいのです。

機械設備、職場環境、システム、商品開発など、

お金を使うテーマは、いくらでもあるはずです。

 

少なくとも、従業員に説明しようのない出資など、

絶対にしないでほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月11日 (金)

即時償却C型の実務④

即時償却には2つのステップがあります。

第1ステップは、A型、B型、C型で、

それぞれ手続が違います。

A型なら、工業会の証明書をもらう

B型なら、投資計画をつくって、経産局の承認をもらう

C型なら、投資がデジタル化に貢献することを作文して、経産局の承認をもらう

これらの手続が必要でした。

 

さて、めでたくこの証明書/承認が得られたとして、

実務的にはもう1ステップあります。

それは、中小企業経営力向上計画を申請して、

承認をもらう必要がある、ということです。

 

これは、自社がどの業種であるかによって、

承認をもらう先が変わってきます。

ですが、これも審査は形式的で、作文をすれば通ります。

 

このときに満たさなければいけない主な条件は、

労働生産性が改善するかどうか(1%以上)、ということです。

こういうとなんだか難しそうな印象ですが、

審査する担当者がチェックするのは、

あくまで書類が形式的に整っているか、

計算式はあっているか

書類同士の整合性がとれているか、

などで、本質的なところまで踏み込んではこれません。

 

ぜひとも上手に作文して、即時償却を進めてください。

 

(福岡雄吉郎)

2022年3月10日 (木)

即時償却C型の実務③

顧問先でのC型即時償却の導入例です。

これまで、10件ほどC型のお手伝いをしてきました。

・在庫管理システム

・請求管理システム

・受注管理システム

いわゆるシステムという名がつくものは、

C型申請で通ってしまいます。

基幹システムも、C型で通すことが可能です。

 

下記は、在庫管理システムに関するやりとりです。

福岡「そういえば、今度、在庫管理のシステムを入れるんですよね?どんな内容なのか、

もう少し詳しく教えてもらえませんか?金額は、いくらくらいですか??

 

社長「はい、いまある在庫管理システムに、在庫の受発注に関する機能を

追加する、というものです。だいたい2000万円くらいですかね。

本来であれば、即時償却を使いたいのですが、今回の投資は、改修投資なので、

A型の証明書も出ませんし、B型も使えないと聞いています。」

 

福岡「今回の投資は、遠隔操作とか、可視化とか、自動制御化、というものに当てはまりませんか?」

社長「うーん、そんなたいそうな投資じゃないですよ。出荷指示書を書面でなくて、データ上で

行える、といった類のものです。どちらかといえば、ペーパーレスに主眼を置いたものです。

先ほどの条件に当てはまるものでしょうか???」

 

福岡「まぁ、それはそれで、ある意味で、“可視化”といえるかもしれません。とりあえず、こじつけで、作文してみますよ。これで通れば儲けもの、ということでいきましょう。」

ということで、現場の方から少し説明を聞いて、

文章を作成して、経産局に提出したところ、すんなりと承認が通ったのです。

 

(福岡雄吉郎)

2022年3月 9日 (水)

即時償却C型の実務②

即時償却のC型対象設備は、次のいずれかを実現するものでした。

①遠隔操作

②可視化

③自動制御化

 

もう少し詳しくご説明すると・・・

①遠隔操作

1)デジタル技術を用いて、遠隔操作をすること

 2)以下のいずれかを目的とすること

A)事業を非対面で行うことができるようにすること

 B)事業に従事する者が、通常行っている業務を、通常出勤している場所以外の場所で行う ことができるようにすること

 

可視化

1)データの集約・分析を、デジタル技術を用いて行うこと

2)1)のデータが、現在行っている事業や事業プロセスに関係するものであること

3)1)により事業プロセスに関する最新の状況を把握し経営資源等の最適化を行うことが できるようにすること

 

 

自動制御化

1)デジタル技術を用いて、状況に応じて自動的に指令を行うことができるようにすること

2)1)の指令が、現在行っている事業プロセスに関する経営資源等を最適化するためのもの であること

「経営資源等の最適化」とは、「設備、技術、個人の有する知識及び技能等を含む事業活動に活用 される資源等の最適な配分等」をいいます。 

 

この①~③に該当する投資であれば、 

所定の用紙に投資内容を記入し、

これを経済産業局に提出します。

その用紙はこちらです(下記をクリックください)。

ダウンロード - c_yoshiki1_besshi.xlsx

 

