根抵当を外す②
株式会社目黒(仮)のオフバランスを
お手伝いすることになりました。
この目黒という会社ですが、
実は、シンジケートローンが組まれています。
シンジケートローンというのは、
複数の銀行(目黒の場合は、6つの銀行)がシンジケート団を結成し、
取引条件を完全に同じにして、一つの契約書によって同時期に行う協調融資です。
借り手は、個別の金融機関では対応できない多額の資金調達が可能となりますが、
借入利息とは別に、取りまとめを行う中心的な存在である「アレンジャー」や、
借入期間中の事務代行を行う「エージェント」に手数料を支払う必要があります。
シンジケートローンが組まれている会社というのは、
一言でいえば、財務体質が弱い会社です。
銀行からみれば、危ない会社ですが、
他の銀行と一緒になって融資をすることで、
自分だけが損を被るのを防いでいるのです。
目黒(仮)もまさにそんな状況でした。
話を戻して、目黒のBSには、
土地が2億円、鑑定評価をすると、5千万円、
売却損として1.5億円計上することになりますが、
このオフバランスを実行すると、財務体質は確実に良くなります。
細かいスキーム(計画)はさておいて、
銀行交渉が難航しました。
今回、売却対象とする土地には、
メガバンク(都市銀行)に1番抵当、
地方銀行に2番抵当が設定されていました。
先ほどのシンジケートローンによる借入は、
無担保の契約でしたが、
メガバンクと地方銀行とは、古くからお付き合いがあり、
過去に、シンジケートローンとは別の借入をしていたときに、
根抵当権を設定していたのです。
オフバランスの実行にあたっては、
この根抵当権を解除しようと考えて、
早速に銀行に交渉にいったのでした。
(福岡雄吉郎)
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