なぜ、少人数私募債を活用しないのか ③
「資金調達は銀行からするもの」
と思い込んでいる経営者が、中小企業では多いです。
銀行以外の調達方法のひとつが、《少人数私募債》です。
銀行からの調達に比べ、多くのメリットがあります。
しかし、そのメリットや内容、発行の進め方など、
ほとんど知られていないのが実情なのです。
③金利を3%~5%で設定できる
少人数私募債の金利は、3%~5%で設定してください、
と私たちは申し上げています。
10%でも可能ですし、実際におられます。
すると、顧問税理士の先生からは、
「そんな!銀行金利に比べたら、高すぎる!
過剰に高い金利は否認されますよ!」
との声を受けることがあります。
が、この考えは大きな間違いです。
銀行は、人さまから預かったお金を貸す、間接金融です。
社債は、自分の持ち金を会社に入れる、直接金融です。
加えて、
銀行からの借入金は、経営破綻時の弁済順位が高いです。
少人数私募債での資金調達は、経営破綻時の弁済順位が低いです。
後回しです。いわゆる、劣後債の扱いです。
お金を出す側から見れば、ハイリスクなのです。
ハイリスクの半面、ハイリターンで金利が高いのです。
つまり、銀行借入と少人数私募債での資金調達では、
金融の種類がそもそも違うのです。
それを比べて「金利が高すぎる!」と言うのは、
少人数私募債の性質をまったく理解していない証拠なのです。
加えて、
少人数私募債は劣後債なので出資性が高く、
銀行は自己資本とみなして評価します。
資本金の株式であれば、出資額に対して10%配当は、
ごく普通の数字です。
ならば、出資性の高い少人数私募債の金利が、
3%や5%でも、何ら不思議ではないのです。
現在、
メガバンクの普通預金の金利は、0.001%です。
1億円預けて、年利で1000円です。
メガバンクの定期預金は、0.002%、1億円で2000円です。
少人数私募債で1億円を会社へ預けて3%なら、年利300万円です。
銀行の普通預金に比べて、3000倍の金利です。
同じ1億円を預けるなら、その損得は明確です。
会社へ預けても結局は、会社を通じて銀行に預けるのです。
それで金利が3000倍なのですから、
このメリットはかなり大きいのです。
5%にすれば、普通預金に比べて5000倍の金利です。
それに、会社が銀行から借りて、低いとはいうものの、
銀行へ金利を払うより、経営者の手元に金利が払われるほうが、
お金の使い方として、ムダがありません。
銀行金利は、なんのリターンもないのですから。
このように、金利だけを考えても、
少人数私募債には、大きなメリットがあるのです。
資金調達の手段として、中小企業はもっと検討すべきなのです。
(古山喜章)
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