肝はこの書類です。

もちろん、他にも書類はあるのですが、

これを見ていただくと、B型のような壮大な投資計画を作る必要はない、

ということが分かります。

明日は、実際の具体例でご説明します。

 

(福岡雄吉郎)

2022年3月 8日 (火)

即時償却C型の実務①

来年3月まで使うことのできる即時償却ですが、

昨年のコロナ対策で、従来の

A型 生産性向上設備

B型 収益力強化設備

に加えて、「C型」というものができました。

 

C型は、結構使いみちがありますし、使うことのハードルは低いのですが、

まだなかなか使われていないのが現状です。

そこで、今回は、このC型の実務について、改めて紹介します。

 

C型というのは、デジタル化のための設備投資です。

対象設備は、次のいずれかを実現するものです。

①遠隔操作

②可視化

③自動制御化

いわゆる蜜を避けるための投資、でもありますね。

 

対象科目は、

・機械装置 160万円以上

・工具 30万円以上

・器具備品 30万円以上

・建物附属設備 60万円以上

・ソフトウエア 70万円以上

 

A型、B型と同じく、建物は対象外です。

また、医療機器も対象外ですし、

中古資産、貸付用資産も対象外であります。

そして、大切なのは、

投資内容が、先ほどの①~③のいずれかを満たすことを、

所轄の経済産業局に提出して、承認をもらう、ということです。

そして、そのうえで、「中小企業経営力向上計画」という別の書類を作成して、この承認をもらう必要があります。

 

つまり、承認をもらう段階として、2段階ある、

ということです。

では、明日以降、具体的にもう少し詳しくご説明してゆきます。

 

(福岡雄吉郎)

 

2022年3月 7日 (月)

セミナー《自社株節税の最新実務》困った“少数株主”対策のやり方

井上和弘のセミナーのおしらせです!

《自社株節税の最新実務》困った“少数株主”対策のやり方 | 経営セミナー・本・講演音声・動画ダウンロード【日本経営合理化協会】 (jmca.jp)

 

事業承継でオーナーの悩みは尽きませんが、何と言っても

①巨額に膨らんだ自社株の税負担をどう節税するか?

②分散している自社株(少数株主)の買い戻し

を一刻も早く実行することです。先送りが大問題で一番危険です。

 

井上和弘自身、50年経営指導と後継社長育成をやってきて、

早期着手の大切さと、その難しさを痛感しています。

 

「億円単位の金と税負担」「欲と情と愛憎」の入り交じった親族争いに膨大な時間とエネルギーをとられ、後継社長は経営に専念できません。

 

先代が元気なうちに後継者へ100%経営権を集中させることが次世代の確実な繁栄には必須実務です。

節税対策だけではダメです。最新の会社法も駆使した指導実例をもとに具体手順をお話します。

 

来月

4月26日(火)大阪 帝国ホテル

4月21日(木)東京 明治記念館

東京は、オンラインも同時開催です。

 

皆様のご参加、お待ちしております!

 

(福岡雄吉郎)

2022年3月 4日 (金)

人件費対策を考えよ ④

人材不足、最低賃金・法定福利費の上昇、

インフレ傾向、残業規制強化など、

これからの経営環境において、

人件費のコスト上昇を逃れることはできません。

何もしなければ、固定費は膨らむばかりなのです。

 

④各種助成金・優遇税制を活用しなさい

 

まず、

コロナ禍で雇用調整助成金を受けている会社は、

その助成金を雑収入ではなく、

労務費をマイナス計上する形にしてください。

できるだけ、営業利益を大きくするために、してほしいのです。

 

とかく雇用や給与に関しては、助成金や優遇税制が、存在します。

雇用促進や賃金アップは、

政府が継続的に取り組む課題だからです。

今年はいわゆる、「賃上げ税制」が大きく取り上げられています。

その概略資料は、こちらです。

ダウンロード - efbc92efbc90efbc92efbc92e5b9b4e7a88ee588b6e5a4a7e7b6b1e8b383e4b88ae38192e7a88ee588b6.pdf

 

中小企業では、

従業員全体の給与・賞与の総額などを増やすと、

前年度比1.5%以上の賃上げで、

「増加額」の15%を法人税が控除されます。

前年度比2.5%以上なら、増加額の30%の控除です。

さらに、

教育訓練費などを増やすと控除率は10%上乗せされます。

 

