一世代一裁判③
株式会社南ハウス(仮称)の南一郎会長(仮名)から、
役員退職金の関係で仕事を受けました。
南会長は、敵対する甥っ子の社長に対して、
役員退職金を●億円出してもらいたいと画策していました。
それに対して、外部の専門家から、
意見書が欲しいということで、
私に依頼があったのでした。
会長の意向に沿うように、
文書を作成することはできますが、
果たしてこれがどの程度、甥っ子の社長に響くのか・・・
そもそも、南会長の持株比率は30%程度で、
退職金を出すことを可決できません。
それでも、何かしらの後ろ盾が必要だと感じられたのです。
「会長、ところで、株式もお持ちですよね。
これはどうされるつもりですか?」
「ん?株?
これももちろん、社長に買い取ってもらうよ。
買い取ってもらえなければ、これもまた、裁判だな。」
その当時、私も株式に関する知識が浅く、
裁判で株式を買い取ってもらう方法なんてあるのか・・・
と思っていました。
南会長も、株式の取扱いについては、
深くご存じなく、とりあえずは、
まず先に退職金を出してもらいたい、
という意向でした。
とりあえず、会社(社長)宛の
退職金文書を作成して、説明することになりました。
「先生、ありがとう!
これで、とりあえず、甥っ子にぶつけてみるよ。
こっちには、弁護士もいるからさ。
それで困ったことがあれば、また連絡するから、
そのときはよろしく!」
そういって、ひとまず、南ハウスの仕事は一区切りついたのでした。
(福岡雄吉郎)
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