根抵当を外す④
株式会社目黒(仮)のオフバランスをお手伝いすることになりました。
今回、売却対象としている土地には、
メガバンクが1番抵当を設定しています。
2番抵当を設定している地方銀行は、
担保を外すことに特に難色を示していませんでした。
メガバンクに根抵当権を外す交渉をしたところ、
「外そうと思えば外せるけど、
借りたものは返すのがスジだよねってことなんですよ。
他社がどうやっているか知らないけど、
うちとしては、はいそうですか、というわけにはいかないんですよねぇ。
しかも、今回は、不動産を売却して資金化するっていうスキームのなかで、
根抵当を外せっていうわけですよね?
だったら、なおのこと、借りたものは返すのがスジでしょう、ってことなんですよ。」
ちょっと威圧的な言い方です。
目黒社長に言わすと、このメガバンクは、
ずーっと、上から目線だそうです。
それこそ、以前は、もっと厳しい物言いでした。
メガバンクには、借入残高が4000万円ほど、
シンジケートローンに参加している他行からの借入残高は、合計6億円ほど、
シンジケートローンというのは、「プロラタ返済」といって、
シンジケートローンに参加している銀行に対して、
均等に借入返済を行ってゆくのです。
どこか特定の一行にだけ、まとめて返済することはできません。
今回の土地売却で、目黒(仮称)が手に入れる売却代金は、
5000万円ほどです。
つまり、根抵当解除をしてもらって、土地売却を行い、
仮にその売却代金をメガバンクに返済しようとしても、
他の銀行にも、返済をしなければいけないため、
このメガバンクからの借入金をゼロにすることはできないのです。
それゆえ、メガバンクの担当者からは
「根抵当解除は認められない」と言われたのです。
ここから、2カ月間、根抵当解除をめぐる交渉が本格化したのです。
(つづく)
(福岡雄吉郎)
« 根抵当を外す③ | トップページ | 労務制度の常識を見直すときが来た① »
コメント