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2022年8月

2022年8月31日 (水)

経理・給与は身内のほうが安心”の過ち➂

中小企業の場合、

経理・給与業務を身内の方が取り仕切っている、

ということが今もよく見かけます。

“身内のほうが安心だから”

というのがよくある理由です。

しかし、本当にそうでしょうか?

 

➂金庫番意識をはき違えて余計な投資をしてしまう

 

社長が知らない間に、

経理担当の身内の者が、銀行から進められ、

投資商品をいくつも契約していた、

ということがありました。

 

それは、社長の奥様が経理担当でした。

社長は銀行や資金繰りのことなど、

お金のことは奥様である経理担当に任せっぱなしでした。

最終的に社長が捺印しているものの、

なんの確認・チェックもせずに、押印していたのです。

そのため、社長は押印書類の内容を全く把握していない、

という状況だったのです。

 

そのような状況のなか、

銀行から勧められたデリバティブ商品を、

経理担当者としての資金運用策として、

借入金をしてまでどんどん契約していったのです。

当の本人は、デリバティブの内容など、まったく理解していません。

銀行から言われるがままです。

銀行もそれを知ってて、どんどん勧めたのです。

しかし、運用はほとんど失敗し、

多額の損失補填だけが残りました。

 

そこで初めて社長もそのことを認識したのです。

知らないとはいえ、社長自身が押印もしていたのです。

弁解のしようがありません。

 

その後、私たちの指導のもと、

損失をほぼ発生させない形で逃げ切りました。

が、まともに銀行から言われるがまま対応していたら、

おそらく銀行管理に陥り、破綻していたと思われるのです。

 

このように、経理担当を任された者が、

するべきではない投資に一存で契約してしまう、

ということが、起こりえるのです。

特に、身内で誰からのチェックもない、

となると、金庫番意識をはき違え、

自分の権限で何をやってもいい、と勘違いしてしまうのです。

 

この過ちが起こると、

会社の財務はかなり危険な状態に陥ります。

身内に経理を任せっぱなしなら、

資金繰りの状況を毎月報告させる、

貸借対照表に変化があれば内容を確認する、

見慣れない仕訳伝票があれば聞いてみる、

などすべきです。

チェックされている、と思わせてほしいのです。

それだけでも、大きな抑止力となりますから。

 

(古山喜章)

2022年8月30日 (火)

“経理・給与は身内のほうが安心”の過ち②

中小企業の場合、

経理・給与業務を身内の方が取り仕切っている、

ということが今もよく見かけます。

“身内のほうが安心だから”

というのがよくある理由です。

しかし、本当にそうでしょうか?

 

②若い銀行マンの情に流されやすい

 

これは特に、

高齢の女性が経理担当をしている場合に、

起こりやすい内容です。

 

地方のある中小企業で決算書を拝見しました。

すると、短期借入金と現預金がやたらと多いのです。

なぜそんなにも多いのか、追及してゆくと、

そこには、経理で銀行交渉も担当している、

会長(先代社長)の奥様が大きく関わっていました。

 

現預金の内容を確認すると、定期預金が妙に多いのです。

いわゆる、歩積両建預金です。

金融庁は金融機関に対して、

企業にとって不要な歩積両建預金をさせてはならない、

という禁止通達を出している行為なのです。

 

「すぐに定期預金を解約して短期借入金を返してください!」

と言うと、その経理担当である先代の奥様は、こう言ったのです。

「銀行の担当者から涙ながらに頼まれると、断れません。

 私たちも、銀行に助けてほしい時がありますから。」

結局、会長・社長の協力も得て説得し、

定期預金は解約することになったのです。

 

その後、改めてその経理担当の奥様と話しをしました。

「銀行担当の男の子が、自分の孫くらいの年齢の子だったので、

 ノルマのこととか聞いていると、かわいそうになって・・・。

 助けてやりたい気持ちで、借りてしまいました。」

このように話されたのです。

 

特に高齢の女性が銀行交渉を担当すると、

若い銀行担当男子の情に流されてしまう、

ということが、往々にしてあるのです。

銀行もそこを心得ているのか、そのような会社には、

若い新人を担当させたりするのです。

 

その後その会社では、その女性は退職され、

非同族の社員が後任の経理・銀行担当となりました。

当然、情に流されるような調達・運用は、なくなりました。

 

経理・銀行担当の者が、情に流されやすい人物だと、危険です。

特に、身内だから安心、

と思ってなんのチェックもしていないと、危ないのです。

情に流されて、余計な借入金や貸付金を発生させてしまう、

ということが起こりえるのです。

気づいた頃にはとんでもないことになっていた、

ということも、あるのです。

まずは、不要な定期預金がないか、

現預金の中身をチェックしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年8月29日 (月)

“経理・給与は身内のほうが安心”の過ち①

中小企業の場合、

経理・給与業務を身内の方が取り仕切っている、

ということが今もよく見かけます。

“身内のほうが安心だから”

というのがよくある理由です。

しかし、本当にそうでしょうか?

