根抵当を外す⑨
株式会社目黒(仮)のオフバランスをお手伝いすることになりました。
メガバンクに根抵当解除をしてもらえないことについて、
東北財務局に問い合わせると伝えました。
ただし、とても低姿勢で伝えます。
「私たちの理解では、金融庁の方針は、
業績がよく、将来もある会社に対しては、
担保保証に依存せず、融資するよう指導していると思っています。
メガバンクさんの対応は、こちらの理解と違うので、
一度、私たちの理解があっているかどうか、
財務局に問い合わせして確かめたいと思っております。」
すると、メガバンクの方針が変わりました。
「今回、目黒がオフバランスするにあたって、
別会社が、目黒の不動産を取得するための資金を調達するわけですが、
その資金というのは、別の地方銀行から借りられるんですよね。
その地方銀行もシンジケートローンに参加していることを考えると・・・」
などと言い始めました。
要するに、その地方銀行が抜け駆け的に、
目黒の別会社に資金を貸し付けることはおかしい、
というような言い分なのです。
つまり、おかしいのは、目黒ではなく、その地方銀行だと。
そういう背景があるなかで、根抵当解除には応じられない、
とテーマをすり替えてきたのです。
目黒社長も、
「もう、根抵当解除はしなくて、このままいきましょう。」
とあきらめていました。
最後にもう1回粘って、
「分かりました、どういう形であれ、
今回の件は、私たちの理解とちょっと違うので、
東北財務局に照会します」とこちらも引きませんでした。
その結果、オフバランス実行のギリギリで、
根抵当解除ができたのです。
(福岡雄吉郎)
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