経営のミスリードにダマされるな!⑤
世の中に経営コンサルタント業を営む会社は
数多く存在しています。
経営者はそれだけ不安で、孤独なのです。
そして、知らないことがたくさんあるのです。
しかし、私たちICOからすれば、
「それは間違った指導だろ」ということが、
世の中に存在するのも、悲しきかな事実なのです。
⑤「資金に余裕があっても、繰り上げ返済をしてはいけない」
武蔵野 小山昇氏の著書
“99%の社長が知らない銀行とお金の話”に書かれている言葉です。
私たちICOでは、
“資金に余裕があるなら、繰上げ返済をしなさい。”
とお伝えしています。
業績が向上し、手元の現預金が増えることがあります。
先の書籍にはそんなときでも、
銀行は繰り上げ返済された分、金利が減って損をするから、
そんな勝手なことをしてはいけない、とあるのです。
しかし実際には、繰り上げ返済を依頼すると銀行は必ず、
「違約金」と称して、
「残りの金利分を払ってください。」と言ってきます。
融資の約定書には、「期限の利益」は守られる、とあるからです。
「期限の利益」とはこの場合、
最初に定めた返済期間に生ずる支払金利の総額です。
だから、銀行に繰り上げ返済を申し入れたとしても、
そんなにあっさりと残りの金利を払わなくてもよい、
とはならないのです。
しかし私たちは、
その「違約金」なる金利の減額を交渉しなさい、
それがどうしてもダメなら、「違約金」を払ってでも、
余裕資金があるなら繰り上げ返済しなさい、
その代わり、その銀行とは今後の取引をやめなさい、
と申し上げております。
「違約金」は、交渉で減額可能です。
ゼロにしてもらった、というケースも聞きます。
「どうしても減額措置も何もないなら、違約金は全部払います。
その代わり、今後はおたくからは借りません。」
と支店長に言うと半額になった、という事例もありました。
違約金を全額払って繰上げ返済した例も多くあります。
「それでは、そのまま借りておいてもいいんじゃないですか。」
とおっしゃる経営者もおられます。
私たちは、
「同じなら、今のうちに返済を終わらせたほうが、
財務体質の改善が早まります。
それに、金利は損金計上できるのだから、
業績好調の時に払っておいたほうが良いですよ。」
と考えるのです。
資金に余裕がないのに繰上げ返済しない会社は、
確かに銀行にしたらありがたいでしょう。
しかし、
そこまでして銀行のご機嫌伺いをすることは、全く必要ないのです。
稼いだ現預金を繰上げ返済に活用し、
総資産を圧縮して財務体質を改善することに、目を向けてほしいのです。
(古山喜章)
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