 

①過剰な現金を抱え込む傾向がある

 

社長の奥様や、先代社長の奥様が経理を担当している、

というケースがあります。

どちらかというと、地方の中小企業に多いです。

そのケースの特徴としてありがちなのは、

必要以上に現預金を抱えている、ということです。

 

ある経理担当の常務(社長の奥様)にお聞きしました。

その会社は現預金が月商の2.5倍以上あったのです。

それでいて、長期借入金が何本も残っているのです。

「こんなに現預金があるのなら、

 長期借入金のうち、

金利の高い1本はすぐに返済すればいいじゃないですか?」

銀行借入をして、金利を払ってまで、

過剰な現預金を抱えているのです。

余分な現預金は銀行返済にあてたほうが、

金利は払わなくてもよいし、総資産も縮みます。

総資産経常利益率(ROA)は向上し、自己資本比率も上がります。

 

しかし、その常務である社長の奥様は、

「私は主人(社長)から経理を任されているし、

 私のせいでお金が足りないとかなったら困るので、

 返してしまったら不安です。」

とおっしゃるのです。

 

現金をとにかく多く持っていないと、不安だと言うのです。

他社でも、似たような回答は往々にしてあります。

よく聞くと、そのような方々は皆さん、

過去に資金繰りが厳しかった時代を経験しています。

しかしそれは、創業当初の頃であったり、

日本が経済成長期で銀行優位だった時代の話しです。

もうその当時とは、環境も会社の財務状況も異なるのです。

 

「不安だったら、当座貸越契約を、

銀行にお願いすればいいじゃないですか。

 うちの自己資本比率なら、十分に交渉できますよ。」

と言うと、

「当座貸越って、なんでしょうか?」

となったのです。

結局、そのような対応策を全く学ばず、

過去の不安から、銀行に勧められるまま、借りているのです。

銀行にすれば、いいお客さんです。

「お貸ししますから、現金を持っていたほうが安心ですよ。」

と、あおるに決まっているのです。

 

結局、社長も身内に任せっぱなしになり、

「お金のことは任せていますから。」

と、無頓着になってしまっていたのです。

身内だからといって、何のチェックもなければ、

財務体質の改善をまったく考えない行動をとるのです。

それに、着服や横領は、身内でもありえます。

そういう例を見てきたのです。

身内だから安心、ということは、まったくないのです。

 

(古山喜章)

2022年8月26日 (金)

ITでもセカンドオピニオン⑤

システムで考えなければいけないのは、

業務の効率化をあげることだけではありません。

「セキュリティ」を考えることの重要性も高まっています。

 

昨今、会社のサーバーを乗っ取り、身代金を要求するような

サイバー攻撃の話を見聞きすることが多くなりました。

そこで、他社はどんな対策をしているか、教えてほしい、

という質問を受けることがあります。

 

これについては、段階(レベル)があります。

 

【レベル1

・会社用PCに「法人向け」アンチウイルスソフトを導入

(個人用だとアップデートは本人任せになる

(マイクロソフトディフェンダー不可)

 

【レベル2

・拠点にUTM等のファイヤーウォールを設置

 

【レベル3

・メールでファイルのやり取りをやめ、

クラウドストレージ経由でやりとりを行う(メール添付を止める設定を行う)

 

【レベル4

・メールでのやりとりからクラウド上のチャットツール(teamsslackなど)に移行する

 

中小企業はレベル1を満たしていないところも多いですが、

特に、機密情報を扱っている会社は、

セキュリティにも注意を払っていただきたいです。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月25日 (木)

ITでもセカンドオピニオン④

売掛金の消し込み作業の精度をあげるために分かったことは、

 

①入金口座がたくさんあって、

M銀行の口座以外に入金される売掛金については、

消込システムが使えないこと

 

②売掛金の消し込みがうまく行かない、 

 というのは、元をたどると、基幹システム、請求管理システムの

 設計の仕方、設計思想が原因であること

 

①については、得意先の要請に応じて、

入金口座を広げてきましたが、

今後は、できるだけM銀行口座に入金してもらうように依頼をかける、

新規の得意先については、最初から、M銀行口座に入金してもらうようにする、

ということにしました。

 

②については、システムの変更/改修を伴い、

かなり大掛かりな話になってしまいます。

数年後に、基幹システムの変更を予定しているので、

その際に現状の仕組みを変更することを検討してもらうようにしました。

 

①②いずれも共通しているのは、

得意先ないし従業員の要望にできるだけ応えようとして、

結果、オペレーションが複雑化してしまった、

ということです。

 

システムにヒトを合わせることはせず、

ヒトにシステムを合わす、という状態になっていたのです。

今後は、この方針自体も見直してゆく必要があります。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月24日 (水)

ITでもセカンドオピニオン③

医者、法律、税務の分野では、

セカンドオピニオンの重要性は、浸透してきていますが、

ITについても、第三者から意見をもらう、ということは、大切です。

 

売掛金の消し込み作業に関して、

M銀行のシステムを活用したとしても、

精度が60%程度であり、

まだまだ、ヒトに頼らざるをえない状況です。

社長は、ここをどうにか改善したいと、考えています。

 

そこで、私たちのネットワークを活用して、

ITの専門家に入ってもらい、

まずは現状認識をしてもらいました。

 

そこで、何が問題で、どう変えてゆけばよいか、

専門家の立場から、検証をしてもらったのです。

 

結果、消込の精度をあげるために・・・

・すぐできること

・時間はかかるが根元からなおすためにすべきこと

対処療法と根本的治療の処方箋を示してもらいました。

 

分かったことは、

・入金口座がたくさんあって、

M銀行の口座以外に入金される売掛金については、

消込システムが使えないこと

 

・売掛金の消し込みがうまく行かない、 

 というのは、元をたどると、基幹システム、請求管理システムの

 設計の仕方、設計思想が原因であること

 

などが分かりました。

つまり、消込作業というのは、「出口」であって、

「入口」を軌道修正しないと、出口は解決しない、ということなのです。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月23日 (火)

ITでもセカンドオピニオン②

医者、法律、税務の分野では、

セカンドオピニオンの重要性は、浸透してきていますが、

ITについても、第三者から意見をもらう、ということは、大切です。

 

建設業界はまだまだどんぶり勘定で、

例えば、Aという商品を、12,500円で販売した場合に、

得意先(建設会社)からの入金は、12,000円で来ることがあるのだそうです。

 

経理の社員さん、パートさんが売掛金の消し込みを行いますが、

請求額通りに入金されれば、スムーズに消し込みができるところ、

現実は、端数が切り捨てられて入金されるため、

「この入金分は、あの会社の請求のものだな」という感じで、

時間をかけて消込作業を行っています。

何せ、得意先は1万社ほどあり、全国に営業所があり、

取引件数が膨大なのです。

 

その消込作業にたくさんの社員、パートがかかりっきりなので、

社長としては、もっと効率的にならないか、作業負担を減らせないか?

