経営のミスリードにダマされるな!①
世の中に経営コンサルタント業を営む会社は
数多く存在しています。
経営者はそれだけ不安で、孤独なのです。
そして、知らないことがたくさんあるのです。
しかし、私たちICOからすれば、
「それは間違った指導だろ」ということが、
世の中に存在するのも、悲しきかな事実なのです。
①「無借金経営の会社ほど、お金を借りることができません。」
武蔵野 小山昇氏の著書
“99%の社長が知らない銀行とお金の話”に書かれている言葉です。
私たちICOでは、
“無借金の会社ほど、銀行から「借りてください」と寄ってくる”
とお伝えしています。
先の書籍には、無借金で実績のない会社が、銀行に「貸してください!」
と言うと銀行は、「この会社はよほど追い込まれている」と考える、
とあるのです。
そんなことはありません。
私たちの顧問先の無借金経営の会社では、
「銀行が“借りてください!”とうるさく言ってきます。」
「“いつになったら借りてもらえるんですか?”と支店長から言われました。」
という言葉しか聞きません。
そのような会社はコロナ禍に入った際にも、すぐに銀行が借しています。
銀行にすれば、
「ようやくこの会社に融資できた!」と大喜びなのです。
そもそも、縁もゆかりもない銀行にいきなり、
「貸してください!」と申し入れることはまず、ありません。
給与振込、支払振込、手形割引など、
何か取引きのある銀行に、声をかけるはずです。
銀行と無縁で経営ができる会社は、ないのです。
加えて、現状は無借金経営でも、
過去にはそれらの取引銀行から融資を受けていた、
というケースがほとんどです。
つまり、現状は無借金経営でも、過去に融資を受けていれば、
銀行には当時の決算書をもとにした格付け(スコアリング)が残っています。
無借金経営になった経緯もある程度把握しています。
だから、融資の取引が途絶えていても、
「借りてください!」とやってくるのです。
この会社にお金を貸しても安全だ、とわかっているのです。
なので、
「無借金だと銀行は貸さない」ということはないのです。
この書籍のとおりならば、
借金の上に借金を重ねてゆく、ということになります。
これは大きなミスリードです。
そんなことをすれば、金利も元金返済も膨れ上がります。
総資産も過剰に膨張します。
自己資本比率を筆頭に、経営指標は悪化します。
そのような会社のほうが、
銀行にすれば、「危なくて貸したくない会社」なのです。
“無借金だと借りれない”というなら、
「じゃあ、最初はどうやって借りたんだ。」となります。
私たちは、無借金が経営の目的とは考えておりません。
しかし、無借金であることが、
倒産に最も遠いことは間違いない、と考えているのです。
まだまだカネ余りが続く現状、
銀行は無借金の会社にこそ、貸したいのです。
(古山喜章)
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