人を見て策を考える②
先日、相談に来られた九州地方でホテル業を営んでいる
九州開発(仮)の嵯峨社長(仮)ですが、
相談内容は、「ホールディングを設立したほうがよいか?」
というものでした。
会社は5社あり、祖業(不動産業)を核とする会社が、
1社あり、他は、ホテル業でした。
「社長、息子さん27歳ですが、
会社を継がすことを検討するのであれば、
30歳にははっきりさせたいですね。
これまで、そういう話ってされたことありますか?」
「いや~、息子と仲はいいんだけど、
その手の話は、これまでしたことないですね。
でも、息子は、不動産会社に就職しています。」
「それは、息子さんなりに、お父さんの商売に興味があり、
事業を引き継ごうとしていることの現れですね。
もし、息子さんに継がす場合、全ての会社を継がしたいですか?」
「いや、ホテル業は別に息子に継がせなくていいかなぁ。
内部によい人材がいれば任せてもよいですが。。。」
「内部によい人材っていますか?」
「いや、まったくいませんね。」
「M&Aって視野にありますか?」
「全くないわけではありません。」
「私の経験で、よく“幹部に事業を引き継いでもらう”という方がおられます。
が、結局は、最終的にM&Aで他社に売却することを検討されます。
そもそも、オーナーと幹部では、その意識に雲泥の差があり、
いくら幹部といっても、会社経営を任せられる人材がいないこと、
また、そもそも、幹部は、会社経営を引き継ぎたいとまで思っていない場合が多いこと、
さらには、中小企業の場合は、優秀な幹部がいることのほうが少ないこと
などが、理由です」
「わかります、それ」
では、ホールディング設立は見送りましょう。
(福岡雄吉郎)
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