と考えるわけです。

 

小口現金の精算と同じように、

消込作業も、それ自体、生産的な仕事とはいえないのです。

 

「経理部長、何か工夫されてないのですか?」

「はい、M銀行が提供してくれる消込システムを使っています。

“この入金は、あの請求分だな”と自動的に照合、処理をしてくれます。

しかし、まだ、システムの精度が高くなく、

合致率は、60%程度なのです。」

(福岡雄吉郎)

ITでもセカンドオピニオン②

医者、法律、税務の分野では、

セカンドオピニオンの重要性は、浸透してきていますが、

ITについても、第三者から意見をもらう、ということは、大切です。

 

建設業界はまだまだどんぶり勘定で、

例えば、Aという商品を、12,500円で販売した場合に、

得意先(建設会社)からの入金は、12,000円で来ることがあるのだそうです。

 

経理の社員さん、パートさんが売掛金の消し込みを行いますが、

請求額通りに入金されれば、スムーズに消し込みができるところ、

現実は、端数が切り捨てられて入金されるため、

「この入金分は、あの会社の請求のものだな」という感じで、

時間をかけて消込作業を行っています。

何せ、得意先は1万社ほどあり、全国に営業所があり、

取引件数が膨大なのです。

 

その消込作業にたくさんの社員、パートがかかりっきりなので、

社長としては、もっと効率的にならないか、作業負担を減らせないか?

と考えるわけです。

 

小口現金の精算と同じように、

消込作業も、それ自体、生産的な仕事とはいえないのです。

 

「経理部長、何か工夫されてないのですか?」

「はい、M銀行が提供してくれる消込システムを使っています。

“この入金は、あの請求分だな”と自動的に照合、処理をしてくれます。

しかし、まだ、システムの精度が高くなく、

合致率は、60%程度なのです。」

(福岡雄吉郎)

2022年8月22日 (月)

ITでもセカンドオピニオン

医者、法律、税務の分野では、

セカンドオピニオンの重要性は、浸透してきていますが、

ITについても、第三者から意見をもらう、ということは、大切です。

 

顧問先で、建設業に携わる会社があります。

工事現場で使う消耗品などを、

建設会社に対して売っています。

 

財務的には素晴らしい会社で、

毎期安定した業績も確保しています。

超優良会社なわけですが、

今後に向けた課題を整理しているなかで、

経理業務の効率化、というテーマになりました。

 

話を聞いていくと、建設業界はまだまだどんぶり勘定で、

例えば、Aという商品を、12,500円で販売した場合に、

得意先(建設会社)からの入金は、12,000円で来ることがあるのだそうです。

「端数切捨て」での入金です。

端数といっても、1円、2円の話ではありません。

 

端数切捨てという行為自体、問題なのですが、

何が問題かというと、

請求金額(売掛金)と入金額が合わないため、

経理業務が大変だ、となるわけです。

 

得意先から入金があったら、

売掛金がゼロになります。

これを『消し込み』といいます。

 

経理の社員さん、パートさんは、常時3名いますが、

この方たちが、はりついて、売掛金の消し込みを行っているのです。

(福岡雄吉郎)

2022年8月19日 (金)

在庫を減らしなさい④

この時期、ショッピングモールや百貨店の実店舗、

加えてネット通販の小売店やアパレル店等を見ると、

セール品の販売が増えていることに気づきます。

要は、そのほとんどが夏物・中元商品の売れ残りです。

“まだ暑いうちに売ってしまえ!”

という気持ちはわかりますが、

いつまでそのような売り方をするのでしょうか。

 

④過剰な在庫は子会社へ売却しなさい

 

在庫は大きく三種類に分かれます。

常時動いている、ランニングストック。

時々動く、スリーピングストック。

ほとんど動かない、デッドストック。

一年に1回くらいしか売れません、というのなら、

それはもう、デッドストックなのです。

 

なのに、デッドストックに該当するようなアイテムを、

在庫として大量に抱えている場合があります。

それだけで、棚卸資産が増え、総資産が大きくなるのです。

“これはもうほとんど動かない。”

というデッドストックがあるのなら、

その在庫を自社で抱えず、子会社へ売却すればよいのです。

 

「いくらくらいで売却すればいいのでしょうか?」

と、よく聞かれます。

目安は、売価の1割弱程度です。

例えばアパレルです。

インターネットで調べれば、買取相場がわかります。

概ね、“定価の10%程度”と記載されています。

それが世間の取引相場なら、その画面を保存し、

その相場をもとに、この価格に決めました、とすればよいのです。

 

他にも、

銀行が不良債権をサービサーへ売却するのは、

その不良債権額の10%です。

なので、

インターネットで買取相場を見いだせないものなら、

不良在庫金額の1割程度で構いません。

売却すれば、

1割を回収できて棚卸資産売却損、を計上できるのです。

 