今回の制度の特徴は、

退職者があった、新入社員が増えた、

などは条件に加味されず、単純に、

給与・賞与の年間発生額の前年比較なのです。

 

「それって賃上げにならないんじゃないですか?」

と感じるかもしれません。その通りなのです。

早い話し、給与をアップしなくても、

賞与が増えた、新入社員が増えて人件費が増えた、

となれば、賃上げ税制の対象になるのです。

 

今年から始まる賃上げ税制は、以前からあった、

所得拡大促進税制の改良版です。

以前の制度では、純粋に、前年も今年も、

継続的にいる社員の給与の比較、だったのです。

他にも、全体人数が増えている、などの補足条件もありました。

しかし、現実的に賃金を上げる会社は少なく、

制度を活用する会社は少なかったのです。

 

そこで、今回の制度改正となったのです。

細かい条件は抜きにして、とにかく給与でも賞与でもいいから、

年間支給額を増やした会社には優遇税制を適用しよう、

となったのです。

賞与であろうと、給与所得としての人件費が増えていればいい、

という考え方になったのです。

これは結構、画期的なことで、

だからいつも以上に報道もされたわけです。

但し、役員への報酬は除外されます。

 

ならば、この時限立法の制度を最大限に活用すべきなのです。

給与・賞与の人件費の単純比較なら、

中小企業で対象となる会社はいくらでもあるはずです。

特に、業績のよい会社なら、賞与を増やせば、

それだけで賃上げ税制の対象となるのです。

令和3年4月1日から令和5年3月31日に始まる事業年度が対象です。

この3月末に決算を迎える会社から、対象になるのです。

自分の会社が適用するのなら、ぜひとも活用してほしい制度なのです。

 

(古山喜章)

2022年3月 3日 (木)

人件費対策を考えよ ③

人材不足、最低賃金・法定福利費の上昇、

インフレ傾向、残業規制強化など、

これからの経営環境において、

人件費のコスト上昇を逃れることはできません。

何もしなければ、固定費は膨らむばかりなのです。

 

③法定福利費の対策をしなさい

 

日本は高齢化が進むことで、

社会保障費の財源が年々不足しています。

それを補うべく、社会保険の対象者を拡大しています。

 

5年前の平成29年、大きな動きがありました。

従業員数500人超の会社を対象に、

社会保険の対象者を拡大したのです。

次の4つの条件を全部満たす従業員が、

社会保険に加入しなければならない、となったのです。

 

①週の労働時間が20時間以上

②雇用期間が1年以上見込まれる

③月額賃金88000円以上

④学生でない

 

会社にとっては、それだけ、法定福利費が増えたのです。

そしてこの2022年10月以降は、

従業員数500人超から、100人超に改訂されます。

「うちは500人もいないから大丈夫ですよ。」

と言っていた会社も、100人超なら対象になる、

という中小企業は多いはずです。

 

さらに2024年には、

100人超から50人超の会社が対象になります。

この改定は確定しています。

対象となる会社は、

上の①~④を満たす従業員の数だけ、

法定福利費が増えることになるのです。

 

ある労働集約サービス業の会社では、

その人数が100人強になることがわかっています。

なので、今のうちに会社を分割して、

社会保険適用拡大の対象にならないよう、準備を進めています。

放置すれば、100人分の法定福利費で約2千万円、

労務コストが増えるのです。

 

分社すれば、管理コストが増えるのでは、

と不安に思うかもしれません。

しかし、その会社ではすでに子会社が複数あり、

管理の仕組みはできあがっているのです。

さらに分社化しても、管理の手間がそう増えることはないのです。

 

それに、前回にも書いたように、

管理・間接業務はどんどん自動化が進んでいます。

そうなれば、なおの事、会社の数が増えたとしても、

管理コストの増加を気にすることはないのです。

それに、法定福利費は料率が上がるなど、

まだまだ高騰することが予測できます。

 

自分の会社が

社会保険適用の人数制限に引っかかるようであれば、

まずその対象者人数を把握し、

必要あれば、会社を小さく分けることを、進めてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月 2日 (水)

人件費対策を考えよ ②

人材不足、最低賃金・法定福利費の上昇、

インフレ傾向、残業規制強化など、

これからの経営環境において、

人件費のコスト上昇を逃れることはできません。

何もしなければ、固定費は膨らむばかりなのです。

 

