一世代一裁判⑤
株式会社南ハウス(仮称)の南一郎会長(仮名)から、
役員退職金の関係で仕事を受けたのは、
これまで述べた通りです。
南会長に久々に電話したところ、
ちょうどいま弁護士を入れて戦い始めた、
ということでした。
「先生、しかし、弁護士っていうのは、
ピンからキリまでだね。
最初に相談した弁護士なんかは、
最高裁の判決を持ち出して、勝ち目がないので・・・
といって腰が引けちゃって。
着手金で結構お金払っていたんだけど、
「それなら最初から引き受けるなよ!」って。
3人目にして、ようやく今の弁護士に辿り着いたけど、
同じ弁護士でも、ファイティングポーズをとる人、
最初から取らない人、マチマチだよ。」
「ところで、今の弁護士先生は、どういう作戦で?」
「うん、確かに現行法は、明らかに会社有利なんだけど、
裁判所は、まず和解勧告をしてくる。
その際には、口約束とか、これまでの慣例などが、検討されるようだよ。
裁判事例で勝訴が少ないのは、
“負けている”ということの他に、
和解で決着をつけているから、という理由もあるようでさ。」
「なるほど、そういうことですか。」
南会長は、
「あとはもう粛々とやるだけだからさ。
あんまりウジウジ考えても仕方ないでしょ。」
と明るい声で電話を切りました。
(福岡雄吉郎)
« 一世代一裁判④ | トップページ | 福利厚生が見直されつつあります。① »
コメント