で、子会社へ売却しても倉庫にそのまま置いておき、

売れたときにまた、子会社から仕入れればいいのです。

そうすれば、デッドストックは子会社で抱えたまま、

その在庫がたまに売れたら仕入れて、販売することができるのです。

 

在庫はなくしたいが、どうしても発生します、

というのなら、在庫の財務基準を明確にしてほしいのです。

1年以上滞留している在庫は売却することを原則とする、

といったことでよいのです。

何らかの社内規定を基準に定期的に処理をしている、

ということであれば、節税のため、という臭いは薄れます。

 

いつか売れるから、という理由で何の処置もせず、

放置することだけは、やめてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年8月18日 (木)

在庫を減らしなさい➂

この時期、ショッピングモールや百貨店の実店舗、

加えてネット通販の小売店やアパレル店等を見ると、

セール品の販売が増えていることに気づきます。

要は、そのほとんどが夏物・中元商品の売れ残りです。

“まだ暑いうちに売ってしまえ!”

という気持ちはわかりますが、

いつまでそのような売り方をするのでしょうか。

 

➂在庫を抱えると高くつく

 

顧問先の設備工事業者における実例です。

工事に必要な部品・資材は、

各工事現場の担当責任者が発注します。

 

その会社では、必要部品や資材を注文した際、

納品後、必要以上のものは、

半額で同じ業者に引き取ってもらっています。

例えば、4個必要な部品があったとして、

最小の発注ロットが6個とします。

2個は余分です。でも、6個単位でしか発注できません。

その余分の2個を、工事終了時には、

納品業者に仕入れ額の半値、あるいはそれ以下で、

引き取ってもらうのです。

 

その会社がそのようなことをやり始めたのは、

ある経緯があります。

以前は、2個余分があれば、

それはまた別の工事現場で使えるから、

という理由で、別の倉庫に保管していました。

現場ごとに余分は出るので、倉庫はすぐにいっぱいになります。

 

しかし、その倉庫に保管していた予備の部品が使われる、

ということは実態として、ありませんでした。

結局、別の現場では、新たに発注していたのです。

また、たまに倉庫にある部品を使おうとしても、

探すのに手間がかかる、

時間の経過で使えるものと使えないものがある、

という状況だったのです。

で結局、倉庫に保管していた予備部品を、廃棄していたのです。

 

“そんなことなら、

家賃を払って倉庫を借りても、意味がないじゃないか!”

となり、在庫は残さない、という現在のやり方に至ったのです。

要は、在庫を抱えると余計に高くつく、

ということに気づかれたのです。

 

残った部品や資材を、

“また使えるから”という理由でどこかに保管している、

という中小企業はまだまだ多いです。

しかし結局はそのほうが高コストになっている、

ということに、早く気付いてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年8月17日 (水)

在庫を減らしなさい②

この時期、ショッピングモールや百貨店の実店舗、

加えてネット通販の小売店やアパレル店等を見ると、

セール品の販売が増えていることに気づきます。

要は、そのほとんどが夏物・中元商品の売れ残りです。

“まだ暑いうちに売ってしまえ!”

という気持ちはわかりますが、

いつまでそのような売り方をするのでしょうか。

 

②販売計画をうのみにしない

 

多くの場合、

季節商品やブーム商品をどれだけ販売するかは、

営業部門が販売計画をたてます。

そしてその販売計画に基づいて、

生産計画や購買部門が発注をかけてゆきます。

 

そこで気を付けないといけないのは、

販売計画をうのみにしてはいけない、ということです。

営業部門が販売計画を立てると、

“売りたい”願望が計画数値に反映してゆきます。

販売時期が終わって結果を見ると、

計画どおりに売れた、ということはほとんどないのです。

 

私もサラリーマン時代、

季節ものの発注には、悩まされました。

販売計画どおりの発注では、ロスが出ます。

なので、

前年と前々年の、計画と実績数値の乖離を見ると同時に、

直近の販売成績の動向を見ながら、

発注・生産数の予測を立てていました。

そのうえで、発注ロットを大きい数と小さい数で、

見積を業者に依頼していたのです。

 

最初の発注ロットは、そこそこ大きくても構いません。

しかし、販売時期の半分を経過すると、

今度は最終の販売数の着地点を予測します、

そうなると、大きなロットでは対応できなくなります。

なのであらかじめ、小さなロットでも、見積をとっていたのです。

 

ロットが小さくなると、当然、仕入れ単価は上がります。

しかし、大きなロットで注文しても、

結局売れなかったら、残った分は全部ロスです。

ならば、単価が高くなってもいいから、

ロスを出さない発注に、注力していたのです。

 

それでも多少のロスが出るのです。

で、最終的に出たロスは廃棄し、棚卸資産除却損として、

特別損失に計上していたのです。

ただ、在庫を減らせば、ロスは減るのです。

営業の販売計画をうのみにせず、

在庫とロスは、最小限におさえてほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年8月16日 (火)

在庫を減らしなさい①

この時期、ショッピングモールや百貨店の実店舗、

加えてネット通販の小売店やアパレル店等を見ると、

セール品の販売が増えていることに気づきます。

要は、そのほとんどが夏物・中元商品の売れ残りです。

“まだ暑いうちに売ってしまえ!”

という気持ちはわかりますが、

いつまでそのような売り方をするのでしょうか。

 

①特別損失にして廃棄しなさい

 

季節商品やブーム商品の売れ残りが出てきたら、

セール品にする、福袋にする、それでも残れば社内販売にする、

といった流れが、今も世間の様子から垣間見えます。

 

でも結局それなりに、売れ残ります。

そんなとき、

“どうしても売れ残ったのなら、特別損失にして廃棄しなさい”

と申しあげています。

しかし、

“その会計処理は、どうすればいいのでしょうか?”