②管理業務の自動化を進めなさい

 

テレビでは楽々精算やマネーフォワードのCMが増え、

タクシー内のモニターでは、

ジョブカンやカオナビ、ジンジャーなどのCMが増えてきました。

これらは皆、経理や人事労務など、クラウド管理システムの広告です。

他にも、ビーダッシュなどマーケティングツールのCMも、

タクシー内でよく見かけます。

 

トップが、

これらのCM内容が、なんのことやらさっぱりわからない、

となると、その会社の管理業務はまだまだアナログの証拠です。

 

例えば、

紙のタイムカードを使って毎月担当者が勤務時間を集計している。

給与明細を紙で印刷して配る。

交通費や支出の精算を紙の申請書で行っている。

出張申請は紙の申請書で行っている。

経理が振替伝票を作成し、会計システムに入力している。

人事考課は紙の考課表を配っている。

などなど、人海戦術によるアナログ作業に頼っているのです。

 

いわば、

アナログ会社はそれだけ多くの人件費がかかるのです。

それを補うほどの粗利益が十分にあるのならまだしも、

そうでもないのに、旧態依然とアナログ業務がのさばるのです。

しかも、労務コストは上がる一方です。

 

デジタル化の入り口として導入しやすいのは、

給与明細のデータ送信化や、勤怠データのデジタル化です。

このレベルのデジタル化であれば、トップがOKすれば、

中小企業であっても、

給与業務を担当する者で進めることができます。

いきなり、

経理業務や人事考課のクラウド化はハードルが高いです。

給与・勤怠データから、デジタル化を進めてほしいのです。

 

新たな会社は概ね、経営者も若く、

今どきのクラウド管理システムを使います。

利益に繋がらない管理業務は人を使わず、

固定費にすぎない人件費を、少しでも減らしたいからです。

 

これからの時代、

デジタル化の進んだライバルと戦うのに、

こちらがアナログではまったく太刀打ちできません。

管理業務はどんどん、自動化が進むのです。

やがては自動化・無人化が普通になるのです。

 

自社にデジタル化すべきアナログ業務がないか、

よくよく考えてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年3月 1日 (火)

人件費対策を考えよ ①

人材不足、最低賃金・法定福利費の上昇、

インフレ傾向、残業規制強化など、

これからの経営環境において、

人件費のコスト上昇を逃れることはできません。

何もしなければ、固定費は膨らむばかりなのです。

 

①設備を最新にして、省人化を図りなさい

 

「この機械がウチの利益を稼いでくれています。」

と自慢げにおっしゃる、ご高齢の経営者がいました。

しかし現場の方に「実際、どうなの?」と聞くと、

「いやあ、ロスは多いし、チョコ停はするし、

 メンテナンスもしょっちゅうしなきゃいけないし、

 何より生産能力が低いから時間はかかるし、

 いいことないですね。」

等と言います。このことをご高齢の経営者にいうと、

「いやいや、この機械は償却が終わっているから、

 今が一番稼いでくれいていますよ。

 彼らはわかっていないんですよ。」

と、ご自身のお考えを信じて疑わないのです。

 

減価償却は利益を下げる要因だから、よくない、

と考えているのです。実際は逆です。

減価償却費があるから、その分キャッシュが残り、

利益を下げて節税にもなるのです。

特に設備産業のメーカーにとっては、

減価償却費はキャッシュフロー経営の要なのです。

償却があるからお金が残り、いいのです。

 

結局、償却も終わったような古い設備は、

生産効率が悪いだけでなく、

とにかく稼働や管理に手がかかるのです。

この人手を要する人件費こそ、カットすべきです。

ところが、ご高齢の経営者ほど、

人件費を大きなコストと考えていない傾向が強いです。

サービス残業や休日出勤など当たり前、

といった感覚がまだ残っているのです。

 

メーカーにとって、最新の設備を活用することこそ、

減価償却増や労務コスト削減で、

ライバルとの優位性確保につながるのです。

加えて、機械設備を全額即時償却できる優遇税制は、

いまのところ2023年3月末まで有効です。

 

自社の機械設備で、

入れ替える余地のある機械をリストアップし、

最新設備に切り替えてほしいのです。

人手のかかる機械ほど早く入れ替え、

今のうちに省人化しておいてほしいのです。

人件費は今後、上昇傾向なのですから。

 

(古山喜章)

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