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« なぜ、少人数私募債を活用しないのか ② | トップページ | なぜ、少人数私募債を活用しないのか ④ »

2022年4月27日 (水)

なぜ、少人数私募債を活用しないのか ③

「資金調達は銀行からするもの」

と思い込んでいる経営者が、中小企業では多いです。

銀行以外の調達方法のひとつが、《少人数私募債》です。

銀行からの調達に比べ、多くのメリットがあります。

しかし、そのメリットや内容、発行の進め方など、

ほとんど知られていないのが実情なのです。

 

③金利を3%~5%で設定できる

 

少人数私募債の金利は、3%~5%で設定してください、

と私たちは申し上げています。

10%でも可能ですし、実際におられます。

 

すると、顧問税理士の先生からは、

「そんな!銀行金利に比べたら、高すぎる!

 過剰に高い金利は否認されますよ!」

との声を受けることがあります。

が、この考えは大きな間違いです。

 

銀行は、人さまから預かったお金を貸す、間接金融です。

社債は、自分の持ち金を会社に入れる、直接金融です。

加えて、

銀行からの借入金は、経営破綻時の弁済順位が高いです。

少人数私募債での資金調達は、経営破綻時の弁済順位が低いです。

後回しです。いわゆる、劣後債の扱いです。

お金を出す側から見れば、ハイリスクなのです。

ハイリスクの半面、ハイリターンで金利が高いのです。

 

つまり、銀行借入と少人数私募債での資金調達では、

金融の種類がそもそも違うのです。

それを比べて「金利が高すぎる!」と言うのは、

少人数私募債の性質をまったく理解していない証拠なのです。

 

加えて、

少人数私募債は劣後債なので出資性が高く、

銀行は自己資本とみなして評価します。

資本金の株式であれば、出資額に対して10%配当は、

ごく普通の数字です。

ならば、出資性の高い少人数私募債の金利が、

3%や5%でも、何ら不思議ではないのです。

 

現在、

メガバンクの普通預金の金利は、0.001%です。

1億円預けて、年利で1000円です。

メガバンクの定期預金は、0.002%、1億円で2000円です。

少人数私募債で1億円を会社へ預けて3%なら、年利300万円です。

銀行の普通預金に比べて、3000倍の金利です。

同じ1億円を預けるなら、その損得は明確です。

 

会社へ預けても結局は、会社を通じて銀行に預けるのです。

それで金利が3000倍なのですから、

このメリットはかなり大きいのです。

5%にすれば、普通預金に比べて5000倍の金利です。

 

それに、会社が銀行から借りて、低いとはいうものの、

銀行へ金利を払うより、経営者の手元に金利が払われるほうが、

お金の使い方として、ムダがありません。

銀行金利は、なんのリターンもないのですから。

 

このように、金利だけを考えても、

少人数私募債には、大きなメリットがあるのです。

資金調達の手段として、中小企業はもっと検討すべきなのです。

 

(古山喜章)

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