という質問を、今も時折受けることがあります。

 

“今はどのような処置をしているんですか?”と聞くと、

“この商品はもう売れないから処分しよう、という場合、

棚卸表に書かない、というやり方で処置しています。”

と教えてくれます。

“その方法だけだと、原価に入るでしょう。”と言うと、

“そうなんですよ、だからわからないんですよ!”

とおっしゃるのです。

 

“その原価から、廃棄分の額を、棚卸資産除却損として、

 特別損失に振り替える伝票を一枚きればいいんですよ。”

とお伝えすると、

“そうか!振り替えか!わかりました!”となります。

月次決算の時か、年次決算の折に、振替伝票を作成し、

原価から特別損失に移動させればよいだけのことです。

単純な処理ですが、やったことがなければ、わからないものです。

 

廃棄分が原価に入ったままだと、その分、

営業利益が小さくなってしまいます。

銀行への交渉力を高めるためには、

営業利益を減らしたくないのです。

だから、

廃棄商品等のコストは、特別損失に計上したいのです。

 

しかしそもそも、

不良在庫が出ないようにしてほしいのです。

売れ残ったら売値を下げる、という発想ではなく、

売り切り御免で在庫を残さない、という考え方に変えてほしいのです。

 

どのような業種であれ、

必要以上に在庫を抱えて対応できたのは、ずっとデフレだったからです。

あらゆるコストが上がってきた今後、

これまでと同じ発想の作り方・売り方では、

財務体力は衰える一方です。

在庫に対する考え方を、

大きく転換させる時期にきているのです。

 

(古山喜章)

2022年8月15日 (月)

インフレ対策セミナー 10月開催です!

井上和弘

 経営緊急7大インフレ対策

(日本経営合理化協会主催)

 

10月 6日(木)大阪 10:30~16:00

10月14日(金)東京 10:30~16:00

 ※14日の東京会場のみオンライン受講あり

井上、古山、福岡の3名が、登壇いたします。 

 

詳細&お申込みはこちらからどうぞ(日本経営合理化協会サイト)

 

物価高騰、賃金上昇、相場変動など、

多くの社長がこれまでに経験したことのない、

インフレ局面の経営環境となっています。

 

“インフレは経験したことがないので、どうすればいいのか…。”

“インフレ対策の書籍は見当たらず、具体策がわからない…。”

“これからわが社は、どこに選択と集中すればよいのか…。”

 

そのようなお悩みを、本セミナーでは解決していただきます。

 

とりまく環境の潮目が大きく変わろうとしている昨今、

経営の舵取りが遅れると、変化に大きく乗り遅れます。

逆に言えば、ライバルに大きく差をつけるチャンスです。

 

この大きなチャンスを最大限に生かすべく、

10月の本セミナーにぜひ、ご参加ください。

オンライン受講も可能です。(14日のみ)

ブログ読者の皆様とお会いできることを、楽しみにしております。

2022年8月12日 (金)

賃上げに悩む④

賃上げをした会社は、税務的にメリットがあります。

それが、「賃上げ促進税制」です。

 

ステップ1

雇用者給与等支給額が前年度と比べて 1.5%以上増加

⇒給与増加額の15%分、法人税が安くなる

 

雇用者給与等支給額とは・・・

パート、アルバイト、日雇い労働者 も含みますが、

役員や、役員の特殊関係者は除きます。

特殊関係者というのは、法人の役員又は個人事業主の親族などを指します。

親族の範囲は6親等内の血族、配偶者、 3親等内の姻族までが該当します。

給与のなかには、賞与や通勤手当等についても、含まれます。

退職金は、給与等に含まれません。

 

ステップ2

雇用者給与等支給額が前年度と比べて 2.5%以上増加

⇒上記に上乗せして、15%分、法人税が安くなる(合計30%)

 

ステップ3

教育訓練費の額が前年度と比べて10% 以上増加

⇒上記に上乗せして、10%分、法人税が安くなる(合計40%)

 

教育訓練費とは・・・

会社が、教育訓練等を自ら行う場合の費用(外部講師謝金等、外部施設使用料等)、

他の者に委託して 教育訓練等を行わせる場合の費用(研修委託費等)、

他の者が行う教育訓練等に参加させる場合の費用(外部研修参加費等)です。

 

要するに、賃上げして、教育に力を入れている会社は、

法人税が優遇される、ということです。

 

顧問先でも、成果に応じて給与を支払い、

かつ、教育に力を入れている会社は、

みな、社員がしっかりしていて、業績もよいです。

 

人件費、あるは、教育費、また、採用費は、

コストではなく投資である、という価値観を持っています。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月10日 (水)

賃上げに悩む③

賃上げをした会社は、税務的にメリットがあります。

それが、「賃上げ促進税制」です。

 

もともと、この税制はありましたが、

岸田首相のもと、税制のメリットが拡大しています。

 

簡単にいえば、給料を上げた会社は、

上げた金額に応じて、法人税を減らせます、

という制度です。

 

この税制は、3つのステップ(段階)があります。

ステップがあがると、法人税を減らせる割合が増えていきます。

 

ステップ1

雇用者給与等支給額が前年度と比べて 1.5%以上増加

⇒給与増加額の15%分、法人税が安くなる

 

ステップ2

雇用者給与等支給額が前年度と比べて 2.5%以上増加

⇒上記に上乗せして、15%分、法人税が安くなる(合計30%)

