福利厚生が見直されつつあります。①
バブルが崩壊してデフレに突入後、
従業員への各種福利厚生は、徐々に縮小されました。
しかし、インフレ期に入ろうかとする昨今、
福利厚生を見直し始めている中小企業が、
ポツポツと出始めているのです。
①自動販売機によるサービス活用
先日、建設業を営む会社の方が、
「敷地内の飲料の自販機を半額以下にして、
ベンダーに払う不足分は福利厚生にすることにしました。」
と、お聞きしました。
「これからの暑い時期は特に、喜ばれています。」
と言うのです。
通常設置されている自販機よりも若干安く買える、
という自販機は、以前からも時々見かけます。
なかには、特定のメダルを支給して、
そのメダルを使えば無料、という形式にしている例もあります。
ここ数年で出てきたもので言えば、
ICタイプの社員証をかざせば、
キャッシュレスで買えるという、オフィスペイですね。
オフィスペイ|仕事場をキャッシュレス化、無人オフィス運営 (officepay.jp)
しかも、その社員証で月額1000円分を買える、
等と管理部門で個々に設定できて、福利厚生として活用できる、
という点で、デジタル時代に適した形になっています。
タイムカードをデジタル化していればこそできる、
新たな福利厚生サービスです。
アナログ型の紙のタイムカードでは、こんなことはできないのです。
自動販売機で最近新たなことに取組んでいるのは、
サントリーです。
「社長のおごり自販機」というのが広がりつつあります。
【公式】2人でタッチすると無料になる!?社長のおごり自販機 | サントリー (suntory.co.jp)
これもICタイプの社員証を活用するタイプです。
社員2人で社員証をかざせば、1人1本、ドリンクが出てきます。
2人で、というのは、
コミュニケーションを活性化させるため、だそうです。
サントリーは他にも、「ボスマート」という仕組みも始めました。
【サントリー公式|ボスマート】飲料自販機で軽食が買える!? (suntory.co.jp)
自販機の横にお菓子などの軽食を置き、自販機で支払います。
以前からある「オフィスグリコ」の自販機版みたいなものです。
ただ、オフィスグリコは、現金を箱に入れる仕組みです。
そうなると、管理部門での現金管理が発生します。
自販機と社員証を使えば、現金管理は不要です。
このように、自動販売機を活用して福利厚生に、
という例がじわじわと増えています。
「賃金を今すぐには上げづらいけれど、それくらいないなら…。」
という経営者の気持ちが反映されています。
物価が上昇する今、従業員の経済事情も厳しいのです。
なんの策もなければ、従業員の不満は膨らむばかりです。
加えて、
インフレに突入すれば、いずれは賃金を上げることになります。
しかし、現状でも何かできることに取組むことで、
従業員退職の抑止力や、採用面でのアピール要素には、なります。
そのような点で、福利厚生は今時の形で、増えてくると思われます。
見直しが始まりつつある新たな福利厚生を、紹介してゆきます。
(古山喜章)
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