なぜ、本業以外にお金を使うのか④
お金を使うのなら本業に使いなさい、
と言い続けております。
しかしながら、決算書を拝見すると、
貸付金や出資金などが異様に大きい金額になっている、
ということがあるのです。
④儲かりそうな上場株
経営者は基本、儲け話しが好きです。
そのようなネタも、身近に集まってきます。
しかし、だからといって、
会社の資金を使って儲かりそうな話しにお金を出す、
ということはしないでほしいのです。
総資産の約半分が投資有価証券、
という会社がありました。
年商に比べても半分くらいなのです。
その会社は、サービス業です。
固定資産は持たなくてもできる商売です。
なのに、総資産が固定資産で不要に膨張しているのです。
「この投資有価証券は何ですか?」
と、オーナーに伺いました。
「これは全部、○○○○社の株です。
私はその会社から独立して今の会社を興したので、
恩義がありますから。」
出身上場会社の株式を、銀行から借入金までして、
買い集めていたのです。
「恩義があるなら、個人のお金ですればいいじゃないですか。
会社の財務を悪化させてまで、
しなくてもいい買い物にお金をつぎ込んで、
これ、従業員に説明できますか?」
と伝えました。すると、
「いや、それはなんとなくわかってはいるんですけど、
ずるずると、今に至ってしまいました。」
と、反省はしていたのです。
その会社は本業の営業利益率が1%程度と低く、
配当を雑収入として、経常利益率は5%超なのです。
「これでは単なる資産運用会社じゃないですか。」
となり、結局その後、
その会社は資産運用会社として存続させ、
本業の商いは別の会社へ事業を移すことにしたのです。
総資産にある資金は、本業をより強くするために、
使うべき財産です。
本業のことは横に置き、無関係な投資や、
個人的な投資をする社長がいるから、
「オーナー会社は好き勝手にやっている」
といった類の非難を、同族会社は浴びるのです。
上場会社なら、則、
忠実義務違反で取締役解任されるようなことを、
独断で平気でやってしまうのです。
同族中小企業のオーナーは、
自らを律することを、忘れないでほしいのです。
(古山喜章)
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