 

ステップ3

教育訓練費の額が前年度と比べて10% 以上増加

⇒上記に上乗せして、10%分、法人税が安くなる(合計40%)

 

この税制はこれまでにもありましたが、

従来の制度と比べると、

上乗せ要件(ステップ2&3)が簡素化して、かつ、控除率が引き上げられました。

 

もう少し細かい話は、次回に続きます。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月 9日 (火)

賃上げに悩む②

色々とモノの値段があがってきました。

モノの値段があがったあとは、

ヒト(人件費)もあがってゆき、

サービスの値段もあがってゆきます。

 

インフレ手当の例として、

サイボウズとノジマをご紹介しました。

私たち中小企業も考えていかないといけません。

 

体力のある会社は、給与をあげましょう、と言っています。

体力のない会社は、ない袖は振れませんが、

利益が安定している会社は、サイボウズやノジマに似たようなことを検討すべきです。

 

また、手当については、一律というよりは、

傾斜をつけたほうがよいと考えています。

若い人に多めに出すべきだと思っています。

毎月の給与UPは・・・・という経営者は、一時金の支給で、と伝えています。

残業を1分単位でつけていない会社は、まずはそこから、でもよいと思います。

 

なぜなら、これから景気が悪くなってくると、

労働争議が増えてくるからです。

 

特に今の若い社員は、SNSに平気でアップします。

労基から刺される前に、先に対策をとってしまうという発想です。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月 8日 (月)

賃上げに悩む①

色々とモノの値段があがってきました。

モノの値段があがったあとは、

ヒト(人件費)もあがってゆき、

サービスの値段もあがってゆきます。

 

先日、サイボウズという会社が、

インフレ手当を支給する、という記事が日経新聞に出ていました。

また、家電のノジマも物価上昇手当を支給しています。

以下、日経新聞から引用です。

(サイボウズ)

サイボウズは13日、「インフレ特別手当」を社員に支給すると発表した。

契約社員などを含め、直接雇用する社員に7~8月の間に特別一時金として支払う。

国内勤務者への支給額は6~15万円で、1カ月当たりの勤務時間によって変わる。

海外勤務者はインフレ状況や税金などを加味して現地で金額を決める。

半年ごとに給与改定している一部の海外拠点は対象外とした。

電気代や食料品などの価格が上昇するなかで、社員が生活に不安を抱かず業務を行えるよう支給を決めた。

同社は基本的に毎年1月に給与を改定しているが、インフレに早急な対応が必要と判断した。

 

(ノジマ)

家電量販大手のノジマは従業員の物価高対策として、

毎月1万円の特別手当の支給を始めた。

部長級以上の社員以外となる、約3000人の従業員(契約社員を含む)が対象となる。

食品や電気代など生活に関連する商品・サービスの価格が上昇するなか、

手当の支給を通じて従業員が安心して働けるようにしたい考えだ。

名称は「物価上昇応援手当」で、7月15日支給の6月度分の給与から導入した。

2022年度内は継続して支給し、23年度以降についても続ける方向で検討している。

ノジマの直近の平均年間給与は469万円だった。

賃金面で従業員の生活を下支えすることで、人材流出の回避にもつなげる。

 

(福岡雄吉郎)

2022年8月 5日 (金)

銀行取引で知っておきたいこと⑤

各社における銀行からの資金調達の実態を拝見すると、

「どうしてそんなことになるのか?」

ということがよくあります。

「そういうものだと思ってました。」

という回答をする社長が多いのは、

銀行取引に関しての知識が不足しているからです。

 

⑤金利の相場を知る

 

日本銀行は、新規融資の平均金利を、

インターネット上で毎月公開しています。

グーグルやヤフーで“日銀 平均金利”と検索してください。

「貸出約定平均金利:日本銀行」というサイトがトップに出ます。

最新版は、7月29日に公開されたものです。

 

短期新規融資の平均金利は、0.465%

長期新規融資の平均金利は、0.891%

となっています。

常に、直近の6ケ月分が掲載されています。

その推移でみると、長期の0.891%は、この6ケ月で最も高い金利です。

 

推測ですが、

「金利もじわじわ上がってくるので、固定にされたらどうでしょうか。」

という感じの提案を銀行から受けて、

やや高めの金利で融資を受けるケースが増えているのでは、

と考えるのです。

 

しかし、

この平均金利を見て、銀行借入のある会社の方は、

どのように感じるでしょうか。

「うちはもっと低い!」なら構いません。

「うちは平均よりずっと高い!」というのなら、

しかも、自己資本比率が30%以上もあるのなら、

それは完全に、銀行の言いなりになっている、ということです。

 

加えて、金利はじわじわ上がるかもしれません。

しかし、銀行が提案する固定金利は、平均よりずいぶんと高いです。

借入期間が5年~7年なら、

平均並みの固定金利でない限り、変動金利にすべきです。

そんな急激に高騰するとは、到底考えられないからです。

ならば、変動金利で十分です。

 

わかりやすい話し、

銀行が「固定がいいです」と言えば変動で、

銀行が「変動がいいです」と言えば固定にする、

というくらいに考えたほうがよいですね。

要は、銀行の提案の裏を攻めたほうが、借りる側にとって、

プラスとなることが多いはずなのです。

 

なんの知識もなく、銀行の言うがまま応じるのが、

もっともリスクが高いのです。

銀行融資を受けるのなら、せめて金利の相場くらい調べて、

「いまはこんな状況じゃないですか。」

と提示してやればいいのです。

知識があるとわかれば、銀行の態度も変わってきます。

 

特にこれから、

銀行は金利を上げるチャンス、と考えているはずです。

そのような誘いにのらないよう、知識を身に着けてほしいのです。

最後に、8月4日にいただいた、うれしいコメントを掲載します。

ぜひ、参考にし、取り組んでください。

~以下、いただいたコメントです~

 

以前に、個人保証を外した体験を書き込んだ者です。

個人保証を外す交渉は、金融庁が銀行に指導する以前から始め、

2015年に外すことが出来ました。

そのために、財務体質を強化する(自己資本比率を高める、

不良資産をゼロにする、

財務諸表分析を行い改善すべき点を見つけ改善する・・・)、

銀行に対する情報開示をきめ細かくする(年次、半期は訪問して報告、2四半期は書面で報告)、

会社に貸している土地を会社に売却する、等を行い、

しつこく銀行に外して欲しいと要望しました。

地銀1行が外すと、

なし崩し的にメガバンクを含む全行外すことが出来ました。

 

また、

TIBORに対するスプレッドを25bp(=0.25)まで下げることが出来ました。

TDBの評価も62点まで上げ、

地銀の格付けも上位2番目で中小としては最上位まで上げることが出来ました。

 

適切な情報開示を行い、強い財務体質を実現し、

経営者と会社の間をクリーンな関係にする事が個人保証を外すことに繋がり、

息子も安心して会社を継ぐことが出来るようになりました。

最終的には、経営者が強い意識を持って個人保証を外す努力をする、

金融に関する知識を高めることが必要だと思います。

 

コメント寄せていただいた高橋様、ありがとうございました!

 

(古山喜章)

2022年8月 4日 (木)

銀行取引で知っておきたいこと④

各社における銀行からの資金調達の実態を拝見すると、

「どうしてそんなことになるのか?」

ということがよくあります。

「そういうものだと思ってました。」

という回答をする社長が多いのは、

銀行取引に関しての知識が不足しているからです。

 

④担保・個人保証はいらない時代です

 

かつて、

融資には担保・個人保証が当たり前、という時代がありました。

当時は経済全体が成長期で資金需要が旺盛でした。

その為、お金が不足しており、

貸す側の銀行が優位な立場にありました。

そこで銀行は、回収できない時に備えて、

土地・建物に担保をつけ、社長に個人保証をさせたのです。

土地にも、それだけの価値があったのです。

 

しかし今や、時代は変わりました。

市場のお金は余り、銀行が頭を下げて借りてもらう立場になりました。

お金を貸すから担保をよこせ、等と言っていると、

融資が伸びない時代になったのです。

なぜなら、

「うちは担保なしで貸しますよ。」

という競合銀行が出てくるようになってきたからです。

金融庁も銀行に対して、

“担保に頼る融資はやめよ”と通達を出しています。

 

個人保証についても、

経営破綻した会社の経営者が追い込まれ、

一家離散や自殺が増えたのを契機に、金融庁が動きました。

「個人保証に関するガイドライン」が制定され、

“財務状況が悪い会社でなければ、個人保証をとってはならない”

と定められたのです。

既存の融資についても、個人保証は求められたら外しなさい、

となっているのです。

 

ただ、こうなっていても、銀行は担保も個人保証も、

以前とかわらずに要求してきます。

銀行担当者にすれば、とれればラッキーだからです。

それは自分の成績に加点要素となるからです。

 

そのため、

今でも融資時に担保・個人保証は必要なもの、

と思い込んでいる経営者がまだまだおられるのです。

もし、今も担保・個人保証があるのなら、

すぐに担当者を呼び、

「外してほしい」と交渉してほしいのです。

少なくとも個人保証は、外せます。

銀行は面倒くさがりますが、粘り強く交渉して外すのです。

 

数億円もの個人保証などしても、破綻時に払えるわけなどありません。

そんな重荷を抱えて気にし続けるより、

肩の荷を軽くして、日々の経営にまい進してほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年8月 3日 (水)

銀行取引で知っておきたいこと➂

各社における銀行からの資金調達の実態を拝見すると、

「どうしてそんなことになるのか?」

ということがよくあります。

「そういうものだと思ってました。」

という回答をする社長が多いのは、

銀行取引に関しての知識が不足しているからです。

 

➂信用保証協会とは何か

 

中小企業の場合、銀行から融資を受ける際に、

信用保証協会のお世話になったことがあります、

という社長がほとんどです。

 

信用保証協会は、

各都道府県に定められた、公的機関です。

銀行融資を受けた会社が経営破綻に陥って、返済できない場合に、

代わりに返済をする、いわゆる代理弁済の機能があります。

通常は残った負債の70~80%を代理弁済します。

しかし、今回のコロナ融資の場合は、

特例で100%の代理弁済となっています。

だから、銀行はコロナ融資をバンバン進めたのです。

貸し先が倒れても、100%、保証協会から弁済されるのですから。

 

では、

信用保証協会が代理弁済するお金はどこから来るか、

ご存じでしょうか?

会社が協会に支払う保証料は、信用保証協会の運営費となります。

代理弁済のお金は、保証協会が政府系銀行に申請し、

代理弁済した金額を政府系銀行から受け取ります。

ということは、保証協会を通じて、

国が銀行の貸倒金を補っている、ということです。

 

しかも、銀行にとっての保険機能である保証協会の費用は、

お金を借りた会社が負担します。

銀行にとっては、ますますおいしい保険です。

だから、

「融資は保証協会付きでお願いします。」

と、銀行員は平気で言ってくるのです。

保証協会付きの融資獲得は、

銀行員の成績にとって、プラス要素なのです。

 

そもそも、保証協会付きでないと貸せないのは、

格付け(スコアリング)の低い、財務内容が悪い会社です。

なのに、

どう考えてもこの会社は保証協会なんていらないだろう、

という強い財務体質の会社が

「今回の融資は保証協会付きです。」ということがあるのです。

保証協会なしで融資を受ければ、保証料はいりません。

その分、低コストで融資を受けれるのです。

 

結局、銀行担当者から言われるがまま、

条件を受け入れているだけなのです。

保証協会付きでお願いします、と言われると、

そうしないとダメ、そうしないと借りれない、と思い込むのです。

決してそうではないのです。

「どうして保証協会付きなのか?説明してください。」

と言えばよいのです。

それで納得のゆく回答でなければ、

保証協会なしで融資を受けれるよう、交渉すればよいのです。

 

銀行に言われるままでは、コストがかかる一方なのです。

 

(古山喜章)

2022年8月 2日 (火)

銀行取引で知っておきたいこと②

各社における銀行からの資金調達の実態を拝見すると、

「どうしてそんなことになるのか?」

ということがよくあります。

「そういうものだと思ってました。」

という回答をする社長が多いのは、

銀行取引に関しての知識が不足しているからです。

 

②シンジケートローンは銀行のリスク分散です

 

「銀行に長期の借入をお願いしたら、

 “シンジケートローンでいかがでしょうか?”

 て言われました。

 それって、いいんでしょうか?」

といった素朴な疑問をいただくことがあります。

 

シンジケートローンとは、

ある銀行がまとめ役(主幹事)になって、

3~4の銀行でまとまった金額の融資をすることです。

なので当然、

まとめ役としての手数料がそれなりに必要になります。

 

“シンジケートローンでいかがでしょうか?”

と銀行が提案してくるのは、銀行が、

“この会社にそれだけの金額を貸すのはリスクが高いな。”

と感じる時です。

要は、お金を貸す側にとってのリスク分散なのです。

 

中小企業の場合、3億円以上の融資の場合に、

このような提案を銀行から受けることがあります。

「うちは3億円以上でもシンジケートローンの提案なんて、

 されたことないですよ。」

というのなら、貸す側として、そこまでのリスクを感じていないのです。

いわば、貸しても安心できる優良企業と判断されている、

ということです。

 

そもそも長期借入金は、5年返済が基本です。

「うちは1行で10年とか15年があります。」というのなら、

それだけ銀行からの信頼が厚い、ということです。

昨今、10年先や15年先に、多くの業界は先が読めません。

15年で返済を受けても、この業界でこの会社なら、

倒れることはないだろう、との判断を受けているのです。

格付け(スコアリング)の10段階でいえば、

1~4段階までに入っている会社です。

 

逆にそれ以下の格付けの会社だと、10年で交渉しても、

「5年でお願いします。」

「シンジケートローンでお願いします。」

などと言われるのです。

5年返済と10年返済では、資金繰りの厳しさが全然違います。

 

だからそうならないよう、

格付け(スコアリング)を向上させると同時に、

銀行の思考や知識を蓄えて、しっかり交渉してほしいのです。

 

(古山喜章)

2022年8月 1日 (月)

銀行取引で知っておきたいこと①

各社における銀行からの資金調達の実態を拝見すると、

「どうしてそんなことになるのか?」

ということがよくあります。

「そういうものだと思ってました。」

という回答をする社長が多いのは、

銀行取引に関しての知識が不足しているからです。

 

①短期借入金と長期借入金はどう違うのか

 

基本的に、短期借入金は運転資金のための借入金です。

1年以内に返済する借入金です。

「在庫がたくさんいるで、運転資金が必要になります。」

「回収が遅く、運転資金が必要になります。」

「一時的に賞与資金が少し足りません!」

という会社が用立てます。

 

一方、長期借入金は通常、設備、建物、土地など、

長期で活用する固定資産を購入する際に調達するものです。

つまり、短期借入金と長期借入金では、

その目的・役割が異なるのです。

 

なのに、設備資金を短期借入金で融資を受けている、

という会社がありました。

「どうしてそんなことになったんですか?」と社長に尋ねます。

「いやぁ、支店長から

“短期借入金でお貸しします”と言われたので…。」

とのことだったのです。

 

このように、

支店長が「短期で貸します」と言うのには、理由があります。

短期借入金は、支店長決済です。

長期借入金は、本部審査による決済が必要で、時間がかかります。

そのため、特に銀行の決算が近い3月や、中間決算の9月になると、

支店長が「短期で貸します」と言い出す傾向が強くなります。

 

「短期でもいいんじゃないですか?」という社長がいました。

短期は、1年での返済です。

長期で通常5年前後で借りるものを、

1年間の返済で返そうと思うと、返済額がその分、大きくなります。

資金繰りを厳しくする要因になるのです。

 

そもそも、設備は長期で稼ぐための資産です。

減価償却も5年~7年前後が多いです。

1年で返済しきれるくらい稼ぐ設備ならいいのですが、

そんなにうまい話しはそうありません。

で、返済しきれずに、

新たな短期借入金で返済資金をまかなうことになってしまうのです。

こうなると、借入金が膨らむだけで、銀行の思うツボです。

 

でありながら、

「短期ですぐに借りれた!」等と喜んでいる社長もいるのです。

銀行は、お金を貸して稼ぐプロなのです。

安易に銀行のいうことを受け入れることのないよう、

銀行取引に関する知識を、携えてほしいのです。

 

(古山喜章)

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